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女子テントは、外の闇とはうらはらに、真昼のような空気に満ちていた。ランタンの光が布越しにひろがり、丸い影をつくっている。
みんな汗をぬぐって着替えを済ませ、寝袋を広げ、やっと落ち着いたところだった。
「ふぁ~……暑かったはずなのに、焚き火のあとだとなんかホッとするねぇ」
碧南が肩を回しながら言うと、
「それわかるです。焚き火の残り香って、ちょっとクセになるです」
とシュリーが鼻をひくつかせた。
「ふふ、いい香りネー。わたし焚き火の匂い、髪につくのスキ」
オルガは、白に近い金髪を指先でつまんでくるくるしている。
タルトはといえば、すでに寝袋の上でごろーんと転がっていた。
「ところでさ!」とタルトが口火を切る。「さっきの焚き火トークで思ったんだけど、シュリーちゃん、やっぱり『俺ヒロ』ガチ勢だよね!?」
「ガチ勢です~!」
あまりに堂々とした告白に、タルトは「ひゃー!」と両手をバタバタさせる。
ここで注釈を挟んでおく。
『俺ヒロ』とは『俺はきみだけのヒーローになりたかった……のに!?』という人気漫画で、ある少女に恋した少年が、恋のライバルや同級生、さらには少女の双子の兄まで巻き込みながら、つかず離れずの恋模様を繰り広げるラブコメ作品である。設定だけ聞くとありがちなシチュエーションかもしれないが、その実はヒロインそっちのけで、ライバルの彼と妙にいい雰囲気になったり、同性の同級生にドキッとしたり、少女の兄にいけない誘惑をされてしまったりと、なかなか大変なことになってしまう。そしてそれらが軽妙洒脱なスクリューボール・コメディとして転がっていくという、独特の持ち味が人気の理由だ。別名、『ラブコメの皮を被ったBL』。アニメ化もされており、今月で第一期が最終回を迎える。秋には実写映画版の公開も予定されているそうだ。
会話にオルガが乗ってきた。
「わかるヨー、わかる。『俺ヒロ』は沼なのヨネ……あれ、ワタシ、日本語まだ全然のときに語学友達に教えてもらったノヨ」
「なるほど! 海外の人に布教されるパターンのやつだ!!」
タルトは謎の感銘を受けていた。
「じゃ、じゃあさ……」
タルトは寝袋の上で身を起こし、にじり寄る。
「好きなカプ(※カップリング)、改めて教えて?」
「ソラ×ヒイロです~」これはシュリー、
「ユズ×ヒイロですヨ」こちらはオルガだ。
「お、おおお……相変わらず意見割れるんだ……」
タルトは思わずテントの天井を仰いだ。なお、主人公の『ヒイロ』の名前がいずれも後方に置かれていることには、地味にご留意願いたい。
「でもね、わたしはソラ×ヒイロ派~!」
「同志ネー!!」
シュリーが勢いよくタルトに抱きつく。
「だよねー☆」
碧南はその盛り上がりを微笑ましげに眺めつつも、どこか遠い。
「……その、“×”の話ってやっぱり重要なんだよね?」
「重要だよ!」
タルト、オルガ、シュリーが声をそろえて返したので、碧南は思わず笑ってしまった。
「羽生さんはBLあんまり読まないんだっけ?」
タルトはバランスボールのようにころころ転がりながら訊ねる。
「うん、それほどは。絵柄が好きなやつは読むこともあるけど……でも乙女ゲーなら語れるよ!」
「乙女ゲー!」
タルトがばっ!と身を乗り出した。
「僕もサイトでチェックはしてるよ♪ 面白そうなのいろいろあるよねえ☆」
オホー、とオルガも参戦する。
「どのタイトル好き? 推しキャラはダレ? ルート、どこから行くタイプ!?」
「え、えっ、質問多い……!」
碧南は笑いながら、寝袋の上に正座した。
「最近やってるのは『霧幻戦記 ネーベルライヒ』。ローゼンフリューゲルのロマンティストぶりが好きで……」
「『ネーベルライヒ』!? 全クリした」とオルガが言うなり、
「わかるです!!」
シュリーが両手を打った。
「第一印象はガチ石像だけど、攻略入るとデレが溶けだすやつですよね」
「そうそう、それ!」
「え~?」オルガはオルガの意見があるようだ。「私はシュトラールがすきヨー。あの軽薄そうで意外とシリアスなとこが!」
「わかる~!」
全員のテンションが一段上がる。
タルトも『ネーベルライヒ』のキャラくらいは知っている。目をきらっきらさせながら、
「ていうか、ローゼンフリューゲルって、洋二さんに似てない?」
と爆弾を投げた。
「えっ!? えっ、似て……る……?」
碧南の耳がみるみる赤くなった。
「そういえば」
「芸術家ってところが特に……」
「似てるネー……」
シュリーとオルガが遠慮のない目で首をかしげる。
「そ、そんなことないですって! 洋二さんと知り合ったのはもっと前ですし! あと、ゲームは別腹!」
そんな具合で、話題はとめどなく流れていく。
BLから乙女ゲーへ、乙女ゲーから海外ドラマへ、海外ドラマから大学生活の話へ。
会話には終りが見えないが、ここで、
「もう……一時(いちじ)ですよ~……」
オルガが大きなあくびをした。さっきの焚き火のときより、ずっと眠たげだった。
「えっ、一時!? うそ、わたし寝るって言ったの一時間前じゃん!」
碧南があわてて腕時計を見る。
「でもまだ話し足りない~」
タルトがむにゃむにゃと言う。
「でも明日もあるデスよ~」
「そうだねぇ……」
「うん……眠いネ……」
四人は薄手の夏用寝袋に滑り込み、ランタンを弱くした。
テント内とはいえ、海風は思ったより冷たく、寝袋にくるまるとほっとする。
「……タルトちゃん、まだ起きてます?」
「むにゃ……起きてるよー……」
「なんか幸せですねぇ……」
「んへへ……だねぇ……」
シュリーの声は布越しに溶けていくようだった。
「羽生さんも……起きてるデス?」
「うん……まだ起きてます」
「楽しい一日だったネー……」
オルガの声はとろんとしている。
「うん……うん、ほんとに……楽しかったです……」
碧南がぽつりとつぶやく。
今日の焚き火のあかり、笑い声、海の匂い。
「みんなと……こうやって……話せるの……すごく……いい……」
碧南の言葉は、眠気に混じってとろける。
波の音が遠くでさらさら鳴っている。
テントの布がそよぐ音。
夏のBGMが、四人を静かに包みこんだ
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月17日
参加申し込みの期限
2025年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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