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心層深淵劇場 想念花
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天井から一冊の本を抜き出すと、
綾辻 綾花
はページを繰る。途端に写真が踊り出した。
この場にあって本は記憶媒体だ。
早川 珪
の全てを記録し、収蔵する魅惑の書庫だ。全てを閲覧したいと綾花は願うがそれには天文学的な時間を費やすことになるだろう。なにしろ書庫は広大なのだ。
「あっ、このページはあの時の」
本には彼の多様な感情が封じ込められている。例えば手にしたこの本などには彼の喜びの情が書き連ねられている。
「これは、あの……珪さんの、昔の」
足元の一冊には綾花もかつて見た彼の過去や、彼の探した本にまつわる悲しみ、そしてその後の安堵が収められている。
「……珪さん。私のことも」
思わず頬が綻ぶ。宙を漂う書棚を掴まえページを開いてみれば、そこには綾花と積み重ねた思い出が詰まっていた。
空間は先が見えない程に広く、そして天地が無い。地面も天井にもぎっしりと書籍が詰まっている。それでいて壁はなく、青空と太陽が常に書庫を照らしていた。庫内には先のように宙へ浮かぶ書棚もあり、どうやらそれらはまだ未整理のものであるらしい。本の各所には色とりどりの付箋が張り付けられていて、その示すページのいずれにも綾花が映り込み多様な表情を見せた。
「な……なんだか恥ずかしいです。あれ?」
ふと足元が揺れた。書庫は定期的に形を組み替える。新しい記録はより表層へ、古い記録は奥の方へと仕舞われる。書庫は日々を営む。新陳代謝が珪という人間を維持し平常を保っている。記録があまりにもうず高く積まれれば移動も整理もままならず、新たな記録を増やすこともできなくなるだろう。流れ続ける清流が淀まぬように、滞らぬ営みこそが書庫の最も肝要なところなのだ。
「わ。わ」
書庫の流動は思いの外活発でありそこへ佇む綾花を翻弄した。空から風に乗り泳ぐようにやってくる本たちが一冊また一冊と書架へ身を収めてゆくたび棚は移動し、または新たな書棚がどこからかせり上がってきては収蔵してゆく。書架は平坦ではなくでこぼこと段差を成し、綾花はそこを登ったり下りたりと忙しく移動を余儀なくされた。
「あ、わ、わ、わわわ……」
バランスを崩し、手を振り回して滑落に耐えていたら、「うにゃん」と気の抜けた声と共に袖口を引っ張られ持ちこたえた。
「クロワ? ありがとう、助けてくれたのね」
いつの間にか黒猫が足元に佇んでいた。綾花を見上げて舌で口元を舐め、もう一つ甘えた声を発する。空間において恐らく彼の存在は、新しい記録となるだろう。珪へ秘密の飼い猫のことを紹介したのはついこの間のことだ。特異な経緯を経て共同生活を送るに至った少々特殊な猫であり、多くの他者には存在を伏せている。しかし他ならぬ珪にもはや秘密は無用だ。何だかんだと奇妙な現象やら奇怪な存在やらと相対してきた仲であるし、何より恋人だ。いずれ婚約者や配偶者ともなるかもしれないのだ。
「んにゃ?」
「わとととっ。お、おいでクロワ!」
書架の移動と形勢は更に活発となり、ピクセルアートの山のごとく積み上がってはその一部が崩れ、奥へと仕舞われてゆく。次々にやってくる本の群れに対応し切れていないようだ。
「いけない。このままじゃ、珪さんの記憶があふれちゃう!」
記録の整理に綾花も一役買うことにした。本たちには分類番号も図書番号も付けられてはいないが、綾花にとっては些末なことだ。図書委員として培った分類テクは伊達ではない。
「これはこっちの棚に。この本は向こうの棚に……クロワ、これはあそこの棚にお願いします!」
「にゃー」
飛来する本を次々にキャッチしては手際よく書架へ収めてゆく。こっちへ一冊。あちらには二冊。そことそこに一冊ずつ。向こうの棚には三冊だ。
そのうち気が付いた。
「これ……全部私の?」
新たに訪れる本はそのいずれもが、綾花に関する記録であった。日々増えてゆく本たち、近年におけるそれらの多くが綾花との交流によって生まれたものなのだ。そこに思い至り思わず、火が出るように赤面した。
「も、もう。珪さんったら。私のこと考えすぎです……」
「にゃー! にゃー!」
「何だか恥ずかしいけど、嬉しいかも。それだけ珪さんが私を想ってくれているっていう証ですし」
「にゃー! にゃー!」
「って、どうしたのクロワ? あっ」
恥じらいに悶えている間に収蔵が滞り、おびただしい奔流となった本が押し寄せ、綾花とクロワは抗う術もなく押し流されてしまった。
「きゃーーー」
まぁ、喜ぶべきことではあろう。それほどに彼の記憶は綾花一色に染まりゆくのだから。
「嬉しいけど助けてーーー!」
「にゃーーー」
書架はいつまでも営みを止めることはなく、動き続けることだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月04日
参加申し込みの期限
2025年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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