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暑中お見舞い申し上げます。
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【人と猫と兎とハガキ】
奏楽が席を立ったことで、遙には実の様子がよく見えるようになった。
ペンを持っているからには何か記入するつもりでいるのだろうが、さっぱり手を動かす素振りもない。
(書かないのか?)
そう尋ねてみてもよかったのだが、目が合うなり脳天気そうな笑顔を向けられて、気が削がれた。
時折何か考え込んでいる様子だったので、彼なりの事情でもあるのだろう。
職場用のハガキを脇に寄せ、遙が新しく手に取ったのは、大学時代に付き合っていた彼女に向けての一枚だ。
同窓会で再会して以降、年賀状のやりとりが続いていたのだが、先月子供が生まれたとの知らせを受けたのだ。
出産祝いを兼ねて、暑中見舞いくらい送ってもいいだろう。
ハガキを見つめながら、遙もまた物思いにふける。
こんなとき、決まって思い出すのは、亡き親友の姿だ。
(大学時代、か……。アイツには悪い癖があったな)
何度恋人を奪われたことだろう。
黙っていても女には困らないだろうに、どうして余計なことをするのかと詰め寄れば、何の罪悪感も感じていない顔をしてこんなふうに答えていた。
『ひとのものなんかどうでもいい。お前のものだから、欲しくなるんだ』
単に遙を困らせたかっただけだと、性質の悪い笑顔で言った。
幼稚な男だと思うのに、そんな相手に遙は薄情者呼ばわりされていた。
『お前は、人間関係に対し不誠実だ。家族を持つには向いていない』
遙のことをよく理解していたからこそ、出た言葉なのだろう。
誰かと付き合う際に、断るのが億劫だから、義理と惰性でだらだらと。そんな態度でいた遙には、彼の言葉は否定できない。
遙の耳には、今も彼の声がはっきりとよみがえる。
指先で、とんとんとハガキを突いた。
今ハガキを送ろうとしている相手の夫も、遙のことを『はるか』という名の女友達だと誤解しているのだという。
生まれた子供の名前は、『洋』と書いて、『よう』と読むらしい。
(読みかたが俺と同じなのは、偶然か……?)
さっぱり理解できない女心に、どこか背筋の寒くなる心地がした。
重くまとわりつくような執着心は、遙に亡き親友の眼差しを思い起こさせた。
「どんな画材があるかなぁ、シールとかあるかなぁ?」
恵御納 夏朝
のろっこんに、ねこシールは不可欠だ。
かわいくて丸っこいねこシールは、いくつあっても構わない。
「あ、これかわいい……」
『トランプ堂』を訪れた夏朝は、シール売り場でねこシールを集めたあと、店内をうろうろしながら画材を見て回った。
「……フェアをやっているなら、ハガキも買おうかな」
買い物を済ませて、席に着いた夏朝がハガキに描くのは、もちろん猫だ。
ハガキの右下に、熱心にかわいらしい猫のイラストをどんどんどんどん描いていく。
夏の青空、そして海。白い砂浜、カラフルなビーチパラソルの下で涼む猫。
ハガキによって、猫の模様がそれぞれ違う。
どの猫も、気持ちよさそうに目を細めていて、愛らしさは満点だ。
「……描きすぎちゃったかな」
四枚のハガキを前に、誰にハガキを送ろうかと考える。
「よーし」
三毛猫は、
野々 ののこ
に。茶虎のは
七夜 あおい
に。そして黒白のとキジトラの二枚は、島外にいる両親に宛てることにした。
「……絵だけだと、あれかな? そっけないかなぁ?」
『暑中お見舞い申し上げます』
丸みを帯びた文字をつづりながら、夏朝はそこでいったん手を止めた。
(えっと、あとは何を書けばいいんだっけ……)
『寝子島は、猫がたくさんで嬉しいし、
色んな事があって、楽しい日々を過ごしています。
もうすぐ夏休み。……何をして遊ぼうかな?
これからも暑い日が続きますが、体調にお気をつけてお過ごし下さい』
「っと。これでいいかなぁ……?」
首をかしげながら、残りの三枚にもメッセージを記入していく。
全部のハガキを書き終えて、あたりを見回した夏朝の視界に、猫のイラストが飛び込んできた。
「ふふ。この猫さん、かわいい……」
「ん? どれのことだ? お嬢ちゃん」
夏朝のつぶやきに、隣に座っていた実が頭を上げた。
「……これ。この猫さんのこと」
夏朝が指さしたのは、月詠が残していった、たむろする猫のサンプルイラストだ。
「お嬢ちゃんのハガキも、猫だらけだな」
机に広げられたハガキに目を向けて、実は、誰に送るつもりなのかと夏朝に尋ねた。
「学校のお友達と、お父さんとお母さんに出すの……」
「へぇ、親御さんにか。若いのにしっかりしてるなぁ」
「……しっかり、してるかなぁ?」
感心してみせる実に、夏朝はちょっぴり首を傾げると、ハガキをまとめて席を立った。
「これ、出してくる」
「おう、気をつけてな」
「……うん」
店を出て行く夏朝の足取りは軽かった。
(画材屋さん、楽しいところだなぁ)
この店の場所を覚えておこうと考えながら、夏朝はポストを探しに外へ出た。
「……いろんなハガキを書くやつがいるもんだな」
夏朝の背中を見送ったあと、実はついに、ペンを持つ手を動かし始めた。
とても大切な人に宛てて書くハガキだ。
実の目には真摯な色の光が宿り、ぎゅっと眉が寄せられる。
最初から、誰に宛てて書くのかは決めていた。
二度と会えなくても、触れられなくても、あの声で呼んでもらえなかったとしても、かけがえがないと感じる気持ちが揺らぐことはない。
それほどに大事な人へ宛てたメッセージだからこそ、伝えたい気持ちを綴る手にも力がこもり、指先はかすかに震えた。
『俺は元気です、君が変わらず笑顔で居る事を願っています』
短く、そう書き終えると、実はそっとハガキの中のウサギを指でなでた。
「長居して悪いな、あんがとさん!」
からっとした声で店員に礼を述べた顔は、すっかりいつもの寝ぼけたような表情だ。
店を出る実が持つハガキには、宛名が書かれていなかった。
実は切手を買い求めることも、ポストを探すこともせず、気の向くままにふらりと外を歩いていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月15日
参加申し込みの期限
2014年03月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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