this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
<CI@SP>マヌカノイドはリアル・ワールドの夢を見るか
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
21
つぎへ >>
「こちらですわね」
ふわりと長いスカートがはためく。
伊織はchミケの『妖精の森・キャットアイランド店』の前にテレポートしてきた。
「きゃっ」
それに驚いて、歩いていた少女がすてんと転がる。
「あらあら……」
「大丈夫?」
更にやって来た焔が助け起こしたのは、伊織と同じ艶やかな黒髪……けれど鉄壁のぐるぐる眼鏡を掛けた
白浜 渚
だった。
渚は以前Seirenというアバターネームでライブ会場を沸かせていたが、その正体は秘密。
ダイブはしているものの、今回は違うアバター名で行動していた。
この世界、テレポートは座標指定や地点をお気に入りに入れておけば誰でも当たり前に出来ることなのだが、ドジッ子属性の渚はしょっちゅう驚いて転んだりしてしまう。
「な、何度見ても慣れないのでございますよぅ……」
「お怪我がないようで何よりですわ」
ひと安心というところで、焔のアバターが店頭を指差した。
「ところで、あなたたちもここに用があるのかしら?」
互いにこの店にいるアーティに会いに来たのだと知り、三人は一緒にドール店のドアを潜った。
「いらっしゃいませ、ようこそ妖精の森・キャットアイランド店へ」
萌黄色のシフォンドレスに白いレースのエプロン、淡いピンクのバラを飾ったヘッドキャップ。
背にトンボのような小さな羽を生やした金髪の愛らしい少女が、訪問者にスカートの端を摘んで挨拶する。
「あなたがアーティさん……ですの?」
目を見張った伊織が尋ねると、少女――よく見ると腕などに関節の節目がある――は微笑んだ。
この店からもアクセス出来るメーカーの情報によれば、彼女は現実のアーティより少し大人びた姿で製作されたようで、13歳から14歳くらいの設定だという。
「はい、アーティはわたしです。当店の看板娘を勤めさせて頂いております」
合成音の組み合わせとは思えないくらい、滑らかに言葉が紡がれる。
細かな仕草や青い瞳の輝きや揺らぎも、機械仕掛けの域を超えていた。
「へぇ、すごいわね」
「わ……ぁ」
「凄い! 本当に感情があるのでしょうか」
素直に感心する焔、遠慮がちに息を呑む渚の横で、伊織はちょっと興奮気味だ。
それを聞いていたアーティは目を瞬かせる。
「あの、わたしには本当に感情というものがあるのですか?」
「あ……そうでございますよね」
伊織はすぐに思い至った。
もし感情や心が芽生えているのだとしても、元々それらについての知識や感覚を知らなければ自力では気付けないだろう。
(それに……ここまで『本物っぽい』マヌカノイドは初めて見ましたわ。もしかして、彼女が他のマヌカノイドに影響を与えている原因なのでは?)
そんな疑念も過ぎるけれど、表に出さないよう尋ねてみる。
「何か最近、おかしいと思うようなことはございますでしょうか?」
「おかしいこと、ですか……」
少女は首を傾げて考えるような仕草を見せる。
「最近は、お人形をお求めの方以外のお客様も、増えたように感じます。わたしに沢山話し掛けたり、先ほどのように、わたしに感情や心があるみたい、と仰ったり……」
これだけの会話でも、皆そう思うのも当然だと感じた。
「でも、パターン化された返答を個別に流すんじゃなくて、こういう風に複雑な言葉を理解して答えを考えられるなんて、現代の最先端技術でもどうかというところよ?」
理系女子の焔から見てもSFの世界だ。
「……他に、何か変わったことは」
なんだかドキドキしながら伊織が聞き掛けたところで、ドアベルが鳴り響いた。
入ってきたのは謎の猫耳軍団、もとい直樹たちだった。
アーティは伊織と渚に断りを入れて、新たな客人たちに挨拶をする。
「久し振りだね、アーティ。元気にしてた?」
「直樹様とは開店以来ですね。元気……というのは分かりませんが、コンディションは良好です」
人間同士であれば至極当たり前のように会話が成り立っていることに、先客たちを除いて数秒ほど沈黙した。
「……本当にマヌカノイド……だよな」
「よく見てみろ、アバターにはあるネームタグやプロフィールがないし、ボディにカーソルを合わせてこうすると……」
「なるほど、そうやって見るのか……流石シュウだな」
深雪と修が小声で話し合っているのは、正しい確認方法なので決して怪しいものではございません。
ひとまず、面々アーティに自己紹介をして。
「そうか、アーティはこの店から出たことがないんだな」
「はい。正しくは製作時やテスト稼動の際設置された、Mystique様の工房でのことも記憶されています」
返答に頷いた修は、「ところで」と話を切り出す。
「皆は海流館という水族館には行ったことはないか?」
「海流館……ですか?」
唐突に出た名前の意図を窺いつつ、月が返した。
「ああ、世界最大規模の水族館だ。とてつもない大きさの水槽があって、それに応じて海洋生物の種類も……」
説明しながら、修はアーティの様子をそっと見遣る。
アーティは興味深そうに耳を傾けていた。
「水族館とは、海や水辺の生物を展示している施設ですね。ここには水が存在しないので……どんなところなのでしょう?」
何かを想像しているように、何処か楽しげに呟く。
修は確信した。
「やはり、彼女には心が発生し始めている」
「シュウ? どういう事だ?」
水族館から急に心の話になって、繋がりが見えないと深雪は訝しげだ。
「ああ、悪い。ちゃんと説明するから」
と修はアーティに一歩歩み寄った。
「超高度AIはVR外に学習傾向が向かなく設計されるが、アーティは自分が知り得ない話題に対して自発的に興味を持った。彼女の中で何かが変化した証でもあるだろう」
「なるほどね」
直樹と焔は納得したようだが、殆どの人は何がなにやらだ。
「でなければ、自分を檻に入った人間に準えてしまうだろ。ありえないと思うか?
超高度な人工知能の並列的情報処理は、シナプス間を脳内物質が同時に動く状態に似ている。
脳を顕微鏡で見ても『心』は見えないだろ?
俺たちに心が有ると証明出来ないように、超高度なAIに心が無い事も証明出来ないのだよ」
「感覚では分かる気がするけど……ちょっと待ってくれ。俺はシュウみたいにコンピュータ関係は詳しくないし、理系分野としてもレベルが高すぎる」
なおも続ける修に、深雪が肩を竦めた。
後ろで何人かうんうんと頷いている。
「まあ……そうだね」
直樹も軽く考え込んで、口を開いた。
「この世界は、全てが情報で出来てるんだ。例えば、今過ごしている空間、何もないように見える場所にも、実は『空気』という属性の情報が組み込まれてる。
空気というひとつの属性の中にも、光を透過するとか、アバターやオブジェクトがすり抜けられるとか、他にも色々な設定……沢山の情報が詰まってるんだよ。
それらは、覗いてみればただ数字や記号が膨大な数並べられているだけなんだ。法則性を知っていたり、その言語を知らなければそこに意味があるかどうかも分からないだろう」
でも、と彼は続ける。
「現実の世界に存在する人間、生物、物質……構成しているもの自体は違うけれど、同じように情報を持っている。ミトコンドリアとか、授業やその手の話で聞いた事あるでしょ? あれも、生物がその生物たり得る重要な情報が詰まってるもののひとつなんだ」
「DNA、遺伝子情報だな」
口を開いた修に、直樹は頷いた。
「本来、生身の肉体が電子の世界に入っていくことは出来ない。構成する情報自体が違いすぎるからね。でも、もれいびは何故かその壁を飛び越えて、違和感もなく馴染んでいる」
日菜が顔を上げる。
「……つまりは、私たちもダイブしている時はこの世界に合わせた情報に書き換わっているって事ね?」
「ご名答。本来、人ひとりが持っている情報量を考えると、もれいびがダイブしているアバターが食う容量は不自然なくらい低いんだけど、今はそれは置いといて」
「ほ、本来あり得ないはずの変化や順応……神秘的な何かによって、起こされている現象という事でございましょうか」
人と人に挟まれてちょっとおどおどと話す渚に、直樹は「そうだね」と同意する。
「神魂の影響……とか、簡単に片付けてしまえる程すんなり納得出来るような状況じゃないんだけど。ともあれ、僕たちはこの世界に適応する情報の塊になっても、心や感情はなくなってないよね?」
「そうか……発生の切欠は分からねぇけど、心自体は『生まれてもおかしくない』のか」
何か光を得たように深雪が呟く。
まるで地球に生物が誕生した時のように。
哺乳類から猿が生まれ、知恵を持った人になり、文明を築いたように。
電子の世界で、知能を持つ存在が信じられない速さで進化していくようなイメージが巡った。
「そういえば、シグレが言っていたな」
修は友人と連絡を取った時、印象深かった言葉を浮かべる。
「『人形が魂を持ったら、人間との違いは何なんだろうな』……と」
(違い……機能とかはともかく、内面では何も変わらないんじゃないか?)
深雪は思わずアーティを見遣る。
話の内容が理解出来るかはともかく、静かに耳を傾けていた。
「アンドロイドが心を持って人間になる……なんかピュグマリオン思い出しちまうな」
「戯曲にもなったギリシャの神話だね。ピグマリオン王が自分で作った女性像に恋をして、痩せていくのを可哀想に思った女神様が像を人間にして、二人は結婚しましたっていうハッピーエンドのお話」
「直樹くん、神話とかも詳しいんだ」
円が見上げると、直樹ははにかんで頭を掻いた。
「星座とかは、ギリシャ神話に纏わるものが多いから」
「へぇ~。あ、確かにオリオン座とか十二星座とか、みんなギリシャ神話が由来だよね」
そんな会話を聞きながら、深雪はもう一度アーティを見遣る。
と、アーティも気付いて視線を合わせ、微笑んできた。
本当に自分たちと変わらない気がした。
彼女もいつか誰かを好きになったり、恋に落ちたりするのだろうか。
ロマンチックだなと思ってから、そう思った事が気恥ずかしくなった。
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
21
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
<CI@SP>マヌカノイドはリアル・ワールドの夢を見るか
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月15日
参加申し込みの期限
2014年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!