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明日も、君がいる。You are my tomorrow
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迷路のように入り組んだ水上要塞で、はしゃいでいたのは柚春だった。海賊船とも隣接しているからか、要塞にはコンパスや六分儀などの航海用具が並び、壁面には大きな地図、天井には天球図が広がっている。道具はどことなくファンタジーだけれど、今でも実際に使われているとの説明を見た柚春は、途端に目を輝かせた。
「見てみてワット! これ、触っても大丈夫だって。使い方わかる?」
「え? たぶん……こう持って」
わぁっと声を上げ、写真撮るねと笑ってシャッターを切り。目まぐるしく動く姿に、最初は物珍しいものが並ぶのを柚春も楽しんでいるのだと思った。
もしかしたら、率先して連れてこなかったことに気を遣って、盛り立ててくれているのかもしれない、とも。
――でも、違う。
「ここから外に出られるのかな……あっ、甲板だ! もしかして大砲も触れるんじゃない!?」
「柚春っ!」
今にも走り出しそうな柚春を、ウォルターは手を引いて呼び止めた。不思議そうに見つめ返す瞳はいつも通りに見えるけど、1度疑念を抱くと全てが違和感でしかない。
(やっぱり天燈の……いや、もしかしたらその前から)
気持ちを伝えたとばかり思って、安心していた。ただ満足して、彼女の気持ちを察せなかった。今までと同じように振る舞っても、柚春は察して付いてきてくれるんだと慢心していたかと思うと、自分自身にゾッとする。
「ワット……?」
「ああ、えっと……あそこ、行ってみない?」
苦し紛れに指したのは、甲板から一段高い場所にある船尾楼だった。ここから見ても金の縁取りが煌めき、豪奢な装飾に包まれた一室なことはわかる。誰も近寄らないそこが解放されているかは、ウォルターにもわからない。だが少なくとも、大砲の前なんかよりは静かで落ち着けるはずだ。
「なんか、偉い人が居そうだね」
「そうだねぇ……確か船の中でも安定した場所だから、提督や船長なんかの私室になってたんじゃないかな」
あまり期待せず近づくと、そこはVIP専用のラウンジになっていた。天井こそ低いけれど、ふんわりした絨毯にはソファが置かれ、誰かの執務机には古書や真鍮のランタン。そして船尾には大きな扇形の窓があり、航路を見守るように景色が広がっている。
「ここにも色々あるね、羅針盤に懐中時計に……っ!」
調子を崩さず部屋を探索しようとする柚春を後ろから抱きしめると、ウォルターはどう切り出したものかと考えた。本当は杞憂であってほしいし、何を伝えたらいいのかも迷っている。でも――何か、言わなければ。
「……ごめん」
絞り出せたのは、なんとも情けない一言だった。腕の中でびくりと震えた柚春の頭に額を乗せて、全てが伝わればいいのにと考えてしまうくらいには愚かだけれど、これだけは言える。
「I meant it.……I always have」
震えそうになる声では、証明にならないかもしれない。待たせたのに都合がいいとか、今更だとか……憤りもあるかもしれない。それでも、ウォルターは懇願するように言葉を続けた。
「And I still do. I love you. I never stopped」
おずおずと柚春がウォルターの腕に手を乗せて、深呼吸する。覚悟を決めたように掴む手は震えていなかったけど、躊躇うように吐息が漏れる気配を感じたウォルターは、1度祈るように強く抱きしめてから腕を緩めた。
すると柚春は正面からウォルターを見据え――彼の両頬を思いきり引っつかんだ。
「怖かったんだ……全部約束だから無理に夢を見せてくれてるんじゃって、自分だけが浮かれていたらって」
ポツポツとでも目をそらさず、柚春は続ける。今までの引っ越しと同じように、追いかけ続けなければウォルターに忘れられてしまうんじゃないかと不安に思ったから、自分から捕まえに行くんだと決めたこと。例え振り向いてもらえなかったとしても、何かを残したいと考えたこと。
「ワットは最初からすきだよって、今日が来ることを約束してくれた。指輪とか我が儘だって叶えてくれた」
けど、と息を整える柚春の瞳は潤んでいるから、ウォルターは間に合わなかったのかと眉尻を下げかける。
しかし柚春が放ったのは、確かに自分の不甲斐なさが招いた結果だけれど、予想とは大きく違う言葉だった。
「だけどっ、大事なことなんて何も……僕のわかる言葉で言ってくれないから!」
「……え?」
そうだっただろうか。いや、確かにさっきは包み隠さず本心を伝えたくて母語を口にしてしまったところはあるが、さすがに何もと言うことはないだろう。どこですれ違ったのかと考えるウォルターは、記憶を辿った。
昨日は付き合う前に直接言うべきではないと思った言葉を、勇気が出せなかったこともあって英語で呟いた。
でもその後は、確かに『愛してる』と日本語で言ったはずだ。
(あれ、でも)
記憶が確かならば、それは肌を重ねているときの1回。しかも免罪符のような使い方になっていた気がする。
高校卒業レベルの英語力な柚春相手に、あまりにも最低過ぎる行いをしたと気付いて溜息も出ない。
「僕だってもっと英語を勉強する必要があるし、ニュアンスだって聞き取れるようにするよ? でも……」
「ああ、うん。君は悪くない、悪くないんだけどねぇ」
どこから翻訳しようかと思案し、ひとまずさっきの言葉からかと適切な日本語を探す。けれど、そう難しい英語でもなかったはずだと恥ずかしさに負けそうな自分もいて、ウォルターは同じ過ちを繰り返せないと唸る。
「本当に手を解かないなら、今は……僕のわかる言葉で、教えて?」
真っ直ぐな瞳に射貫かれたウォルターに逃げ道などなく。ゆっくりとたどたどしく、今度こそ全てを曝け出すつもりで、柚春への愛を囁くのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月01日
参加申し込みの期限
2025年11月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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