テスト勉強はスイーツと共に？｜リアクション

テスト勉強はスイーツと共に？

「メイ先生、こんにちはー！」
「こんにちはなのだー。メイちゃんセンセーのスイーツとお昼を全制覇しに来たのだ！」
「２人共、声が大きいですよ。……瓜山先生、今日はよろしくお願いします」
　元気いっぱいに挨拶するののこと真央を窘め、礼儀正しく挨拶する貴子。傍らの蓮と円、解理もまた丁寧にお辞儀をした。
「こうして、皆さんと学び合える機会を与えて下さり、嬉しく思います」
「ボク達、いっぱい勉強するね！」
　やる気にあふれた生徒たちの姿に、メイの表情が綻ぶ。普段の少し頼りない姿とはちょっと違い、より落ち着いた雰囲気で彼女はそこにいた。
「いらっしゃいませ。今日は一日頑張ってくださいね」
　メイは訪れた生徒たちににっこり微笑むと、早速会場となる部屋へ案内した。
　その途中円はにゃーくんも一緒にいて良いか、とメイに問う。彼女は少し考えた後、ちゃんと面倒をみるのなら、という条件付きで入れる事を許可した。

「……広い、和室……！！」
「シンプルで、すっごく明るくて綺麗ですね」
　恵御納夏朝と鬼崎あやめは部屋に入るなり目を丸くした。書道教室という事もありそれなりにスペースがあるのだが、その広さに夏朝は驚いたらしい。その傍らで、伊賀解理もまた内心で拳をぐっ、と握り締めながら気合を入れていた。
「日々勉強はしてるが、やはり復習は大事だからね。みんなもそう思うだろう？」
　彼女の言葉に、夏朝とあやめは「そうだよね」と相槌を打つ。そうしながらもたまには真面目に勉強している姿を見せなければ『自分＝眼鏡と白衣着てるだけのボケ担当』と印象が固定されかねない、と妙な危機感（？）を持っていた。
「こういう場所って落ち着くよね？　きっと捗ると思うんだ」
　彼女たち３人と共に入室した八十八旗信彦が爽やかなスマイルと共にそういえば、奈良橋博美もまた頷き、やる気に満ちた笑顔で頷いた。
「今日は思いっきりがんばるぞ！」
「でも、今詰めすぎても疲れちゃうよ。適度に休憩を入れて、楽しくやっていこうね」
　やんわりと優しくアドバイスしたのは、音海なぎさ。彼もまた張り切る後輩たちの様子に釣られてやる気に満ちていた。５人はとりあえず近くの席に固まって座り、勉強することに。信彦はちらりとなぎさとあやめ達を見て心の中でぽつりと
（見た目だけハーレムっぽくなったかも）
　と呟いた。確かに、ぱっと見た限り中性的ななぎさも女の子に見えなくはない。それでも普段通り、女の子には親切に、男の子にはそれなりに対応しようと考えている当たり平常運行な信彦であった。

　どこで勉強をしようか……、と岡野丸美がきょろきょろしていると、丁度ガジュマルの鉢植え近くに席を確保した鴇波羽衣を見つけた。
「あ、丸美ちゃんも来てたの？　ここで一緒に勉強する？」
「うん！　一緒に勉強しよう！」
　丸美が笑顔で駆け寄ると、七音侑と工藤耀が２人に挨拶してくれた。
「へへ～♪　みんなと勉強会って楽しそうだよね！　だから一緒に参加しに来たんだよ」
「まぁ、お菓子もあるみたいだし。それも楽しみだよな」
　耀の言葉に、羽衣たちも相槌を打つ。メイの話によると、お菓子はあとから持ってきて貰えるようで、食べながら勉強も大目に見てもらえそうな雰囲気だった。お菓子が大好きな侑は特に目をキラキラさせているようで、耀達にもそれがよく解った。彼ら４人は楽しげに話しつつも、筆記用具を取り出して勉強モードへと入っていった。

　侑と耀のように、一緒に勉強しようと約束していた者達はほかにもいた。
望月神無は友達である鈴野海斗を誘ってやってきていた。海斗は数学が苦手らしく、神無に教えてもらおうと決めていた。
（やっぱり広いな。書道教室をやっているだけある）
　神無は広々とした和室に瞳を細めつつ、海斗と共にミリオンバンブーのある中央付近の席を選んだ。２人は腰を下ろすと鞄から教科書を取り出す。
「観葉植物まであるのか。気分転換に眺めたりするのもいいな」
「んだ。なんか心休まるっちゃね～」
　実はこう見えて２度（出席日数不足が原因で）留年を経験している海斗は「万が一ってのもあるから気は抜けねえっちゃ」とやる気に満ちている。そんな様子の彼に頷きつつ、自分も頑張ろう、と思うのであった。

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