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春探しの彩色マーチ
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★もう一度あの場所へ
刀の脳裏にあったのは「また来るよ」とあの日交わした約束。
場所を記した地図を手に進むが、周りは桜、桜の桜だらけ。これだって綺麗なのだが、同じ風景というのもまた怖さも出てくるというもの。
一緒に登っていたはずの他の一団は、気がつけば姿も見えなくなっている。
掌に乗せた方位磁針は移動する度にぐるぐる回り、指す方向もこれはもうデタラメだろう。
しかし、対策は考えていなかったわけではない。一度通った道沿いの木の枝に赤い紐を結び付けて、とりあえずの目印にしてきた。だから同じ場所を通ったならば、それは判るはず。
「腕時計の短針を太陽に向けて、時計の12時との狭角の中間点が南だから……」
刀は腕の時計を見つけぽつぽつと呟いて進むと、あの時と同じく霧が辺りに漂いはじめるのだ。
「あれ……霧?」
初めての景色に円は視線を散らす。
「あの時と、同じだな」
『おなじだね』
この光景を知る二人は、これから先起こることを知っている。霧に魅入りながらも、ぐっと気を引き締めた。
(怖くない、こわくない)
ぎゅっと手のひらを握る。
どうにかして目的地へと思うも、霧は濃くなるばかりでいっこうにたどり着く気配はない。
それどころか、進んでいるのかどうかさえ不安になる程に確認も出来ないのだ。
「大丈夫! なんとかなるよ!」
円が足元の棒で棒倒しをして。こっち行ってみない? と笑った。ころんころんと倒れる棒の示す先だけが道。
何処に何が出るかわからない、そんな危険な中で進んでいく彼女の行動は危険そのものだけど。だからこそ、備わる力もある。それが円のろっこん――ブレイブハートだ。自発的に危険な行動を取ることで運の上がる能力、彼女は無自覚なりにそれを発動させているのである。
「そういえば熊が出るらしいんだって、困っちゃうなぁ」
「!?」
(そうだ、前は会わなかったけど、どうしよう)
体力のない海だ。逃げれるのか――小さく不安が付きまとう。
「この歳で熊殺しの称号を貰えるだなんて。ふふふー、熊は鼻と眼が弱点だから、そこに拳を撃ち込めば」
円の方はシャドーボクシングでやる気満々だ。
「……いや、無理だから」
『すででくまはむり』
刀がため息をついて零した言葉と、海のスケッチブックに綴られた文字を見せたのはほぼ同時。いざとなれば刀が二人を抱えて逃げる覚悟だってしている。
そんな時!
がさがさがさ。
「!」
空からの物音に三人の動きか止まる。
どさり。
「!!!!!!!!」
(まさか――――熊!?)
身構えた三人、落下物のその正体は!
「いたたたたた、ん? ここどこ?」
むくりと起き上がったのは少女。熊でも何でもない少女だ。海が何かに気づいたのかその少女に駆け寄る。
「知り合いか?」
『どうしつのゆりちゃん』
刀の質問に海が綴る。その正体はしゃぼん玉の空中散歩から落ちてきた由利だった。どうやら強風で飛ばされた後、しゃぼん玉が割れ、ココに落ちてしまったらしい。
ちょっと心細かった海だけど、同室の仲良しさんが一緒ならきっと怖さも半分以下。
さぁ、気を取り直して幻の桜探し、再び。
「よし、次こっち!」
円の棒倒しについていく分には、自分のつけた目印には遭遇していない。
つまり、同じ場所ではないか、それとも霧で見落としているのか。
刀は深い深い思考に耽る、まるで深く立ち込めるこの霧のように。
海は逸れないように由利と手をつないで、前行く二人の背だけを追った。
四人は、願い始めていた。
(――幻の桜に会いたい)
その祈りにも似た願いが随分と募れば、聞こえてくるのだ。
「また迷ったんですね?」
と、何処かから声が。
刀と海が振り返る。けれど誰も居ない、何の姿もない。
確かに、いまあの聞き覚える有る声が――。
『三度は迷うと、いいましたでしょう?』
あの声だったのだ。そして四人を受け入れるように霧が晴れていくのだ。
少しずつ、少しずつ。
視界に映る、白い注連縄の桜。大きく艶やかに花を咲かせ、花びらの舞う逞しい幹の桜。
「あ……った、」
刀が言葉を漏らす。気がつけばもうこんな近くまで来ていた。
『みつけた』
「見つかってよかったさー!」
「よーっし、見つけた所でお腹すいたしお弁当たべよ!」
台無しと思われた円のその言葉にだって、安堵の息。どっと笑いも漏れたのだった。
「って、ピザ屋さんまだかなー」
きょろりと円が何かを探す。
「ピザ?」
「うん、朝電話で頼んだんだけどねー」
彼女が朝言っていたバッチリ、それはきっとこの事だったのだろう。
円を横目に刀が一息つく。路頭に迷うピザ屋の姿が鮮明に浮かんで来るから。
(……哀れ、)
「来るわけ無いだろ」
「そーだよね、ぼく達も迷ったし。ってことでぼくにも、お弁当ちょうだいよー!」
「仕方ないからお裾分けだ」
朝に仕入れた自慢の味をそっと出して。
『うん、いいよ』
海も用意してきたサンドイッチを出す。
食べ物をすっかり忘れていた由利の表情に気付いて、『あげるよ』と彼女にも。
お腹を満たして、先ずは記念撮影!円のタイマー付きのカメラが準備を整える前に。
「はい! 皆でぴーすぴーす」
ポーズを決めて、ぱしゃり。達成記念の一枚。
その後の過ごし方は各々自由なものだ。
海は絵を描く用のスケッチブックを出して、桜を描き始める。
「海ちゃんは、絵を描くのかー。出来たら後で見せてー」
『うん』
覗きこんだ円に、頷く海。
そんな海の目には、楽しそうに桜を見る由利と円、二人の姿が映る。
描くのも好き、けれど――混ぜてと、海は二人の元へ駈け出した。
その三人と桜の綺麗に見える位置で、刀は思いに耽っている。印象に確りと残る――長い黒髪、白い着物。そして足元の整った歩き方が魅せる草鞋。大和撫子を形にしたような彼女。
(会えなかったのは、少し残念だな)
声は確かに聞いた筈なのだけど。……でも見守られている気はする。
桜に、だろうか。
(また、来るよ)
今日は会えなかった、けれどきっといつかは会えるのかもしれない。
そう、例えば来年の春とかには。もしかしたら。
静かに目を伏せ、一息ついて手元の時計を見る。
見る、と。
「あぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!」
あの時と同じ素っ頓狂な声。今日は前回よりも三割増し。
「!?」
「……?」
「どーしたの刀くーん?」
海が突然のことにびくりと肩を竦め、由利が首を傾げ、円が遠くからそのまま声をかける。
「帰りの集合時間、過ぎてる……!」
そう、あの時に同じく、またやってしまったのである。
辿り着いたことにすっかり安心して、時間なんてすっかり忘れていた四人。
どたばたと準備をするその様子を見て、くすりと、誰かが笑った気がした。
優しく、それはとても優しいもの。
各々の「春」
それは出会いから始まり、新たな発見があって、さまざまな交流へと広がっていく。
会いたいと願う再会を叶え、たくさんの、笑顔と、言葉の彩りにあふれた季節。
――あなたの「春」は見つかりましたか?
★春探しの彩色マーチ おしまい★
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あとがき
担当マスター:
癒雨
ファンレターはマスターページから!
春探しの彩色マーチ、ご参加有難う御座いました。
皆さんのステータスやアクションと随時にらめっこな執筆で、
自分的な課題もたくさんだったと思います。
しかし、皆さま各々の素敵な行動がたくさんあり、執筆自体は楽しんで書かせて頂きました!
アクションが白紙という例を除いて、出来る限り執筆させて頂いております。
この人と交流したい、何を楽しみたい、この場所にもう一度行きたい。
様々な想いに触れ、私自身学べたことが沢山あります。
少しでも、楽しんで頂けましたら嬉しいです。
またご縁有りましたら宜しくお願いします!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年11月24日
参加申し込みの期限
2012年12月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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