夏のおでん鍋会｜リアクション

夏のおでん鍋会

○阿鼻叫喚、エロテロ鍋！

「ふー食った食ったなのだ……優ちゃんの分を取っておいて、今度はうどんをいれるのだ♪」
　あれだけたくさんあった具も、半分以上がみんなのお腹の中に消えていた。
「もうお腹いっぱい……」
　お腹をさする空音に真央は笑う。
「うどんは別腹なのだ♪」
「別腹といえば、デザートにオレンジコンポートゼリー持って来たから食べてくれよ」
「わあ美味しそう、いただきまーす！」
　深雪のお土産に目を輝かせる空音。
「あれ、瓢ちゃんどこへ行ったのだ？」
　優の分を取り終えた真央はふとあたりを見まわす。
「菜箸バトルはもう終わりなのだ？」

「クックッ、お待たせ。特製の鍋を振舞うよぃ」
　瓢が特大の鍋を抱えて戻ってきた。
「もうおなかいっぱい……ええっ！」
　覗き込んだ空音の顔が凍り付く。
　昆布だしのいい香り漂う鍋の中に浮かぶのは、食材ではなかった！
「猫鳴館恒例のエロテロ鍋だよぃ。館中のアダルトな本やＤＶＤをかき集めて昆布出汁でじっくり煮込んだよぃ」
「あたしの薄い本……！」
　必死に同人誌を回収しようとする空音。
「鶏小屋改装終了！　俺の分あるー？」
　そこへ優がやってきた。
「初島はん、たんと食べとくれよ」
「ありがとう……ってなんだよコレ！　俺のコレクションが！」
　優の絶叫が響く。
　慌てて鍋をかき回す者、自分の部屋を確認に行く者。
　心当たりのない者は関西系おでんだしのうどんをのんびりすすったり、デザートを楽しんだり。
「オレンジコンポートゼリー、美味しい♪　やっぱりデザートは別腹ね」
　美咲紀が舌鼓を打ち。
「あらあら……なにか大変みたいですね」
　相変わらずおっとりとした時子もゆっくりと味わう。
「ごちそうさまでした……美味しかったです」

　
　被害者たちがどうにか落ち着いてうどんやゼリーを味わったころ。
　瓢は罰として監視つきで片付けをきっちり手伝わされた。
「薄い本、丁寧に乾かせばなんとか読めるかも……ねえ、それともデザート代わりにこれ食べる？　ドクロベーくん？」
　空音がちょっと怖い笑顔で薄い本のいいシーンを瓢に突きつける。
「え……遠慮しとくよぃ」
　ＤＶＤも乾かせばなんとかなるだろう、たぶん。

　時子も掃除を手伝い、無事片づけを終えて。
「てば埼さん、ささ美さん、ラン卵さんにはんぺんさん……それにちぎりさん。
　今日は楽しかったです。また遊びに来ますね……」
　と鳥たちに声をかけ帰っていった。
　こうして波乱もあったが、楽しいおでんパーティは終わった。

　

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あとがき

担当マスター：天村花海
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とっても美味しいアクションありがとうございました！
普段の自分の食生活がいかに手抜きか気付かされました。
心を入れ替えて、ひと手間かけた料理を心がけたいと思います。

執筆の参考におでんを作ろうと思ったのですが、季節外れでちょうどいいおでんだねセットが見つからず。
パック入りのインスタントと野菜と肉を煮たものとの併用となりました。
それでも普段食べない牛スジやちくわぶを満喫できました。

それでは、次のシナリオでお会いしましょう。

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