黒猫はパンツがお好き？｜リアクション

黒猫はパンツがお好き？

　後日、黒猫を獣医に連れて行った智瑜から黒猫が助かった事、飼い主の女性と連絡をとった円と信彦が情報を聞いて動物病院まで女性を案内したおかげで、黒猫がすぐに飼い主と再会出来た事を聞いた。
　飼い主から、どうしてもお礼が言いたい、元気になった黒猫に会ってほしいとの連絡があり、一同は待ち合わせ場所に来ていた。
　飼い主は、お詫びとお礼として、女性にはちょっと大人めの新しいパンツを。男性には手作りのチョコレートクッキーをプレゼントした。
「私、プリント柄が多いので、こういった下着は初めてです」
　藍が嬉しそうに微笑む。
　紫蓮も、なんだか大人になった気がして気恥ずかしかった。
「ウチも、今度からこういう可愛い系にしとくわー…」
　まだ自分の下着が普通じゃなかった事を引き摺っていたマリベルが呟く。

　毛並みを綺麗に整えられ可愛い首輪を付けた黒猫が、まだ覚束ない足取りで、命の恩人の智瑜に近づき、その指先に頬を摺り寄せた。
「元気になってよかった。本当に良かった…」
　智瑜は腕の中に抱き上げた、小さなぬくもりを優しく撫でた。

「それは？」
　博美が綾の持つ小さな手提げ袋に気が付いて訊ねる。
「ここに来る前に警察に寄って返してもらった、盗まれた私の勝負下着です」
　勝負下着という言葉に反応した横嶋と利平が、こそこそと綾の後ろに回りこむ。
　気付かれない様にそっと紙袋を覗いた横嶋と利平は動きを止めた。
（縄？　え？　荒縄？？？）
（下着泥棒に盗まれる荒縄とか、どういう事なの？）

　パンツも女性も、彼らが思っているより奥が深いという事だろう。

おしまい。

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あとがき

担当マスター：青丹　よし乃
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございました。
今回は、ちょっとラテラルシンキング風なガイドにしてみました。
予備で用意していた結末は、何人かの方がアクションに書いていたように、
子猫の為の寝床としてパンツを集めるただの猫だったのですが、
面白い推理がありましたので、それを主軸に色々混ぜたらこうなりました。

【今回のＭＶＰ】
　着眼点が面白く、開示された情報から犯人を捜し出した東中居陽二さんと、
　被害者の共通点に着目して共通項を探し出した奈良橋博美さんの推理を採用させていただきました。

楽しかったです。ありがとうございました。

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