ライバル登場！｜リアクション

ライバル登場！

　食後は肩を並べて食器を洗って、そのままののこの部屋でゲームを遊ぶことになった。
　ゲームは『Tales of the Sky』、それも、このところ集中して遊んでいるダウンロードコンテンツだ。
　自分のゲーム機のほうをつないで英二が言う。
「例の【DarkAge】編の追加シナリオ、アップデート後にプレイしたらとんでもなく強い敵キャラが出てきて即ゲームオーバーになったよ……。ゴリ押し突破するには物凄いレベルアップが必要かも？」
「えー、なになに？　私それやってない。敵ってガーナック？」
「うん、Ε（イプシロン）。これは公式でも情報出てるから言っていいよね」
「ほーう。なんか飛ぶ子でしょ？　風使いの」
「そう、ネットの情報をチラ見したら、十ターン粘ったら退いてくれる代わりに、そのまま連戦で大量の量産型ガーナック戦が控えているみたい。ただ、これ以上のネタバレは控えておくよ」
「ふーん。私もやってみようかな。協力モードで入っていい？」
「うん、そうしよう。正史モードだと仲間フラグが両立せず排他設定だったガーナックとも同時に共闘出来るストーリー展開だし、そのあたりが攻略の鍵かもしれないなぁ」
　テレビに画面を映す。
「英二くんはいつもの持ちキャラだね。おー、レベル高くなってる」
「野々さんはプレイアブルキャラで入る？」
「そうする。やっぱターヤ・トイヴァネンがいいな。この子、レベル上げるまでは単純攻撃しかできないし弱いんだけどね、なんか愛着わいてきちゃって……『ターヤちゃん、がんばるのです！』」
「うわ、野々さん、その声マネ似てる！」
「そう～？　今度この声と口調で英二くんにモーニングコールしてあげよっか？」
「お願いしたいかも……とは思うけど、野々さん、最近ずっと昼起きじゃなかったっけ？」
「『英二くん！　それは言わない約束なのですよ！』」

　普段より妙に長いローディング時間がやっと終わった。
　英二とののこはコントローラーを手にする。