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夏の終わり、線香花火
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月の綺麗な夜に
雲のない夜空に、ブルーチーズみたいなお月さまが白くぽっかり浮かんでいる。
立秋などはとうに過ぎ、それでも昼間はうだるような暑さに支配されていたが、日暮れは確実に早くなっている。夕闇の訪れとともに、すう……と涼風を感じられるのが心地よくて、
綾辻 綾花
は高校卒業後に恋人となった
早川 珪
の手をそっと握った。
「なんだか夏祭りみたいな気分ですね……」
浴衣を着て、下駄を鳴らしてはいるけれど、今夜は夏祭りではない。
賑やかさはどこにもなくて虫の声がささやかに聞こえるような静かな夜だ。手に持ったバケツのなかでスーパーで買った手持ち花火がカタカタ鳴った。公園にやってくるまで誰にも会わなかったので、ふたりきりの世界に迷い込んだような心地になる。
「公園で手持ち花火なんて、いつぶりかな」
と珪が言った。バケツに水を汲んで、蝋燭に火をつけて……その穏やかな微笑みは、子ども時代を懐かしんでいるようでもあり、大人になったいまこの時を嬉しく思っているようでもあった。
「まずは手持ち花火からしましょうか」
手持ち花火といっても近ごろは色の変わるものや星が飛び出すものなどもあり、カラフルに夜闇を彩っていく。赤や緑や黄色の火花が珪の横顔を照らすのが綺麗で、綾花はいつしか花火以上に彼の横顔に見惚れてしまっていた。珪は綾花の視線に気づいて、照れたような笑みを零す。
「はは……綾花さん。手元をみないと危ないよ?」
「あっ……そ、そうですね。珪さんがカッコいいので、つい……」
「まあ、気持ちは分かるけれど。僕も綾花さんに見惚れてしまいそうだから」
赤い火花がパッと散る。
綾花の頬の染まったのは、珪に気づかれてしまっただろうか。
「あ、ええと……手持ち花火はこれで終わりですね。最後に、線香花火しましょうか」
ふたり並んで、一本ずつ線香花火を手にして蝋燭の火に近づける。
一瞬赤い火花をあげて、赤紫に染められた先端に火がついた。
「線香花火って可愛い花火で最後にピッタリですよね。チリチリ……っていうこの音も好きです」
「あ、僕のはパチパチ言う前に落ちちゃった。綾花さんのは大きな玉になってきたね」
「はい……落ちないで……もう少し……あ、あ」
「……ああ、落ちちゃった」
残念、と顔を見合わせたその瞬間に、綾花の脳裏に子どもの頃の情景が蘇ってきた。
「そういえば……小さい頃は家族で花火をよくしてました。あの頃は派手は花火の方が好きでした。線香花火は消えるのが寂しくて……切ない気持ちでいっぱいになっちゃって。もう終わっちゃうのか、って」
「儚いものこそ尊けれ……その感情を味わいたくて愛してしまうのかもしれないね。花火も桜も」
「なんだか文学的です。……珪さんは? なにか花火の思い出ありますか?」
そうだな、と珪は月を見上げる。
「ああ、そうだ。僕は転勤が多かったんだけど、引っ越しの前に花火しようって誘ってくれた友だちがいて……もうどこの学校だったか、その子の顔も思い出せないんだけど……あの日見た月が綺麗だったこと、今、思い出したよ」
「それって男の子ですか?」
「そうだよ。……はは、そんな心配した顔しないで。うんと小さいときのことだから」
ちょっぴり嫉妬してしまった自分が恥ずかしい。
クスクスと笑いあって、続けざまに何本か遊んで、気づけば残り二本となった。
「これが本当に最後ですから、どちらが長く保てるのか勝負です」
「いいよ」
「勝ったほうが次のデートの場所を決めれるっていうのはどうですか?」
「そうしよう」
綾花としては勝っても負けても彼と出かけれたら嬉しいのだから、究極の意味では勝負なんて意味ないのだけれど……それは珪だって同じようなものだろう。
息を揃えて火をつける。
赤紫の包み紙が燃えて、火の玉が大きくなっていく。
チリチリ……
パチパチ……
闇のなかに細く散る火花に集中する。
「あ……」
「落ちた……同時だったね」
「勝負、つかなかったですね」
「つまり、次のデートの場所はいっしょに考えろということだね」
……そうだ。
むしろ、それがいいとすら思える。
綾花は微笑んだ。
「珪さんと一緒だと寂しい気持ちにならないので不思議です」
「よかった。僕もだよ」
綾花はふふっと笑って、楽しかった、と零す。
「小さい頃は派手な花火が好きだったけど……今は線香花火のほうが好きになってきました」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年09月02日
参加申し込みの期限
2025年09月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年09月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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