お嬢ちゃん、たこ焼きにしちゃうよ？｜リアクション

お嬢ちゃん、たこ焼きにしちゃうよ？

○とうとう犠牲者が……！

　すばるが二人。
「って、わっ、こいつボクに化けた。
　見てる前で化けたんじゃ、ここにいる全員にどっちが蛸かわかるよ」
　目を丸くしたすばるだが。
「チョーイオーイ　ちくわ　二人になった　どっち偽物だ？」
　シダは容赦なく本物のすばるにも蹴りを入れる。
「どっちも　やっつければいいな　シダ　あたまいい
　シダ　ダダ　ダダ　ダ」
「って、シダちゃんなんでボクをけるの？　見てたでしょ？
　っていうか、あいつのくわえてるのタコの足じゃん。ちくわじゃないでしょ？」
　説明するすばるだが。
「わたい目があんまり良うないで分からへんな」
　梅までそんなことを言う。
「そんなあ……」
「お　そっち　ちくわだったか　どっちも　蹴れて　ブンブンブン　楽しい
　ホンサオダウ　問題ない」
　シダはご機嫌で蹴りを繰り出してくる。
　タコの咥えている足がシュルシュルと伸び、傍にいた梅に絡みついた。
　だが梅はひるまない。
　ガブリ！　噛みついて応戦している。
「たこ　正体あらわした　シダ　やっつける
　シダの美脚と　ボビナムで　ンゴーンな　たこ焼きにしてやる」
　言うが早いかシダがキックを食らわせる。
（タコが動くより一呼吸早く踏み出して間合いとタイミングを潰し動きの勢いを殺す）
　刀が、すり足で滑るよう間合いを詰め、隙を突いて足払いをかけ転ばせる。
「うわ、僕の姿でやられてるの見るのつらいね」
　目を反らすすばる。
　刀は素早く体重をかけて踏みつけ、押え込もうとするが。
　転んだ偽すばるはタコの姿に戻り、踏みつけた刀の足はぬるりと滑ってしまう。
「くそ、ぬるぬると」
「コン　なんだこいつ　キックきかない　にょろにょろ　きもちわ……」
　触手が、シダの服の隙間に忍び込む。
「へんなとこ　入って来た　やめろ　やめろ！　ちくわ　たすけろ！」
「今助けるで！」
　蘭月が、もう片方のリボンで『カラミツク』を発動させた。
　触手はリボンに縛られ動きを止めた。
　ちくわこと本物のすばるは、少し考えている。
「うわ、正体あらわした。そのまま蹴っても駄目そうだね、タコの足は全部筋肉でおまけに柔軟性がある。
　まってて冷凍ビームでワンポイントで凍らせて行く。そこを狙って蹴っていって」
「ビーム？　凍らすか？　凍ったとこ　蹴ればいいのか？
　ヴァン　わからんけど　わかった　ニャンニェー　はやくしろ」
　だが、その間にタコの足の付け根にある口がパクッと開き、梅が吸い込まれてしまった！
「あれえ、わたいおいしくないで……」
「梅さん！　今助けるから！」
　すばるがろっこん『ちくわ☆ビーム』で、タコの足に冷凍ビームを放つ。
「白くなったとこ　ねらう　モッハイバーボン　シダキック！」
　白くなったタコの足が、苦しそうにうねる。今度は効いているようだ。
「やった　いける　もっと凍らせろ　やっつける　シダ
　モッハイ　モッハイ　シダ　ダダ　ダダ　ダダ」
　すばるの冷凍ビームで、タコのあちこちが白くなった。
　刀も真央も助太刀に入り、タコの動きが鈍くなっていく。
「大分弱ってきたな。よし！」
　修がチャンスを逃がさず捕らえ、構えた箒の一撃をタコの眉間に全力でぶちこむ！
「タコの弱点は目と目の間だっ」
　タコは、ピクピクと痙攣すると動きを止めた。

「おばあちゃん、大丈夫ですか！」
　駆け寄る乙女。だがタコの中から返事はない。
「ばばあ、無茶しやがって……でしゃばりすぎじゃん」　
　客の若い男が罵った。
　途端に、動きを止めたはずのタコがムクムクと動き出した！

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