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[TOS]レメディ
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それでも準備はしている。まちがいなくやってくる次に向けて。
近場に、ほどよく開けた空き地があった。舗装の剥がれたアスファルトに雑草が生え、錆びたフェンスが風に揺れるだけの場所だ。ここで毎朝、リオとサツキは体を動かした。
並んで走ると、サツキの方が明らかに速い。息も乱れない。リオが肩で息をしはじめる頃、サツキはまだ余裕のある表情をしていた。
「手加減しなくていいよ」
リオは言った。走りながら。
「してない」
「嘘つき!」
リオは笑った。笑いながら走った。
格闘の稽古もした。
向かい合って打ち合う。サツキの動きは正確で無駄がない。だがリオへの一撃は、いつも寸止めだ。リオの方は容赦なく打ち込んでいるのに。
このときも、強い肘打ちがサツキを吹き飛ばした。驚いて駆け寄るも、リオが手を貸すより先にサツキは立ち上がっていた。
「痛くなかった?」
「……少し」
「ホントに少し?」
「リオのキスよりは痛くないかも。だってリオ、咬(か)むみたいなキスするから」
「あたしそんなにがっついてる!?」
「でもそれが好き。痛気持ちいい」
そんな短いやりとりのたび、リオは息が詰まりそうになる。
こんな世界でなかったら。
──こんな世界でなかったら、あたしたちはずっと、幸せにひたっていられただろうに。
サツキが目を覚ました。
シーツ代わりの掛け布を、胸のところまで引っ張り上げる。
「……ごめん、起こしちゃった?」
「ううん」
リオはサツキの頬から指を離した。
サツキは薄く微笑したものの、天井を見ていた。何かを考えているような、けれど穏やかな顔だった。
やがて、サツキの目に潤いが宿った。
泉が湧くように涙が溜まり、やがてあふれだす。頬を伝い、こめかみを濡らし、枕に吸い込まれていった。
「サツキ、どうしたの」
声がうわずる。
サツキの体が、わずかに強張った。
「……なんでもない」
「そんなはずないでしょ! 話して」
「ちょっと、思い出しただけ」
「何を」
「父のこと」
ややあって、つづける。
「急に、申し訳なくなって」
「何が」
「こんな私が」
サツキは天井を見たまま言った。
「リオのことを愛していいのかな、って」
「ごめん、サツキ、話が見えないよ」
サツキの表情が一気に崩れた。わっと声をあげると、リオの裸の胸に顔を埋めてくる。リオはサツキの背に腕を回した。そうしてしばらく、サツキが泣くに任せた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
[TOS] 狂気日食
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年07月08日
参加申し込みの期限
2026年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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