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明日も、君がいる。You are my tomorrow
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園内を周遊する汽車に乗って、2人は次のエリアを目指した。のんびりとした車窓からはイースターの飾りを楽しむことが出来て、どちらが多く見つけられるか競ったり、ворの写真を撮ったりと騒ぐ姿からは、先ほどまでの憂うような空気はない。
しかし、ずっと柚春を見守ってきたворだけは、やっぱり不信感を募らせていた。確かに柚春は玩具である自分が返事を出来ないとわかっていながら話しかけてくるし、こうして写真もよく撮る。でもそれは彼女が1人で居るときに限られ、デートのときは精々お守り代わりに連れて行ってもらえるくらいだ。
つまり、いつもなら鞄の奥底で聞き耳を立てていることのほうが断然多く、2人の前に姿を現すのは稀。だからこそ、彼女がピンチになったら人の形をとって助けに入ることもあったのだが……これではそんな隙もない。
(恋人になったって自覚して照れくさい、とかか?)
それにしてはどこか変だ。入園してすぐの作戦会議では、こちらがげんなりするほど甘ったるい空気で語らっていたというのに、今ではよそよそしささえ感じる。
だからворはウォルターを睨み付けてやった。汽車がカーブに差し掛かったのをいいことに、光の加減で表情を変えたよう装って、鈍色の瞳をギロリと向ける。己の正体を知るウォルターには、これで十分届くはずだ。
玩具に宿るような不確かな存在だけれど、彼女を守る存在として言っておかなければならない。長く曖昧な距離に置いて不安にさせた柚春を、未だ幸せにする覚悟を決めていないなら――今度こそ容赦はしない、と。
汽車を降り、チャーミィズ・キャッスルが大きく見えてくると、柚春は緊張したように足を止めた。
あの城はニャンドのシンボルマーク的存在でもあるが、人気キャラクターのハッピィとチャーミィの仲睦まじさにあやかった逸話もある、柚春にとっては大事な思い出がある場所のひとつ。
「あの、今日は……えっと」
「写真はどうする? 前に来たときは朝だったし、夜もいいかもねぇ」
さらりと言ってのけるウォルターに瞬いていると、彼はパレードの時間を確認し始めた。さすがにVIP扱いを受けられるとはいえ、パレードを止めて写真撮影はねぇと苦笑すると、もう一度優しく柚春に問う。
「あそこだよね、『永遠の幸せに包まれる』って逸話。あれって、時間は関係ないの?」
お城が見切れることなく2人で写真を撮ることが出来たなら、叶う――その逸話に時間を指定されていた覚えはないが、柚春は驚きを隠せず上手く答えられなかった。
「ワット、知って……?」
「正直に言うと、前は知らなかったんだ。でも、柚春が何か気にしてたみたいだから……今日は少しだけ、ね」
広い園内には逸話も良いことから悪いことまでたくさんあるし、それも年代によって、人によって信じることが変わるのだから追い切れない。だけどウォルターは城を見上げると、何かを噛みしめるように微笑んだ。
「あのとき、願ってくれてありがとう」
大事な話があるとデートの約束を取り付け、ニャンドで過ごしたあの日。告白が上手くいくように、これからも彼と一緒に居られるようにと願いをかけてまわった逸話たち。それを、あのときの彼は知らなかったけれど。
「今度はさ、一緒に願わせてくれる?」
繋いでいた手を少し上げ、恭しく一礼するウォルターの言葉を、そのまま言葉通りに受け取ってしまっていいのだろうか。まるでダンスに誘うかのような仕草の中に、どれだけの願いが込められているのだろうか。
じわじわと染みこむように胸が温かくなるけれど、柚春は答えを躊躇った。あまりにその所作がスマートすぎて、彼が気遣ってくれているのではという不安の片鱗がどうしても拭えず……素直に嬉しいと言うのが、怖い。
「……じゃあ、夜にしよっか! 他にはどんな逸話を調べてくれたの?」
「え、ああ……えっと、そこの壁画のティアラと、あっちのゴンドラの――」
幸せになれるとか、願いが叶うとか、恋人同士で行うと永遠の愛で結ばれるとか。一緒に巡った逸話を思い返しながら話すウォルターにエスコートされ、柚春も思い出したように笑う。
「やっぱりさ、お願い事を叶えてもらったんだから、ありがとうって気持ちも伝えたいよね」
それは、以前来たときに彼が言った言葉。寝子島にある猫恋の鐘を2度目に鳴らすとき、柚春がそう理由づけて誘ったのを覚えていてくれたのだろう。逸話の成否を悩んでいるときに告げられた言葉は、気まぐれだったかもしれないけれど柚春を十分に次へと期待させた。
「……そうだねぇ。困ったときだけなんて、都合が良すぎるしね」
この『ありがとう』の先に『これから』を願いたい。彼も願ってくれていると、信じたい。でも、もし。
(ワットが願いたいのが、『今までありがとう』だったら?)
こんなときまで、空気を壊さず微笑むことだけは得意な気がする。多くの引っ越しでその場限りに馴染むことばかりが上手くなってしまった柚春にとって、どこまで感情を曝け出していいのかがわからなかった。
困らせたくない、でも、わかってほしい。疑いたくない、だけど……自信がない。あれだけ無我夢中で追いかけ続けた彼の本音を、どうして今になって聞けないのだろう。
ぎゅうっと彼の腕に抱きついて、存在を確かめる。振りほどかれないことに安堵して、柚春は木の葉のさざめきにかき消されるくらい小さく呟いた。
「……覚えていてね」
今日のデートも、今までのことも。そして――全力であなたを愛した稲積柚春という存在を。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月01日
参加申し込みの期限
2025年11月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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