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【お三夜】猫と人、あまたの世界が交わる夜
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理緒と紗月とねこねこ記者
人はなぜ、素早く動くものをみると狙いたくなってしまうのだろう。
幾万幾億のときを生命とともに廻ってきた二重螺旋のどこかに眠る、獣の本能が刺激されるからだろうか。
動き回る灰色の塊に、しっかと狙いを定めれば、神経が紙縒りのように細くねじられ研ぎ澄まされてゆく。あたりの喧騒ももはや聞こえず、呼吸は月夜を映した湖面のごとく穏やかだ。高揚と冷静が、身のうちに同時に存在しているのを感じる。指先に感じる冷たい引き金。力がこもるのは脳からの指令ではなく、いまだ、という肉体そのものの感覚によってである。
ポンッ、と間の抜けた音がして、鉄の筒の先に詰められたコルク弾が発射した。
狙われたネズミはちゅちゅっと鳴いて走りだし、華麗に弾を避けてしまった。
「あああっ、うそでしょ! 今度こそって思ったのに!」
お祭り用のおもちゃみたいな鉄砲を抱いて、
初瀬川 理緒
はへなへなとくずおれる。今のが最後の弾だった。恋人の
佐和崎 紗月
にいいところを見せたかったのに、ネズミ射的のネズミたちときたら、動きがあまりにも速すぎる!
「ざんねーん!」
ネズミ射的の露店にいた、糸目のねこの店主がニコニコしながら理緒の手から鉄砲を取りあげる。
「あああっ……!」
「にゃにゃ? もう一回やるかにゃ? たしかさっきのが二十回目かと思ったにゃが……」
言外に、うちは儲かるからそれでもかまわないけれどあんたに当てられるのかにゃあ、と小馬鹿にしたような空気をかもしだす糸目のねこ。そこそこ、いい性格をしているようだ。
うぬぬ、と負けず嫌いが発動しそうになった理緒を、紗月の手が引き留めた。
「理緒ちゃん。ネズミ射的だけで散財しないで。ほかも見てみよ?」
「し、仕方ないわね! そこの糸目ネコ! 今日のところは紗月に免じてここまでにしてやるわ! 来年、見てなさいよ~っ!」
負け惜しみのセリフを叫びながら、紗月に引きずられるようにしてネズミ射的の露店をあとにする理緒に、糸目ネコは「来年も散財お待ちしてますにゃ~!」とにこやかに手を振っていた。
次に立ち寄ったのは高速金魚すくいの夜店。理緒はこちらも見事に敗退。
「金魚も速すぎよ!」
ぷんすかする理緒の隣で、紗月があっと声をあげる。
「掬えた……金魚一匹捕まえたよ、理緒ちゃん!」
「うそっ!」
「……意外と簡単にできちゃった!?」
ネズミ射的は理緒同様にさっぱりだった紗月だが、金魚のほうはちょっぴり適性があったらしい。流れを読んで合わせるというあたりが、紗月の性に合ったのかもしれなかった。
「え? あんなに素早いのに一匹ゲットできたの? すごっ!」
理緒はものすごく大はしゃぎして、まるで自分が釣ったかのように、釣り上げられてバケツにうつされた金魚を周りの人に見せびらかしている。
「そんなにはしゃがないでよ理緒ちゃん。照れるじゃない……」
そのあとはすぐにポイが破れてしまって、釣果はその一匹にとどまったけれど、ゼロ匹と一匹じゃ気分は大違いだ。掬った金魚を巾着みたいなビニール袋に入れてもらって持ち帰ることにする。
「すこし遊びすぎたね。そろそろのどが渇いたな」
「そうね。どこかで飲み物を買いましょ」
「さんせーい! なにがいいかな」
「夜風でちょっと身体が冷えたからあったかくて甘いのがいいわね」
ネズミ射的をあとにしたときとはまるで違ったうきうきした気分で、屋台を眺めて歩いていると、目の前にまんまるな白黒ぶちの猫が現れた。手に鉛筆とメモ帳を持ったかぎしっぽのねこだ。かぎしっぽのぶち猫は、人ごみ(ねこごみ?)のなかをあっちに行ったりこっちに行ったりとせわしない。
「あの猫ってたしか……」
理緒が胡散臭いものを見る目つきで目を細める。
「そうね……」
紗月も見知った猫だとうなずいていると、かぎしっぽ猫がふたりに気がついて跳びあがった。――否、正確には、紗月の顔を見て、またたびに酔ったみたいに大興奮状態になったのだ。
「にゃにゃにゃーっ! 紗月ちゃんにゃーっ!」
かぎしっぽ猫は紗月に飛びつき、ごろにゃんと甘えてくる。
「えっ、えっ……この子、大丈夫……?」
ドン引きの紗月。
「ちょっとちょっとー! いきなり何してくれてんのよっ!」
理緒は文字通り首根っこを捕まえて引きはがすと、顔の前に持ち上げてにらみつける。
「あたしにはなんかないわけ?」
「はーっ……おともの理緒ちゃんにゃ」
「あたしにだけ塩対応ってどういうことよ? 溜息プラス『おとも』とは失礼にもほどがあるわ」
理緒はぺいっと猫を地面に投げ捨てる。
かぎしっぽ猫はまんまるな体と猫の本能でくるくる回って怪我もなく着地したが、紗月が心配そうな顔になったのに気がつくと、わざとらしく泣きじゃくった。
「ぶにゃ~ん、うにゃ~んっ! 理緒ちゃんがいじめるにゃ~っ」
「だ、大丈夫?」
「紗月ちゃ~んっ! 痛いにゃ~っ!」
よしよしと紗月に抱えあげられて、胸のあたりに鼻先を押しつけるかぎしっぽ猫の憎たらしいことったら!
「吾輩、歩けなくなっちゃったにゃ。まだまだ取材しなきゃならないのに困ったにゃー」
「取材? なんの取材?」
「よくぞ聞いてくれたにゃ紗月ちゃん。吾輩、猫が読む雑誌、『週刊かぎしっぽ』の敏腕記者なのにゃ! その名も、
ねこ ねこ
記者!」
「ねこねこ記者……」
そういえば去年もお三夜の夜に見た、と紗月は記憶をたどっていた。あのときは宴会に誘われたんだっけ。
一方、理緒は首をかしげる。
「記者なの? 看守じゃなかったっけ? 看守のボス」
「それは夢にゃ」
「二回も見たけど。なんか刑務所のようなところへ放り込まれて、またたびでぺしぺし叩かれたり……紗月だけ看守にされてあたしは囚人扱いされたり……そうよ、あのときもあたしだけつれない扱いを……」
「夢にゃ」
ぴしりと言い切るねこねこ記者。それ以上、有無を言わせぬ迫力である。
「そんなことより、吾輩、お三夜まつりを取材中だったにゃ。理緒ちゃんにぺいっとされて足が痛くなっちゃったから紗月ちゃん、吾輩を抱っこして、いっしょに取材に付きあってくれないかにゃ~?」
足が痛いとか嘘つけ、紗月に抱っこされたいだけでしょ! と理緒はツッコみたかったが、それより先に、紗月が「いいよね、理緒ちゃん?」と聞いてきた。紗月に弱いのは、ねこねこ記者だけでなく理緒も同じだ。
「~~~~っ、仕方ないなあ。今夜だけよ?」
「やったにゃ~!」
「ただしこっちも見返りがほしいわね。あんた、記者なら情報ツウなんでしょう? あたしたち喉が渇いてるの。おススメのドリンクの屋台があったら紹介してほしいんだけど」
「つーん。理緒ちゃんのお願いをきいてやる義理はないにゃ」
「こっの……!」
「まあまあ理緒ちゃん。……ねこねこ記者さん。私も喉が渇いちゃったな。おススメ、教えてくれない?」
「紗月ちゃ~んっ! もちろんにゃっ! あっちの『またたびティー』があったかくておいしいにゃ。店主のねこさんオリジナルブレンドで、人間向けの甘いのも人気にゃ。さっそく取材に行こうにゃ~!」
なにこの態度の差……。
唖然とせずにはいられないが、紗月がうまく乗せたよ、という風にこっそりウィンクしてくれたので、理緒はひとまず留飲をさげた。それから理緒と紗月とねこねこ記者は、いろいろと屋台巡りをしたり猫が売っている商品のレポートをしたりしながら、お三夜まつりの不思議な夜を過ごしたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
1000人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年09月30日
参加申し込みの期限
2025年10月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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