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『跪いて、崇めよ』
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【ノンフィクション】
玄関の前で軽く髪を撫で付けて身支度を整えてから、
来島 アカリ
はチャイムを押した。
もう三月に入ったというのに、風は肌を刺すように冷たい。
顔の皮膚が寒さで突っ張るような感じがして、アカリは掌で口元を覆った。
ややあって小さな電子音と、それに続いて『すぐ開けるから待っててね』という慣れ親しんだ声が聞こえてきた。
彼の声を聞いていると、ツンとした鼻の痛みも寒さも瞬く間に吹き飛んでしまう。
「はーい」
アカリは元気一杯返事をし、扉が開くのを待った。
それから程なくして解錠する音がして、扉が開く。その瞬間、ほんのり渋い紅茶の香りがアカリの鼻腔をくすぐった。
「いらっしゃい」
慣れ親しんだ声の主――幼馴染の
如月 蘇芳
は、柔和な笑みを湛えて出迎えてくれた。
普段通りの優しい姿を見て、より胸の中に温かいものが広がっていく。濃い安堵感に包まれながら、アカリは彼の家に上がった。
家の中も、蘇芳の部屋も慣れたもので、ほのかに漂う幼馴染の香りに特別な感情を抱くことはなかった。
アカリは案内されるなり、お気に入りのクッションの上に座ってさっそく寛ぎ始める。
ほどよく温かく調整された部屋の中。床に足を伸ばしたところでまったく寒さを感じない。
アカリはすっかり足を伸ばして、下敷きにしているものとは別にクッションを抱えて、リラックスモードに。
そうしたところで蘇芳は見咎めることもなく、変わらず柔らかい微笑みを浮かべて言った。
「外、寒かったでしょ。両親は仕事だからゆっくりしていっていいよ。今紅茶を淹れるから部屋で待ってて」
「ありがと、そう兄ぃ」
アカリは顔だけを蘇芳の方へ向けて彼を見送った。
彼が去ってからもすぐに荷物を広げることはなく、しばらくの間はのんびり現状を満喫する。
何気なくまわりを見渡せば、飲みかけの紅茶と栞の挟んである本が目に入る。
恐らく先程まで、蘇芳は本を片手にのんびりカップを傾けていたのだろう。
それ以上カップを注視することなく、アカリは蘇芳の部屋を見渡す。
これといって目新しいものはない。ふと目に入ったのは鏡だ。芝居の稽古には欠かせない大きな鏡。
元はと言えば、今日はアカリが芝居の稽古に付き合ってもらうために、蘇芳の家にやってきた。
鏡が見やすい位置に置いてあっても何の不思議もない。
幼馴染で、同じく演劇好きの同士。持つべきものは友。とても頼りになる、兄のような存在。
それには何の問題もなかった。
ただその鏡に映り込んだアカリは、目尻を下げてほんのりと頬を染めていた。
甘ったるい桃瞳が、ぱちりぱちりと瞬く。
普段友人には見せることのない、甘えた表情。仏頂面の真反対。砂糖小さじ二杯分。
なんとなく気恥ずかしく思えたアカリは、そそくさと目を逸らしてクッションに顔を埋める。
埋めること数秒。アカリはゆっくりと顔を上げて、鞄に手を伸ばして台本を取り出した。
「お待たせ……はいどうぞ。貰い物のお菓子もあったから食べていいよ」
「あ、ありがと、そう兄ぃ」
注いでもらった透き通った紅茶に、たっぷりとミルクを注ぎ砂糖を入れる。きっちり小さじ二杯分。
「じゃあ適当に読み合わせでもしようか」
そう言って、蘇芳はベッドの縁に腰掛けて足を組んだ。
「うん。よろしくね。台本はコレでいいかな」
今日練習に使うのは病院が舞台のブラック・コメディ。
題材が題材だけに、コメディとシリアスのさじ加減が難しく、練習題材にはもってこいの台本で、家にあるものだけで芝居が成立するのも魅力的だ。
「いいよ。俺は……」
「アキト役でいい? 俺はリョウ役をしてみたくて」
「わかった」
蘇芳が演じるのは足を怪我してしまって、動けないことに苛立つ青年。
対してアカリが演じるのは、底抜けに明るい不治の病にかかった少年。
「じゃあ一幕三場から」
「わかった」
アカリは軽く台本に目を通してから、チラリと蘇芳の様子を窺う。
すでに表情が変わっていた。神経質そうに眉間には皺が刻まれていて、瞳は不安に揺れている。
(……俺も、入らないと)
辛いことには全部蓋をして、恐ろしいものは見えないフリをして、幸せなものだけを拾い集める。
今リョウが感じ取れるのは、慣れた人の香り。甘いミルクティーの味。
再び蘇芳の方へ視線を向けると、かちりと紅玉の瞳とぶつかった。
見つめ合い、一拍の間を置いてから、蘇芳が――アキトが口を開く。合図は必要ない。
『……アンタは俺の足が綺麗だと思うか?』
『うん。ナナコさん達のお陰で爪まで綺麗だ』
『そういう意味じゃないっ!』
『……そっか、ごめんね』
アカリはどうにか台本通りに返事をしたが、それは奥歯にものが引っ掛かっているような歯切れの悪い返事になってしまった。
しっかりと入り込んだつもりなのに、どうにも集中できない。
原因は、アカリ自身よくわかっている
(おかしい、な……そう兄ぃの脚がいっつもより綺麗に見えて。目が、離せない)
けれど何故綺麗に見えてしまうのか、という理由はアカリには皆目見当がつかなかった。
『もう随分歩いてないから……醜いだろう。肉が落ちて、棒みたいだ。これじゃあ、走るどころか……立つことすらままならない』
アキトの長台詞も右から左へ。アカリの頭の中は目の前の足で占められていて、他の何も入り込む隙間がない。
(こんなの、すっごくヘンだと思うんだけど……俺、触りたい)
「アカリ君?」
「あ、ご、ごめん……『は……走りたいなら、リハビリすればいいんじゃない?』」
『俺は速く走りたいんだっ!』
『どうして僕に怒るの?』
一度蘇芳に声を掛けられてからはあからさまにトチることはなかったが、まったく演技に身が入っていない。
それは相手役をしている蘇芳にも当然伝わっていて、「ちょっと休憩しよう」と呆れたように言われても、アカリには何も言うことができなかった。
「アカリ君どうしたの? 全然集中できてないみたいだけど」
本当のことを言ってもいいのだろうか。悩む理性もアカリには残されていない。
「ね、そう兄ぃ……ちょっとだけ触っても、いい?」
蘇芳は一瞬怪訝な顔をした後、アカリの視線を辿っていく。結果、導き出した答えは。
「……脚?」
アカリは黙って頷いてみせた。
蘇芳は見るからに戸惑っているようで、言葉に窮する。
けれどしばらく考え込んだ後に、彼は華やかな笑みを浮かべた。
「いいよ」
蘇芳はそう言うと、ズボンの裾をめくり上げた。むき出しになった白い脚に、自然とアカリの喉が鳴る。
「じゃ、じゃあ……触る、ね?」
最後の確認に対する返事を聞くよりも早く、アカリは求めて止まないそれに手を伸ばしていた。
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担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
お色気
定員
20人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月13日
参加申し込みの期限
2017年01月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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