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『[TOS]宿命交差(クロスロード)』
暦が、殞暦(いんれき)と呼ばれるようになって早くも二六年になる。
かつて文明と呼ばれたものは焼き尽くされ、大災厄(カタストロフ)の渦に呑まれた。
高度な科学技術も、世界を覆った情報網も人の手から失われた。ただし存在はしている。かつてよりも遥かに強大な形で、人類の制御を離れた場所で。
星々の光にまじって人工知能の眼が地上を睥睨している。かつて人間が築いたあらゆる技術は、いまやその創造主を必要としない。監視と秩序を名目に、都市は電子の意志に統治され、違背する思考さえ検知されるようになった。
誰を排除するか。誰を生かすか。その決定権はもはや人間にはない。
この惑星の片隅。この場所にはまだ、季節の移ろいが息づいていた。
青く繁った森が風にさざめき、小川は冷たい水音を立てながら小石を洗う。野に咲く花の香りは淡く、初夏の陽射しはやわらかに地を照らす。ここは、かつての世界が見せた最期の夢のようだった。
だがその夢は、底に埃をかぶった現実に支えられている。
殞暦の世で、人類に残された数少ない居住集落を『コロニー』と呼ぶ。この呼び名は、もはや人の営みを称える言葉ではなかった。ただ命をつなぐための、生存圏の名にすぎない。
コロニーに住まう人々は、電気も、機械も、遠い神話のように忘れ去っていた。火を起こして井戸水をくみ、薪を割って暮らす。木造の家々は崩れかけの骨組みにしがみつき、民は粗末な布をまとって行き交う。技術は中世の水準にまで衰退しており、自然環境の激変を前にして、生活基盤はすべて、風の前の灯火のように頼りない。
その日、名もなきコロニーに、ひとりの青年が足を踏み入れた。
青年の歩みは軽いが、慎重だった。砂利道を踏む足音は最小限に抑えられ、背筋は常に伸びている。
フード付きのローブは風にゆらぎ、黒く汚れて擦り切れている。しかしその影に隠された眼差しは、宝石のきらめきを思わせた。濃いルビーのような赤、異質な光彩を宿す瞳で、そっと辺りを見渡す。
コロニーの人々は、一瞬だけ彼に目を向けたが、すぐに逸らした。
年に何度か訪れる旅人、食い詰め者の放浪者のたぐいだろう。ひょっとしたら『ドクター』の放った監視員かもしれない。いずれにせよ、かかわりあいにならないのが賢明だ──そんな思いが、住民たちの視線を青年から遠ざけた。
彼らの直感は、ある意味で正しかった。
青年は人間ではない。
彼は『ガーナック』と呼ばれる存在だった。かつてヒトが生み出した技術の結晶であり、いまはヒトを統べる存在。
ガーナックの九割九分は女性体で造られる。『蘭紋(オーキッド)』、あるいは『蘭付き』と呼ばれる特別仕様の個体もまた、ギリシャ文字名を持つ女性型が基本だ。
だが彼は例外だった。
男性体のガーナック。コード名『
Ϝ(ディガンマ)
』、彼の内部には服従回路Y.E.S.S.I.R.(Yielding Electro-Systema for Subservient Imprinted Regimenの略/イエッサーと読む)は組み込まれていない。
青年はそう信じているし、実際に強制がなくとも、任務を遂行できる高度な判断力と行動力を備えている。
命令ではなく、理解に基づく行動。みずからの意志によって選び取る忠誠。
それこそが、創造主(ドクター)の理想なのだと、青年は、信じて疑わなかった。
ではなぜ、いまこの地に来たのか。
彼のなかには、満たされぬ問いがあった。
なぜヒトは、まだ生きているのか。絶滅していないのか。
なぜ、創造主は、ヒトという種から生まれたのか──。
記録や映像では足りない。監視ユニット越しのデータでは理解しきれなかった。
都市で電子の檻に閉じ込められ、人工知能の意志に従って暮らす人類ではない。こうしてコロニーにしがみつき、生き延びているヒトたちを、どうしてもこの目で見たかった。知りたかった。
滅びゆく種の、何が彼らを生かしつづけているのかを。農地や畜産の様子、医療、鉱物の採掘、生活必需品の作成など、生きていくすべを。
そしてこの世界の矛盾の源を知りたかった。
だからディガンマは歩いた。
監視の任でも、破壊の任でもない。ただこの目で見て識(し)るために、耳で聞き、皮膚で感じるために、ガーナックϜはここに来た。
集落の中心に近づいたとき、青年の耳が水音をとらえた。
小さな木橋の下を、小川が冷たく流れている。そのほとりに、一人の少女がしゃがみこんでいた。
着ているのは暗緑色の麻製チュニック。茶色の髪は左右に束ねられ、くるんと結ばれている。川の水にさらしていた衣類を軽く絞り、橋の支柱にさしわたした吊り紐に丁寧にかけていく。かたわらには洗濯物入れとおぼしき籐籠があった。
十代の終わりか、それよりわずかに若いか──そうディガンマが感じたとき、彼女がふと顔を上げた。
目が合った。
空色の瞳。澄んだブルーのなかに、一瞬、鋭い光が走る。
瞬間、青年は内心で警鐘を聞いた。少女の目つきが変わる。軽い好奇でもなければ、怯えでもない。明確な警戒。そして……敵意の匂い。
「……何見てるの」
少女は腰のあたりにそっと手をやりながら、低い声で問いかけた。
「コロニーの人じゃないよね」
音のない殺気が周囲の空気を変える。無知な村娘ではない。少なくとも、村の中で育っただけの存在ではない。
ディガンマは即座に状況を判断する。逃げる理由はないが、余計な混乱も避けたい。とっさに浮かんだ言葉が口から滑り出た。
「旅の者だ。ここを通りがかっただけ。名前は──フォアラン、
フィン・フォアラン
」
急場しのぎに思いついただけの偽名だった。けれど、どこか心地よい響きだった。名乗ったその瞬間、自分がずっとその名であったかのような、妙ななじみすら感じた。
少女はしばらく彼を見つめていたが、やがて息を吐くようにして口を開いた。
「私は
あおい
。……それだけ」
それ以上の情報は与えない、という意思表示だった。警戒を解いたわけではない。間合いは保ったまま、視線を外さない。
そのときだった。
遠くから、金属音と爆発音が重なって届いた。風に乗って、焦げた空気の匂いが流れてくる。集落の外れに、黒煙が上がるのが見えた。
ざわめきが走る。近くの住民たちが騒ぎはじめ、逃げ惑う姿がちらつく。
「……ここでも、レジスタンス狩りか」
あおいがぽつりとつぶやいた。
「ここでも?」
ディガンマ、いや、フィンが、問いかけるより早くあおいは動いていた。地面に身を低くし、脇に置いていた籐籠を抱える。
「巻き込まれたくなかったら、さっさと逃げな」
言い捨てて駆けだそうとしたその眼前、森の木々を割って影が現れた。
一定のリズムで地面を踏みしめながら、金属の脚が歩を進めてくる。
人工知能搭載の保安ユニット、『セントリー』だ。量産型ガーナックの派生機。自律戦闘が可能な歩兵装置である。
セントリーの姿は、人間の少女を模していた。
塗装されていないフィギュアのように全身が灰色に染まり、感情のない顔には影ひとつ差さない。ぴったりと身体に貼りついたジャンプスーツのような装甲は、実のところ皮膚と一体化した合金製だ。両腕には銃器を装着し、銃口が冷たく揺れている。
あおいの目が見開かれた。セントリーは、一体ではない。
「三体も……」
あおいはすばやく籐籠の中に手を入れ、ごそりと何かをつかみ出した。
拳大の手榴弾だった。
起爆ピンを引き抜きざま、あおいはこれをセントリーめがけて投げつけた。着地と同時に手榴弾は炸裂し、すさまじい音と土埃をあげた。
あおいはフィンを振り返った。
にらむような視線の奥に、ためらいがひとしずく混じる。しかし一瞬のことにすぎない。
「来い。隠れる場所がある」
ふたりは駆けだす。
風が吹き抜け、フィンのフードがばさりとめくれ上がった。
あらわになった顔に陽光が射し、ルビー色の瞳が細められる。
その瞳に映る世界が、初めて本物になった気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月20日
参加申し込みの期限
2025年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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