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「来てみて」
まだ少し残る硫黄の膜を払うようにして、ラッセルは晴月を部屋にいざなった。
ダイニングの光景は、晴月が家を出たときとは一変していた。
天井からは色画用紙を細工した紙輪がいくすじも垂れさがり、虹のようなグラデーションをなしている。
窓際には折り紙の花や星が立体的に飾られ、重ね貼りされた淡い色のセロファンが、ステンドグラスのように輝いていた。
テーブルには鮮やかなチェック柄の布が掛けられている。端は丁寧に折り込まれ、ラッセルの几帳面さがうかがえる。
そして卓上には、目を奪われるほど豪華な料理が並んでいた。
黄金色に揚げられたフライドチキン、木桶に詰められた酢飯と、大皿に盛られた手巻き寿司の具材、山盛りのポテトと瑞々しいグリーンサラダ。
中央には生クリームの絞りも美しい小ぶりのショートケーキが鎮座し、つややかな苺が宝石のように並べられている。
脇には、色鮮やかな瓶が並び、ワイングラスが添えられていた。
「住民票取得おめでとう! の気持ちを込めて、家でささやかなパーティでもすっかと思ってな」
ラッセルは胸を張り、どこか照れくさそうに笑った。
「将来のために節約してるけど、今日くらいは奮発した。──晴月の好物、ぜんぶ揃えてみたんだ」
晴月は一瞬、言葉をなくし、次の瞬間にはぱっと笑顔になった。
「ラッセル、すごい! 本当にサプライズばっかりだよ!」
けれどふと首をかしげる。
「ところで……大学は?」
「うーん、まあ、一時間目の出席のとこだけ出て、あとは自主的に休講ってことで」
ラッセルは苦笑して後頭部をかいた。
「だって今日は特別だろ? 作品づくりにだって、こういう経験が必要なんだよ」
ボトルの封を切りつつ、ラッセルはつづけた。
「あと報告な。通ってた自動車学校、あとは卒業試験だけ残すまでに進んだんだ。子どものころは『鉄の塊が走るとか怖え! こんなんやれっか!?』って思ってたけど……千のバイクとか、カナリアになって広い世界を見た経験とかもあって、いまのままじゃ駄目だって考えるようになって頑張れた。晴月も、住民票を取るっていう一歩を踏み出しただろ? だから俺も一緒に、次の一歩を踏みたいんだ」
千こと親友の海道 千里、『
八幡 かなえ
』の名と背景を晴月にくれた九鬼姫、彼らのおかげで現在の自分たちがある。ラッセルには感謝の気持ちしかない。
「就活だって免許必須ってとこ多いみたいだし」ラッセルの声はだんだん情熱を帯びてゆく。「イザってときに駆けつけられる頼りがいのある男になりたい。もちろんドライブ旅行もできるじゃん。……晴月は、どこに行きたい?」
晴月はケーキの苺を見つめ、それから小さくまばたきをして、ぱっと顔を上げた。
「……どこでもいいよ。ラッセルと一緒なら、どこへでも行けるよ。きっと楽しい!」
どこでも、か。
瞬間、ラッセルの心に、小さな翼のはためきが聞こえた。
かつて自由に空を舞った感覚の、薄くなった残響──。
俺も、晴月も、もう取り戻せない、あの感じ。
しかし羽音は、静かに消えていった。光に吸い込まれるようにして。
ラッセルは一瞬息を止め、それから力強くうなずいた。
「じゃあ決まりだな。つぎの夏休みにでも行かないか? レンタカー、手配してさ」
「ラッセルはどこに行きたいの?」
「俺は自然豊かなところがいいな。北海道とか沖縄とか、富士山もいつかは登ってみたいし、それ以外でも楽器演奏や乗馬やエキゾチックアニマルとふれあうとか、世界を広げたいんだよ。うん、晴月にみせたいものあっけど、俺のためにもな。ほら、夢があって、作品作りとかのいい刺激になりそうじゃん?」
言葉がつぎつぎとあふれる。普段でも晴月相手には熱心になるラッセルだが、いまは気分が少し高まっており、話がとめどなくつづくのだった。声の弾みは、理屈抜きに胸を沸き立たせる期待感の反映でもある。
「地方のグルメとか温泉や観光地周るのもいいよなー。季節ごとに桜や紅葉の絶景みに繰り出したりさ。都内に出るならミュージカルや観劇も本格的なやつ見れるし、車移動なら地方の祭りにも……」
熱心に話しつづけるラッセルの言葉が途切れた。
無言でそっと、晴月がラッセルに唇をふさいだから。自分の唇で。
驚きの色を浮かべたラッセルの瞳を前に、晴月は両腕を彼の首に回す。
「……ありがと、ラッセル。本当にありがとう」
「はは、ちょっと大げさだったかな。でもさ、記念日ってことでさ」
長いキスのあいだ、晴月の髪から紙吹雪が落ちて空中に舞った。
やがて唇を離した晴月は、かすかに息を整えながら小さく笑った。
「いいよ」
「えっ?」
「記念日に、しよ?」
抱擁をとくと、晴月は半歩だけ下がった。
白いワンピースが、床へと滑るように落ちていく。布が光を受け、淡い影を描きながら体の曲線をなぞり、横たわった。
寄り添うように落ちたブラジャーも、わずかな光を反射して艶めき、ワンピースの残像と重なる。
交差させた両腕で胸元を隠して、晴月はラッセルに告げた。
「心の準備、できたよ……まだちょっと怖いけど」
震える声を耳にしながら、ラッセルは自然に腕を回す。
手に伝わる体温に、鼓動が早くなる。彼女の背を押さえる指の感触に、胸の奥が熱く脈打った。
「……いいのか?」
声がかすれて、自分でも驚くほどの緊張を帯びているのがわかった。
「うん」
心に映るのは、ほのかにゆれる瞳の色。
エメラルドグリーンの瞳はきっと、光を宿しているはずだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月13日
参加申し込みの期限
2025年08月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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