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ある霧の向こうの
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新井 すばる
は突如足元にできた黒い穴に落ちかけて、隣の
神野 美野梨
の手を掴んだ。2人とも穴に落ちかけていたのだが、穴は綺麗に塞がり地面は何食わぬ様子でそこにある。
「離すと落ちるのね」
手を離した美野梨が呟く。
「誰かと手を繋ぐのなんて、小学校以来かしら……」
淡々と言葉を口にする美野梨。その表情を、すばるはそうっと覗き見る。
美野梨は顔色ひとつ変えていない。反対にすばるは意味も無く意識してしまっていた。つつーと視線だけ移動させて見るのは己の手と、繋いでいる美野梨の手。ここがどこだか分からないが、手を離さない方がいいような気がして、繋いだままでいる。
(神野さんは大人なんだな……って、手に汗?)
気のせいかと思いはしたが、そうではないらしい。顔色ひとつ変えない美野梨の手は少しだけ汗ばんでいる。
そうか、とすばるはひとり呟く。
「何か言った?」
「なんでもないよ」
美野梨も無理をしていることに気付いて、すばるは心に決める。スマートに、さりげなくサポートを。新井すばるは男のコだから。必ず無事に、元の世界に。
なんてスマートサポート計画にムフフと考えを巡らせていたら、ついつい手に意識が行ってなかったようだ。離したのではなく繋ぎすぎたと言ったら表現が怪しいが、繋ぎすぎた。力を入れすぎた。
「痛いわ」
「あ、ごめん力入ってた?」
ごめんごめんと、短い謝罪の言葉を2度繰り返す。
「面白い世界だけどちょっと不便ね。マッピングもできないし、頭の中に記録するしか……何かしら、あの光?」
美野梨の言葉にそちらを見遣れば、言葉通りに光があった。まるで何処かへ誘うような光が、辿れと言わんばかりに森の奥へ続いている。すばるは提案する。
「さ、じゃ日常へもどる光らしきのをたどってみようか?」
光を指差して、美野梨の手を引く。しばらく進むと、遠目に地面にいる生き物のシルエットが見える。地面に立っているわけではなく、這うような……蛇、だろうか? 足音を控えめにそろそろと近付けば、予想通りに蛇だった。
「あ、見て神野さん蛇だ」
蛇は蛇でも派手な模様。ここがどこなのかは分からないが、ここではないいつもの世界では見たことが無い。
「本州の毒蛇はマムシとヤマカガシくらいだけど、これはどちらとも違うわね……」
すばるは頷いて、美野梨の言葉に同意する。タイパンには似ているし、頭が大きい。見知らぬ蛇な上、毒を持っているのだとしたら、人間でも危ないかもしれない。
普通ならここで刺激せぬよう、目を逸らすなりして素通りするのだが、2人は生物部である。ここで調べずしていつ調べるというのか。この世界にしかいない蛇ならなおさら、だ。
「うん、興味深い。調べてみよう」
「大丈夫よきっと。毒蛇だったらどいてくれるわ」
頷く美野梨の同意を得て、すばるはまじまじと蛇を見つめる。この際、それなりに距離は取っているのですぐにガブっと咬みつかれることは無い。無いはずだ。
蛇は見るからにとても鋭い牙を持っている。こんなのに咬みつかれたくなんかないと誰だって思うだろう。
「しかし、こりゃ『ヘビー』だね、神野さん」
すばるの手は、無言で離された。2人の足元に黒い穴が生まれて落ち……。
「手離さないで、落ちるから! 落ちるから!! ごめんて、ごめんなさいっ!」
謝りつつ、縋り付くように美野梨の手を握れば、黒い穴は見事に塞がり元通り。
だが危機は去ってはいなかった。
「神野さん危ないっ」
「どく、蛇……って昔なぞなぞで……って、冗談だったのに!」
いつの間にか、美野梨は蛇に囲まれていた。
「う蛇(じゃ)うじゃいるよ蛇だけに……」
場を和ますためとはいえ、ごめんなさいという空気がすばるの心に突き刺さる。
「まずはここを突破だね」
美野梨の冷めた目と目を合わせないようにして、すばるは懐からちくわを取り出した。
「冷凍ビームで動きを制御しよう。蛇だし寒さには弱い筈」
すばるは自信満々に言うと、ろっこんを使い、すばるは美野梨を囲む蛇に冷凍ビームを浴びせかける。
「蛇は冬眠するから、寒くなれば動かなくなるはず……」
蛇たちの動きは目に見えて分かるほどに鈍くなり、ずるずるとすばるたちから離れていく。
「よし!」
スマートサポート、成功! とばかりにぐっと空いた拳を握りしめるすばる。
その視界の端で、鈍い動きのまま1匹の蛇が頭をもたげた。
「神野さん危ない!!」
「すばるくん! 大丈夫!?」
美野梨と毒蛇の間に、すばるは体を滑り込ませていた。
「くっ……」
美野梨の盾となり、腕を毒蛇に咬まれたすばるは、片膝を突いた。美野梨の胸に、咬まれてしまったのだろうかという不安がよぎる。血清があればいいのだが、そんなもの今すぐ簡単に手に入るものではない。そもそもここがどこかも分からない上、血清で治るものだと安易に思うこともできなかった。
「大丈夫……神野さんが無事でよかった」
弱々しく、それでも美野梨を安心させるように、すばるは微笑みかけてくる。
「吸い出す、しか……」
「え?」
美野梨は、ぽつりひとり呟き、すばるが毒蛇に咬まれたであろう部分に手を伸ばす。
不意にもぞもぞと、咬まれていない方の腕で、すばるが己の袖を探った。出てきたのは、紛うことなき。
「こんなこともあろうかとほら」
「すばるくん、それ、ちくわ……?」
ちくわである。大事なことなので2回言う、ちくわである。
すばるのスマートサポート計画は絶賛実施中である。スマートってなんだっけ。
「って、ギャーちくわつらぬいてたー」
展開されるのはお約束のもの。
「どうりで痛いと……ま、気合でなんとか……進もう」
壊死の道を辿る負傷した片腕から目を逸らして、すばるが言う。今は咬まれた腕とは反対の手を繋いでいる。とはいえ、短時間ならともかく、長時間手を繋いで行動するのは困難だ。
ならば、と美野梨は考える。これはもしや、触れていることに意味があるのだろうかと。
(足を踏んでいても効果があるのかしら、興味深いわ)
美野梨はぎゅっと手……ではなく、すばるの足を踏みつけた。
「……っ」
すばるは痛みで声が出ない。足の痛みなのか腕の痛みなのかは彼しか知らない。美野梨はするりと繋いだ手を離す。
「足じゃ駄目なのね」
黒穴が足元に生まれる。落ちながら光の線のことが頭に浮かぶ。
(どこに続いてるのか見届けたかったわ)
なんて、今更だけれども残念に思った。すばるはどうしただろう。ちくわが間にあったにせよ、蛇の毒が腕に入っていることに変わりは無い。壊死した腕では美野梨と手を繋ぎ直すことは叶わないだろう。
そういえば、珍しく声が聞こえない。騒いでいそうなのにと思って、黒い穴に美野梨は吸い込まれるように落ちていく……。
――声が、した。
「神野さん!」
「すばる……くん?」
美野梨は地面に横たわっていた。離したはずの手を見れば、しっかりとすばるの手と繋がれている。
「どうして?」
「それはこっちの科白なんだけど……大丈夫だったからいいや、先に進もう」
すばるに手を引かれるまま起き上がり、美野梨は再び一緒に光を辿る。壊死しているはずの腕が痛いはずなのに、その様子を見せまいとするすばる。その姿を見て、美野梨は少しだけ強く繋いでいる手を握った。
「ここがゴールかな……」
すばるの声に前を見れば、光が途切れている。そのすぐ先には、石碑があった。
すばるがほっと息をつくと、石碑から白い光が溢れ出して、2人を包み込んだ。
美野梨は繋がれた手の感覚が薄れゆく中で、声を聞いた。
「姫、日常へお帰りなさい」
それは確かにすばるの声で、何故だかウインクする彼の顔が目に浮かんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鳴葉ゆらゆ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月18日
参加申し込みの期限
2014年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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