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心層深淵劇場 想念花
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夜道に時折虹色の瞬きが乱舞する。星空かと思えばそれはカメラのフラッシュで、夜道はランウェイのような一つながりの道であることに
梓 智依子
は気がついた。それは舞台だ。あれは街だ。窓からこちらを覗く観客が舞台へ降りてくることはなく逆もまた然り。
彼らの目を奪うには演じ続けねばならない。史上最大、最も大きな自分を見せ続けなければならない。一たび途切れたならたちまち彼らの興味は別の者へ移るだろう。智依子にとってこの道はたった一つきりだが、窓から見下ろす街には幾本もの道が走っているのだ。
道の先に円形のステージが現れるたび智依子は星光を浴びながら舞い踊る。そうしたいと本心から願ったからでもあるし、そうせねばと迫られたからでもある。確かに希望があった。道の先には光り輝く終着点、絶頂、頂点が智依子を待っていた。そのはずだった。
「ああ。コーチ……」
13歳で、夜だった。学生の身の及ばぬ領域に畏れ、舞い上がってもいた。ともあれ辿る道に分岐点があったことを智依子が知ったのは、随分と後になってからのことだ。
踊る。踊る。踊り続ける。それだけが観客たちと、そして彼の興味を繋ぎ止める唯一つの手段だった。目いっぱいに腕を振り限界まで足を蹴り上げ、腰をくねらせる。踊る、踊り続ける。舞台は前へ前へと続いており、留まることはできない。それが業界のルールなのだと彼より学んだ。
まばゆく煌めく街を見上げながらに道を突き進んだ。思えばそれしか智依子にはできなかったし、振り返ってみてもあの夜は彼がそのように導いたのに過ぎない。13の少女を手玉に取ることなど世渡りに長けた大人の男には造作もなかったことだろう。それでも智依子の胸に重く深く熱く刻み込まれた後悔と自責は癒えぬ傷口へ食い込む楔となった。万感の思いが成就し全てが陽の道へと転がり出す、そうと信じて疑わなかったのに。
踏み出す足が止まった。窓はカーテンに遮られ、光は遠ざかる。
道を逸れて智依子は彷徨う。街にもはや光は灯らない。舞台も無い。誰も智依子を称賛しない。こんなにも道の外れに暗闇が満ちているとは知らなかった。
足はもう動かない。踊れなくなったダンサーを誰が見るだろうか。
「それでも……あそこに戻れば」
舞台は目に映る先、闇の向こうのそのまた向こうに輝いている。誰かが踊っているのだろう。あそこへ戻れば再び智依子の足も動き出し、踊ることができるかもしれない。光浴びて輝けば、あるいは去ってしまった彼が自分の元へ戻ってきてくれるのかもしれない。あの夜に捨て去った恋も愛も取り戻せるかもしれない。
光を。もっと光を。
「私は……」
しかし、声がした。声が聞こえたのだ。遠くで、近くで。
「……ま……」
智依子は光を求め再びあの道へ戻らんと暗闇の中歩を進める。暗中模索の末に返りつけば舞台へ上がり、あの道を歩き出せる。また踊れるはずだ。もっと輝けるはずだ。人々の視線をこの身へ一心に集め、永劫輝きながら踊り続けるのだ。ダンスは好きだ、愛している。何にも代えがたい。自分の全てだと信じる、手放すことはできない、こんな暗闇にいるべきが梓智依子ではない、あの舞台こそが己の居場所であるはずだ、あそこには求める全てがある、ダンスの昂揚、衆目の称賛、満ちる自尊心、蕩けるような甘い恋、自分だけに向けられた愛、どれもこれも手放しはしない、もう一度手中に、この手の中に、舞い戻るのだ。虹色の道をどこまでも。
「……まま……? どこにいるの? ママ……!」
直後に全てを理解した。理解し、闇へと駆け出した。
確信する。闇は闇だ。突き進めば沈み求める全て失い、再び浮かび上がることは叶わないだろう。それでも駆けた。振り返りもせずに全力で。未練はあるが比べるべくもない。街も舞台もおよそ以前のようにまばゆく目を逸らしがたいものと思えなくなっていた。
あの小さな声こそが、智依子の求めるものだ。
「ママ。ママ?」
「えへへ。ママー♪」
「ねぇママ、笑って?」
後ろ髪を引かれながらも走る。後悔はしたくない。例えこの先に何が待ち受けていようとも。
それに、闇の向こうにも光はある。
「……あっ! ママー!」
「楓っ……!」
抱き締める。全てを。それだけでいとも容易く闇は迸る閃光に切り裂かれていき、あとには温もりだけが残された。
舞台も辿るべき道も遠く落日の果てへ去ったが、故にこそ抱いた光のまばゆい輝きこそが愛おしく智依子の内へと染み入った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月04日
参加申し込みの期限
2025年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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