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心層深淵劇場 想念花
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心層は多重を成す。表情や目に見える振る舞いや仕草などは人間の心のごく浅い端緒な発露に過ぎない。それをして学者などという者らが感情に薄っぺらいレッテルを張るのだ。
覗いてみよう。真の心層深淵と呼ぶべき異観を。
まず目につくのは天地を貫く大樹だ。黄金色の幹に虹の葉を繁らせ、小鳥や小動物たちが戯れる。碧色の風が渦を巻いて吹き抜け不浄のものをこそぎ取ってゆく。風は巡り、樹は常に正常に保たれている。
「ああ。これが俺だ。俺はここに在る」
八神 修
はうなずき、一つ微笑む。
大樹は絨毯のように平坦な緑の野に揺らがず根を下ろしている。周囲に広がる林は実り豊かだ。赤や桃色の実をつけそれらを透明な毛並みを持つ鹿が食んでいる。猪も熊も鶏も狼も、ここでは正しく命が巡る。生命のあるべき姿こそ心の主の清廉潔白を示すものさしだ。
空気は清廉にして澄み渡る。野に広がる湖は底まで見通す透明度で色鮮やかな鱗を持つ魚たちが群れ泳いでいる。その一部を水鳥たちが狙い定め、水辺においても一定の循環が維持されている。
美しく荘厳にして弛まず持続されてゆく営みがここにはある。もし仮にここを訪れた旅人がいたとしたら息を呑み、長く滞在し身も心も浄化され次なる試練へ立ち向かうための活力とすることだろう。
とはいえまだ表層だ。深淵は遠く深くへと秘匿されている。目にするには自ら埋没させてゆく必要があろう。
「覗いてみるかい?」
片目を瞑る修に導かれ、下へ。
絡み合う根をくぐり抜け中層へ沈降すると、旅人は大樹を支える基盤の何たるかを知るだろう。
家々の連なりはおよそ無限大であり果てが無い。概ねは日本家屋の並びで構成され、間仕切りは広く開放的で閉塞感とは無縁だ。池には多様な柄の鯉が泳ぎ、庭には桜が咲き乱れ花弁が舞い散る。松の木を抱く枯山水もまた主の精神性を表しているのだろう。
「穏やかにありたいんだ。昂ることなく驕ることなく、いつでも己を心の内に置いておきたい。そうすればいざという瞬間、大切な人を守る知恵や勇気が湧くものだろう?」
修が手をかざすと、庭を出たところへ唐突に意匠の異なる建物が覗いた。規則正しいようで不条理によって裏打ちされているのもまた心の在り様だ。
「ああ……俺が小学生まで過ごした家だよ」
こじんまりとしたアパートの窓に据えられた申し訳程度の柵にもたれて幼さ残す少年がこちらを眺めているのが見えるだろう。修は目を細む。
「秀……」
家々は記憶だ。体験であり経験だ。思い出で、トラウマでもある。これらもまた主の貴重な足取りをたどるきっかけや手がかりとなるだろう。襖を開ければその度に数多の映像が弾ける燐光と共に再現される。毎夜勉学に励む様。苦手を克服せんと走り込みにでかける時。想い寄せる相手と恋人になった瞬間。
それに……母の死を知った時。
「ああ。そうだな。これもまた、俺なんだ……」
畳みも庭も巻き込んで走る亀裂が地を割り、漏れ出る黄昏れの如き輝きに呑まれて再び潜航してゆく。吸い込まれるのに身を任せる修を追い中層の底へと向かう。
「大丈夫だ。怯えなくていい」
恐るべき咆哮が天も地も、足元から頭頂まで震わせる。底に棲むのはおぞましい黒き獣だ。錆びついた巨大な鎖に四肢を囚われ封じられているが、その気があれば何時如何なる時でも引き千切り暴れ出すのかもしれない。
あれこそは修の母の命を奪った死の象徴。蝕む病の獣だ。
修は瞳にひとひらの険しき光を宿しつつ獣を見据える。
「いつかは討ってみせる。今はまだ……無理だが。俺の武器に注がれる力が十全となった暁には、その時には」
修の身の内より虹色の閃きと共に現れた一振りの刀こそは彼の武器。彼だけの力の結晶だ。刀は更なる下層より垣間見える光を浴びて輝くが、まだ足りないのだと彼は言う。
「見せよう。俺の力の源を」
獣を苦く一瞥し、更なる潜航を。
下層には書が収められている。夥しく数え切れないほどの書は知の象徴。獣を討つための力そのものだ。
無限大の図書館は既に果ても見えない程の書架で埋め尽くされているが、空き棚もちらほらと見受けられた。
「少しずつ埋めていくしかない。確かに遠大な道程だが、何、心配することもないさ」
かざした修の手の平に新たな書が生まれ、その一冊を棚へと収めた。刹那に光り輝き、光条は上階へと向かって伸びてゆく。注がれる力を束ね上げ一振りの刀へ研ぎ澄ます。鍛え上げれば獣の剛靭もきっと貫くだろう。いつの日にか。
「……諦めはしない」
唇をきつく引き締め、すぐに相好を崩すと修は奥を示した。苔むした白壁に階段が下りていた。
長い長い、冗長な程の階段を降り切ったところが最下層だ。人の手の入らない地下洞窟がぽっかりと口を開け、澄んだ泉を湛えている。泉は仄かに明滅しており美しい。
しかしその先は無い。行き止まりだ、旅人はおろか修本人にとっても。
「これより下は無意識の領域だ。潜れば人の形を保てなくなるだろう」
修とてこの場に用は無いだろう。しかし人の心は無意識から生まれる。見れば表層の大樹の根は泉の底から伸びていた。
「下層に産声を上げた命の巡りがやがて、上層にて花開くんだ。ここはその源さ」
修は天を仰いだ。
洞窟の天井を抜け獣の脇を抜け、大樹のたもとへ一気に移動する。見上げれば枝葉の重なりを透かして日の光が優しく降り落ちる。
「実のところ、ここがこんなにも暖かい世界へ変貌したのは近年のことでね。
あおい
のおかげかな……動物たちもいてくれるしね」
恋人の名を紡ぐと愛おしく目尻を緩め、そして討つべき敵を見据えるように瞳を細める。
彼の双眸は決意に満ちていた。そうありながら恋人を慈しむ柔らかさや優しさをも備えている。進むべき道程の険しさはとうに知っているしそれでも彼は進み続けるのだろう。心の内にきらめく刃を抱きながら、一歩ずつ。
大樹はやがて更なる成長を遂げ、目にも鮮やかな花と実をつけることだろう。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
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網です。
お久しぶりの心層深淵劇場でした。
自分の心はどんなだろうと考えることがあります。誰しもが良き心と悪しき心を持っていて、せめぎ合っているのが普通なのだと言います。しかし心の良し悪しとは何だろう。誰がそれを定めるのだろう。川の対岸に在る者同士の良しと悪しが同一の意味であるとは限らないのでは。心に怪物を飼っているのだとしても、その怪物は友好的かもしれない。周りの全てを食べ尽くしてしまう悪食かもしれない。そもそも怪物とはどう定義されるものか。身長が200メートルもあるのか、背中にウロコが生えているのか、口から怪光線を発するのか。お尻に尻尾が生えていなくて牙も角も無ければ怪物ではないと断じていいのか。能ある鷹はと言うじゃあないか。では自分の心とは一体全体どんな形をしているのだろう。気になって仕方がない。やあ考えていたら何だかお腹が空いてきたな。今日の晩飯何だろな。昨日はソバだったからカレーライスかしらん。
まぁその程度のもんじゃ無かろうかと思います。あなたはどうですか。
それではまた次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月04日
参加申し込みの期限
2025年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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