＜高給＆メリット満載＞代理出席ウェディング｜リアクション

＜高給＆メリット満載＞代理出席ウェディング

【プログラム −３ネットカフェにて】

　インターネットカフェ【眠り舎】。本日のアルバイト業務が終わり、上質な布団にくるまりながら暗道忍は、一枚の招待状を手にしている。

「へぇ〜こんなアルバイトもあるのか」

　結婚式の代理出席。身寄りのない新郎のために、親戚や友人の振りをして式に参加する、という一風変わったアルバイト。婚礼の仕事は何度か経験しているが、スタッフとしてではなく演者としての参加というのはもちろん初めてだ。
「ん……」招待状にある新郎新婦の紹介欄に忍の右目が集中した。「新郎、宇品守……？」
　どこかで聞いた名前だぞ。
「アイツか！」
　ガバッと布団から起き上がり、気持ちが前向きになる。以前、弱小チームのバンビーナ寝子島がまぐれで連勝し、結構な強豪チームと寝子電スタジアムで戦ったことがあった。いつもはのほほん商業魂に乏しい寝子スタも、この日は集客が見込めるんじゃないかと、臨時で警備員を増員させた。それに忍も加わっていた。
「そうかそうか、アイツ結婚したんだな〜」
　真面目にキビキビ動く正社員の警備員がいたのをよく覚えている。目立つタイプではなかったが、仕事に忠実で、新人の面倒見もよかった。他のバイト仲間からの評判も上々だ。もちろん忍も気に入っていた。
「重いもの一緒に運んでもらったりとか、色々お世話になったしな〜。これは祝ってやらないと……」
　代理出席で会を多いに盛り上げるのももちろんだが、自分にしかできない特別なことも何かないだろうか。
「そうだ！」
　名案を閃いた忍。居ても立ってもいられず、布団から出て駆け出す。
「いっちょサプライズを用意してやっかな」

　結婚式３日前の出来事である。

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