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フラグメントはランダムにだよ~ん
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【赤いコーヒーの染み】
ヴィーゼ・ベルンスタイン
先輩がおそろしい。
「●●くん、どうかした? 手が止まってるわよ」
「あ、いえ……」
窓から差し込む黄昏の光に染まる先輩は美しい。顔が整いすぎている。それに理知的でクールで一点のブレもない。カフェの制服だってあつらえたように似合っている。そそっかしい僕のやらかすミスにも冷静に取り繕ってくれるし、時おりやってくる客のセクハラ、暴言にもさらりと対応して揺らぐことがなかった。
「3番テーブルに、コーヒーとチーズケーキね。ふふっ、今度はつまづかないでよ、後輩くん?」
「だ、大丈夫ですよ。そんなに何度も転びませんから……うわあ!?」
「ああほら、落ち着いて。大丈夫だから」
それでいて気さくで明るく、時にウィットなユーモアでまわりを和ませてもくれた。
微笑む先輩はまるで、芸術家が精魂を込めて彫り抜いた完璧な彫像だ。どの角度から見ても絵になるし隙が無い。
たまに、頭へよぎる疑問がある。
先輩は、人間なのだろうか?
半年ほど前からだろうか。人でないものが往来に見えるようになったのは。
肉ぶくれの巨大な頭を持つ女。年も背格好もさまざまの幽霊たち。隣に住んでる幼馴染の姉ちゃんのフリをしたナニカ。ずっとついてくる子どもの形をしたナニカ。四つ足で歩く人の顔をしたばけもの。側溝の奥から僕を呼ぶ声。足が百本はありそうな、宙に浮かぶ虫か魚みたいな生き物。ひとりでに動く影。この世には人ならぬものが存在すると知った。その半分はほとんど無害で、もう半分は危険な存在であることも。
「……振り返っちゃダメよ」
とまどい、パニックに陥りかけた僕の手を先輩はやさしく握って、耳もとにそっとささやいた。
「話しかけても、答えてもダメ。ついてくるから」
「あそぼう?」
肉ぶくれはよく見かける。いろいろなタイプがいるようだが、いずれとも意志の疎通をはかろうとしてはならないと先輩から教わった。
「あそぼう? あそぼう? あそぼう? あそぼう? あそぼう? あそぼう? あそぼう? ねえ? あそぼう?」
「大丈夫、目を合わせなければね。まあ、目がどこにあるか分からないけど……」
「あそぼう? あそぼう? おもちゃ、あるよ? ゲームもあるよ? カプギアやろうよ。ぼく、うまいんだ。ねえ、あそぼう? あそぼう? あそぼ? あ? あそ べば ぼ ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ おごごごごごごごごごごごごご」
「うるさいわね、まったく。ふふっ」
まるで揺らがない彼女の平静を前に、混乱して吹けば飛びそうに憔悴していた僕は、ふたつの感情のはざまにあったのだ。
先輩は頼りになるしかっこいい。
先輩はどこか不気味でおそろしい。
「あぼぼぼぼ あそぼ あそべ あそぼうよ ねえ あそべ おい」
「あら。あまりしつこいと……お仕置きしちゃうわよ?」
細めた彼女の瞳は怜悧で鋭く、どこまでも澄んだ琥珀色をしていて、凄絶な意志をその奥に秘めていて、僕は震えが止まらなかった。
先輩についてとりわけ印象深く胸に刻まれる出来事があった。
バイトの帰りだ。彼女の隣で帰路を歩くのはそれなりに気分が良かった。先輩は美人だし、背は低いのに胸がデカイし、鮮やかな赤い髪や気持ちのいい笑顔はよく人目を引く。優越感にひたっていたといえばそうだろう。お高く止まっていたと言われれば否定のしようもない。
だから、天罰というものであったのかもしれない。
「……は? なに? どこ……なんで!?」
気が付けば引きずり込まれていた。空がなんだか、激しくぶつけたときの青あざみたいな色をしていたのをくっきりと覚えている。
「なんだよ、これ……」
一面にすすきの穂がなまぬるい風に吹かれて揺れていた。傾いたプレハブの家がいくつか、ちらほらと建っているのが見える。どれも朽ちかけて穴が開き、ひどく錆がかっていた。
言葉を失った。はっと我に返るとすでに、そいつは僕をのぞき込んでいたので。
四肢は真っ白で、毛のようなトゲのような突起が一列にびっしりと生えていて、異様なまでに長く細い。腕は左右に2本ずつ。能面のような顔が僕を見下ろしている。口は顔の半分を占め、鼻は溶け落ちていて、目は数え切れない。日本髪のように結われた黒髪はところどころにほつれていて、その先端からはタールのように黒々とした粘液た滴り落ちていた。
これはなんだ。理解不能なものを目の前にしながら、思考はやけにつれづれとめぐった。妖怪? 異世界の怪物? 映画の撮影、なんてことはないだろうか。ないだろうな……ああそれとも、田舎の山奥でひっそりとまつられている、禍神のたぐいだろうか? そんな話をネットのオカルト系掲示板で見たことがある。あれだろうか。
白木の枯れ枝めいた腕が伸びてくる。ゆっくりと。身動きができない。頭はこんなにも回っているのに、指先ひとつ動かすことはできなかった。ああ、あれに握りつぶされるのが僕の終わりか。それともあの口の中へ放り込まれて、おびただしく生えている歯列にかみ砕かれるのだろうか。はたまた無数の目に見つめられて呪われ、狂死するのか。
「きみも災難ね。しょっちゅうこんなことに巻き込まれてるんだから。体質かしらね?」
すっかり血の気が引いたところで、そんな声が聞こえた。
「……せ。せんぱ……」
「安心して、すぐに片づけてしまうから。ああ、けれど、そうね。少しの間、目を閉じていて?」
滑らかな手のひらが僕の瞳を覆い、耳もとに彼女はささやいた。
「ちょっとだけ、刺激が強いかもしれないから。ね」
まぶたの裏の暗闇にどこか安堵を覚えながら、彼女の発する音を聞いていた。水音のような、なにかがしたたる音。激しく飛沫が散る衝撃音。
先輩は僕が行儀よく目を閉じていたと思っているだろうか。結局、彼女に告げることは最後までなかった。
あの時僕は、目を見開いた。彼女をこの目ではっきりと、見つめていたのだ。
あれから幾たびも夜をむかえたが、ふたたび彼女と出会うこともなかった。カフェの店長にたずねたところには、知り合いに紹介された期間限定の助っ人アルバイトであり、どこからやってきたのかも知らないそうだ。
僕もすぐにアルバイトを止めたが、それからもなにかと、失せてしまった彼女の面影を目の端に探していた。なにをしていても、友人たちとバカ騒ぎをするのにも、恋人とデートを楽しむ間でさえも、幻影を追わずにいられなかった。
「っ、あ……」
「? どうしたの、●●くん?」
赤い髪。往来の人混みにちらと垣間見えた一瞬、しかし思い直す。彼女はいつだって、必要な時に必要なタイミングで、僕の隣にいてくれた。ならば今この時、僕に彼女は必要ないのだろう……そういえばしばらく、あの奇妙な人でないものたちの姿も見ていない。
「……いや。知っている人かと。でも違ったよ」
考えてみれば、先輩が人間であろうとそうではなかろうと、些末なことだ。彼女は僕を守ってくれたのだ。覚えているのは、それだけで十分だ。
僕は背を向け、歩き出しながらも心の中、きっともう二度と会うこともないだろう彼女へ、届くことのない感謝と別れを告げた。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
ランダムシナリオのリアクションをおとどけいたします~。
今回はサイコロの出目が少しかたよりましたね。密室・ホラー・ディストピア!
それが今回のリアクションのカラーとなったかと思いますけれど、そこにはさまれるラブコメやバトルもあって、なんだかんだとバランスは取れたのかも。
どのエピソードも楽しく書かせていただきました!
それでは、今回もご参加いただきまして、まことにありがとうございます。
次のシナリオでもお会いできますことを、楽しみにお待ちしております。
お疲れさまでした~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年01月26日
参加申し込みの期限
2026年02月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年02月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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