シナリオ「お嬢ちゃん、たこ焼きにしちゃうよ？」

お嬢ちゃん、たこ焼きにしちゃうよ？

　旧市街のたこ焼き屋「九番屋」は、代理店主の海士野乙女が切り盛りしていた。
「いらっしゃい。何にしますか」
　一人で入ってきた美しい少女は、口をもぞもぞ動かしているだけで、何も喋らない。
　ただ、その大きな大きな胸が揺れるだけだった。
「お任せ、ですかネ？」
　不思議な客だと思いながらも、乙女は相変わらずのポーカーフェイスでたこ焼きを作り始めた。

　そんな乙女に、別の客の若者男子が声をかけてきた。
「ねえねえ。タコといえばさー、漁港で２メートルもあるオオダコが消えたらしいじゃん？」
「へえ、それは面白い話だね」
「漁協のおっちゃんの話だとさー、少し目を離してる隙にいなくなってたらしいじゃん？」
「タコの失踪ねえ……」
「それだけじゃないじゃん？　そこには謎の美少女が一人立ってたらしいじゃん？」
　作業をしていた乙女の手が、ぴたりと止まった。
「美少女が？」
「まさかその子が一瞬でタコを食べちゃった大食いチャンピオンなんてことは、ないじゃん？」
　乙女は、ある噂を思い出した。

　――ミミックオクトパス
　それは、さまざまな生物の姿に擬態してしまう凶暴なタコ。
　擬態というより、変身に近いらしく、ほとんどそのまま再現できてしまうらしい。
　そして人を襲って食べてしまうらしい。

　乙女と若者は、店の隅で一人で座っている胸の大きな少女を見た。
「まさかじゃん……？」
「はは、こりゃいいネ。案外、お客さんになってるかも？」
　少女は水の入ったコップを手に持っていたが、どうやら指で掴まず、手のひらにくっついているようだ。
　まさに、タコの吸盤で……！

運営部より

【追記】４月８日
大変お待たせしておりまして、誠に申し訳ございません。
都合により、本シナリオの担当は天村花海マスターに変更させていただきます。
リアクションの公開は、４月２０日頃を予定しております。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

天村花海／鳴海木霊

マスターコメント

皆様初めまして。
新人マスターの鳴海木霊と申します。

海士野乙女さん、ご登場ありがとうございました。
ミミックオクトパスのアイデアも、コミュニティの書き込みを参考にさせていただきました。
（そちらで出てるものと同じものではないので、お気をつけください）

◆ミミックオクトパス

いろいろなものに変身してしまう凶暴なタコ、ミミックオクトパスが現れました。

完璧な変身はできないようで、どこかにタコらしい部分が出てしまうようです。
今は胸の大きな美少女に変身していますが、また別の生き物に変身するかもしれません。
アナタの姿に変身するかもしれません。

なお、人に変身しても、喋ることはできないようです。
お腹が減ると人を襲い始めます。捕まると食べられてしまいます。
食べものの臭いにつられて九番屋に来たくらいなので、そろそろお腹が減りそうです。

【追記】※実在するミミックオクトパスとは別ものです。

◆舞台

たこ焼き屋「九番屋」とその周辺です。
アクション次第で、店の中だけだったり、外だけだったり、両方だったりします。

お店で働いてる設定でのご参加の場合（アルバイト募集中のようです）、
コミュニティで許可をいただいて、そのことがわかるようにしておいてください。

タコを捕まえて、たこ焼きにして楽しみましょう♪

サンプルアクション（1）

サンプルアクション（2）