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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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天地夏冬雪と墨
【想いを込めてシュトーレン】
シュトレン、またはシュトーレン。ドイツ生まれのスイーツパン。クリスマスには定番の伝統的な焼き菓子です。
リンリンシャンシャンと鳴り、街並みが赤や緑に照らされ始める頃、倉前 七瀬の姿は星ヶ丘地区にありました。足取り軽く、たったか弾んで、なんならスキップをしてしまいそうなくらい。
「ふんふん、ふふん。ふふふふん」
鼻歌も歌っちゃう。
瀟洒な店々のウィンドウが並ぶ通りを抜け、ニャリウッド映画にでも出てきそうな高級住宅地を踊るように歩み、向かう先にはもはや見慣れた邸宅の美観が寝そべっておりました。
「お、来たねー」
「はい！ 今日は偶然じゃなかとですね」
「ははは、そうだねえ。いらっしゃい、七瀬」
「お邪魔します！」
そんなわけで本日は、ウォルター・ブラックウッドのお宅でシュトーレンづくり、なのです。
敏腕メイドさんがいつだって完璧に整えておられるキッチンをちょっくらお借りしまして。さっそくふたりの共同作業開始！
なのですけれど、
「シュトーレンかあ、僕、あんまり馴染みがないんだよねえ」
「実は僕も。子どもの頃は食べとらんかった気がしますねー。いつの間にやら日本でも定番のお菓子になってたみたいです」
ふたりとも、作るのは初めてです。ただ、調べてみるとそれほど難しくはない？ そうで、これならウォルターさんといっしょに作れそう！ なんてところがきっかけなのでした。
あっという間に冬は深まり、クリスマスも間近となりました。本場、ドイツでは一か月ほどの間、このシュトーレンを少しずつ食べながらクリスマスを待つという風習があるそうでして。
「つまり今食べるのも正解ってことね」
「そうですね。今日は二本焼いて、一本ずつ分けましょうか」
「おっけー。それじゃ、始めようかあ」
腕まくりっ、なウォルターさんもやる気じゅうぶんな様子。
「まずは、ドライフルーツです。これをお湯に浸して……水気を切ったら、ラム酒と混ぜ合わせます」
「ラム酒。へえ～、これは製菓用のお酒なんだねえ」
「そうなんです。だから、飲んでもそんなに美味しくないと思いますよ？」
ちょっとひと口お味見を、なんてウォルターさんを笑顔でたしなめつつ、ラム酒をとくとくとく。
「そういえば、ウォルターさんとお酒を飲みにいくのもいいですね」
「あ、いいねえ。ははは、七瀬がもうお酒を飲める年齢なんだって思うと、なんだか不思議な気分だよ」
「たしかに、僕もです」
オーブンの天板にクッキングシートを敷くと、ミックスナッツをローストしていきます。その間に、ボウルへ入れたバターをクリーム状になるまでまぜまぜこねこね。砂糖やら卵黄やらを投入したら、さらにこねこねこねこね。
「うぐ、手で混ぜるの、けっこうきつい……！」
「どれ、いっしょにやろうか」
ボウルに七瀬とウォルター、ふたりの手がこねこねまぜまぜこねこね。なんだか楽しくなってきました。
ウォルターにこねこねをバトンタッチし、七瀬はそこへ用意しておいた用意しておいた発酵種、先ほどラム酒に漬けこんでおいたフルーツミックスやローストしたミックスナッツを加えます。こねこねまぜこね。
「お、お菓子作りって、大変ですね……！」
「でも、それが、楽しい、んだよね……！」
七瀬に付き合って、ウォルターさんもいくつかのお菓子づくりを手伝ってきましたけれど、近頃はどうやら彼も、そんなひと時を大切に思ってくれているようです。そう実感すると、七瀬の胸はじんわりとあたたまりました。
「ふふ……」
「ん？ どうしたの、にやけちゃって」
「なんでもないですよー。さ、生地を成形したら、いよいよ焼いていきますよ！」
「おーっ」
ミックスフルーツにナッツもたっぷりな生地をオーブンの中へ見送ったら、焼きあがるまでしばしの休憩です。
七瀬が持ってきたちょっとイイ紅茶に、先ほどのラム酒をちょっぴり投入。おつまみ的にフルーツミックスとナッツも添えまして。紅茶好きのウォルターのために、七瀬が催すティータイムは、ふたりのお菓子作りにおいて定番になりつつありました。これもまた欠かせない、彼と過ごす大切なひと時なのです。
焼きあがったシュトーレンに溶かしバターを塗り、グラニュー糖をまぶしてラップで包んだら、ひと段落。あとは数時間置いてから、粉砂糖をた～っぷりかければ完成です。
「クリスマスかあ」
「楽しみですね。ウォルターさん」
「楽しみだねえ。この歳になっても、楽しめるもんだねえ」
しみじみと言うウォルターに、七瀬はくすり。
クリスマス当日はもちろん、それまでの時間もまた、シュトーレンを少しずついただきながら、ふたりで楽しめそうです。わくわくが止まらない七瀬でありました。
シュトレン、またはシュトーレン。ドイツ生まれのスイーツパン。クリスマスには定番の伝統的な焼き菓子です。
リンリンシャンシャンと鳴り、街並みが赤や緑に照らされ始める頃、倉前 七瀬の姿は星ヶ丘地区にありました。足取り軽く、たったか弾んで、なんならスキップをしてしまいそうなくらい。
「ふんふん、ふふん。ふふふふん」
鼻歌も歌っちゃう。
瀟洒な店々のウィンドウが並ぶ通りを抜け、ニャリウッド映画にでも出てきそうな高級住宅地を踊るように歩み、向かう先にはもはや見慣れた邸宅の美観が寝そべっておりました。
「お、来たねー」
「はい！ 今日は偶然じゃなかとですね」
「ははは、そうだねえ。いらっしゃい、七瀬」
「お邪魔します！」
そんなわけで本日は、ウォルター・ブラックウッドのお宅でシュトーレンづくり、なのです。
敏腕メイドさんがいつだって完璧に整えておられるキッチンをちょっくらお借りしまして。さっそくふたりの共同作業開始！
なのですけれど、
「シュトーレンかあ、僕、あんまり馴染みがないんだよねえ」
「実は僕も。子どもの頃は食べとらんかった気がしますねー。いつの間にやら日本でも定番のお菓子になってたみたいです」
ふたりとも、作るのは初めてです。ただ、調べてみるとそれほど難しくはない？ そうで、これならウォルターさんといっしょに作れそう！ なんてところがきっかけなのでした。
あっという間に冬は深まり、クリスマスも間近となりました。本場、ドイツでは一か月ほどの間、このシュトーレンを少しずつ食べながらクリスマスを待つという風習があるそうでして。
「つまり今食べるのも正解ってことね」
「そうですね。今日は二本焼いて、一本ずつ分けましょうか」
「おっけー。それじゃ、始めようかあ」
腕まくりっ、なウォルターさんもやる気じゅうぶんな様子。
「まずは、ドライフルーツです。これをお湯に浸して……水気を切ったら、ラム酒と混ぜ合わせます」
「ラム酒。へえ～、これは製菓用のお酒なんだねえ」
「そうなんです。だから、飲んでもそんなに美味しくないと思いますよ？」
ちょっとひと口お味見を、なんてウォルターさんを笑顔でたしなめつつ、ラム酒をとくとくとく。
「そういえば、ウォルターさんとお酒を飲みにいくのもいいですね」
「あ、いいねえ。ははは、七瀬がもうお酒を飲める年齢なんだって思うと、なんだか不思議な気分だよ」
「たしかに、僕もです」
オーブンの天板にクッキングシートを敷くと、ミックスナッツをローストしていきます。その間に、ボウルへ入れたバターをクリーム状になるまでまぜまぜこねこね。砂糖やら卵黄やらを投入したら、さらにこねこねこねこね。
「うぐ、手で混ぜるの、けっこうきつい……！」
「どれ、いっしょにやろうか」
ボウルに七瀬とウォルター、ふたりの手がこねこねまぜまぜこねこね。なんだか楽しくなってきました。
ウォルターにこねこねをバトンタッチし、七瀬はそこへ用意しておいた用意しておいた発酵種、先ほどラム酒に漬けこんでおいたフルーツミックスやローストしたミックスナッツを加えます。こねこねまぜこね。
「お、お菓子作りって、大変ですね……！」
「でも、それが、楽しい、んだよね……！」
七瀬に付き合って、ウォルターさんもいくつかのお菓子づくりを手伝ってきましたけれど、近頃はどうやら彼も、そんなひと時を大切に思ってくれているようです。そう実感すると、七瀬の胸はじんわりとあたたまりました。
「ふふ……」
「ん？ どうしたの、にやけちゃって」
「なんでもないですよー。さ、生地を成形したら、いよいよ焼いていきますよ！」
「おーっ」
ミックスフルーツにナッツもたっぷりな生地をオーブンの中へ見送ったら、焼きあがるまでしばしの休憩です。
七瀬が持ってきたちょっとイイ紅茶に、先ほどのラム酒をちょっぴり投入。おつまみ的にフルーツミックスとナッツも添えまして。紅茶好きのウォルターのために、七瀬が催すティータイムは、ふたりのお菓子作りにおいて定番になりつつありました。これもまた欠かせない、彼と過ごす大切なひと時なのです。
焼きあがったシュトーレンに溶かしバターを塗り、グラニュー糖をまぶしてラップで包んだら、ひと段落。あとは数時間置いてから、粉砂糖をた～っぷりかければ完成です。
「クリスマスかあ」
「楽しみですね。ウォルターさん」
「楽しみだねえ。この歳になっても、楽しめるもんだねえ」
しみじみと言うウォルターに、七瀬はくすり。
クリスマス当日はもちろん、それまでの時間もまた、シュトーレンを少しずついただきながら、ふたりで楽しめそうです。わくわくが止まらない七瀬でありました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2025年12月03日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年12月10日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2025年12月10日 11時00分
