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私の居場所は、もうここにはないのでしょうか。
ふと、そんな思いが心をかすめた。
寝子島高校図書室、そこは、在校生のための居場所だろう。制服ではない自分が踏み入れていいのでしょうか。場違いな邪魔者でしかないのでしょうか……。
視線を伏せたそのときだった。
「綾辻先輩」
ふいにかけられた声に、びくりと肩が跳ねた。
声の主は、図書委員の後輩だった。坊主頭に太い眉、がっしりとした上背で、シャツの胸元がパツパツになるほどの筋肉質だ。一見すると、柔道部か野球部の練習帰りにしか見えない体格だが、それは先入観にもとづく偏見というもので、彼は筋トレを「本をたくさん運ぶため」にしていると断言する本の虫だった。髪を短くしているのも、本土にある実家がお寺で、ときどき法事の手伝いをするからだと聞いた。
名前は、
寺尾 虎夫(てらお・とらお)
、名前からして猛々しいが、それもまたやはり偏見になってしまう。とても穏やかで、しっかり者の男の子である。綾花も、彼の誠実な仕事ぶりはよく覚えていた。
「お久しぶりです。今日はどうされました?」
という彼の問いかけと、
「虎夫さん、なんだかまた大きくなりました?」
という綾花の言葉が、ほぼ同時に重なった。
思わず「どうぞ」「いえいえ、先にどうぞ」と譲り合う妙なやりとりの末、綾花が先に答えることになった。
「みんな元気かなって……ちょっと見に来てみた、ような?」
語尾がどうにも頼りないが、虎夫は気にする様子もなく、にこにことうなずいた。
「元気ですよ。図書委員も新しい子がたくさん入ってくれましたし」
なお、やはり彼の筋肉は増量中らしい。どんなトレーニングメニューをこなしているのか気になってしまう。
「いいところでお目にかかりました。以前先輩がやってらした図書室だよりのことで、折り入ってご相談があるんですよ」
虎夫の話によれば、編集方針をめぐって委員会内で意見が分かれているらしい。
といっても深刻なものではなく、たとえばカラーページを増やすかどうかといった、おだやかな議題だという。八月の反戦特集、十二月の人権特集といった定番のテーマをとりやめるとかいった根幹を揺るがすような話ではない。両特集はもちろん継続予定だ。
「七月の特集、ちょっと思いつかないんですよね」
と、眉を寄せる虎夫の声もまっすぐだった。
頼られると、綾花も元委員の血が騒いでしまう。
「七夕とか、水泳大会を題材にした本を紹介してみたらどうでしょう? それと、話題の新刊の案内も入れてみるとか。先日のエンタメ文学賞の……」
気がつけば、綾花はすっかり現役の頃のような気持ちでアイデアを口にしていた。
離れていても、やっぱり本に関わることは楽しいです。
自分の言葉が、まだ見ぬ誰かの読書の扉をそっと開くかもしれないから。
その想像だけで、胸に灯がともるようだった。
もう制服は着ていない。図書委員の肩書も、卒業証書とともに返上した。
けれど、それでも。
綾花の心は、ずっとこの場所とつながっていたのだ。言葉を、知識を、物語を、ページの向こうにいる誰かの手に届けたいという想いは、変わらずこの胸の中に息づいている。
たとえ高校の図書室から遠ざかっても、図書の世界に生きる気持ちに終わりはない。
ページをめくれば、何度でも新しいはじまりが生まれる。
本のあるところに、想いがある限り、綾花の居場所は、きっとある。
虎夫とやりとりしているあいだも、視界の片隅にはずっと珪の姿があった。何人かの生徒が去って、入れ替わるようにまた別の生徒が話しかけていく。珪はひとつひとつ丁寧に応じていた。
珪の立ち居振る舞いには無駄がなく、押しつけがましさもない。
そんな人でしたよね、ずっと。
ふと、珪がこちらに顔を向けた。
……目が合った。
気づかれてしまったのだ。こちらから声をかけるよりも早く。
珪は笑みを見せた。少し意外そうな、それでも嬉しそうな、穏やかな笑みを。
こうなっては隠れていられない。綾花は小さく息を吸って珪の前に進んだ。
それでも、どこか居心地の悪さがつきまとって、声がひときわ小さくなる。
「……珪さんの仕事ぶりを、見に来たんですけど」
口にして、ちょっと照れる。珪が何か言う前に、綾花はつづけた。
「驚かせようと思ったのに……声、かけづらくて」
綾花さん、と言いかけて、「綾辻さん」と珪は呼称を変えた。「遠慮しなくていいのに」
珪は不思議そうに首をかしげている。理由がわかっていないらしい。
「でも、珪さんがお仕事している姿、見ることができてよかったです」
ふっと珪は笑った。
「少し待ってて。そろそろ片づけだから」
あと十分少々で閉室時間なのだった。
虎夫をはじめとして生徒たちは、借りる書籍をかかえて慌ただしく出て行った。
珪の仕事が終わるまで、綾花は窓際の椅子に座って待った。
吹き込んでくる風が、さっきよりも少しだけ乾いている気がする。
夏が、ほんの少しだけ背伸びしたような夕暮れだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月20日
参加申し込みの期限
2025年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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