this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夏盛り、一篇の恋を携えて。扉がひらく、ふたりの頁へ。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
津軽の桃を活かした涼菓で食事を締めくくる頃。外からはお囃子の音が断片的に聞こえ、往来にも鮮やかなタスキや花笠を着けた跳人が、近くのねぶた制作小屋のある広場へと流れていく。
どうやらその小屋では出番を待っている山車が見られるらしいが、夜とは違って照明がない分、和紙の色や筆致など造形の色が際立つ隠された魅力がある――と話す智子は、これからそこへ向かう予定らしい。
このまま祭りが本格的に始まっては、山車の見学は元より身動きも取れなくなる。名残惜しいところだが、今日の顔合わせは夕暮れとなる前にお開きとなり、店を出た4人は陸奥湾の前で記念写真をパチリ。
「それじゃあ珪、綾辻さんと逸れないようにねぇ。綾辻さんには珪の手綱、お願いしたからね!」
「は、はいっ、頑張ります!」
まるで円満のコツはかかあ天下だとでも言いたげな智子の横で、雅貴は肩をすくめている。けれど、それが早川家では上手くいっているのだから、珪も苦笑するしかない。
「わかったよ、僕は大人しく付いていくから。母さんも、あんまり父さんを振り回さないようにね」
仲よさげな2人の笑顔に綾花も見習いたくなり、ちょっと気合いを入れてみる。程よく緊張が解れていたのもあって、今回の挨拶の出来はもちろん、珪との未来にも自信が持ててきた。
「本当にこの度は、お時間をいただきありがとうございました」
深く心を込めて礼をすると、笑顔が返る。それが何より綾花に確信を与え、緊張を安堵に変えるのだった。
宿泊先のロビーでも見事なねぶたが出迎えてくれた。けれど、胸がいっぱいの綾花には楽しむ余裕もない。
珪の両親へ挨拶できたことが嬉しく、大きな失敗もなかったことに安心し、けれど上手くいきすぎな気がして夢見心地な部分もあり……喜んでいいのかホッとしていいのかわからず、気持ちはずっとふわふわしたままだ。
「疲れたでしょう、何か飲む?」
いつの間にか部屋のソファに座らされ、ぼんやりと大きなテレビを眺めていたらしい。珪の声にハッとして、彼だって朝からの移動で疲れているのにと立ち上がろうとし――綾花はようやく自分が鞄を抱きかかえていることに気付いた。
「……おまかせします」
気の抜けた今は無理せず、少し甘えよう。ひとまずベッドサイドに荷物を置いて、ゆっくり部屋を見渡してみる。壁にはりんごやアカショウビンをモチーフにしたランタンが飾られ、ソファにはこぎん刺しで仕立てられたクッション。床の深い藍色は天然藍染めの技法を受け継ぐ青森らしい美しさで、普段なら心を落ち着かせてくれただろう。そう、ひとつひとつの品々が良いからこそ、ここがただのビジネスホテルではないと告げていた。
「お待たせ。りんごジュースで良かった?」
トレイにはグラスの他に杏や桃のジャムを使った最中に、乾燥させたりんごを飾ったクッキー、雪のようなカルカン風蒸し饅頭など、少しずつだけど贅沢に青森の味が並んでいる。もちろんこれも、道中に買った土産ではなく部屋のサービス。珪がいい部屋を取ったと言っていたけれど、それにしたって贅沢すぎやしないだろうか。
今回は珪の両親と会うことで、緊張するのを見越してくつろげる場所を、という気持ちとか。
折角の青森旅行、一泊では周りきれない部分も魅力を堪能したい、という考えとか。
……恋人との旅行なのだから、気合いを入れてくれた……のかも、しれない。
「ありがとうございます。お祭りまで、ゆっくり休めそうですね」
先ほどまでと別の緊張が襲う綾花を気遣うように、珪は気持ちいつもより距離をとってソファに腰掛けた。しかし、時間を確認しようと手に取ったスマートフォンは真っ暗なままなところから、彼の動揺が見て取れる。
――夜は、その……可愛い下着、用意してます、から。
恋人からこんな爆弾発言をもらって、冷静でいられるほど出来た男ではない。珪は綾花に向ける表情には気を遣いながらも、心の内では悶々と今夜のことを考えては、ひたすら冷静に自分の願望を切り捨てていく。
あれは何を意味するのだろうとすっとぼける気はないが、本当にそういう意味だろうか。もしかしたら、下着にしか見えないナイトウェアかもしれないし、綾花はただ純粋に買った報告をしてくれただけかもしれない。
(見せてくれる、とは言ってないわけだし)
幸か不幸か、宿を取ったのはこの爆弾発言の前だ。少しばかりシングルで別部屋にするか、内扉でつながったコネクティングにするかも迷ったが、理性を総動員してダブルは行き過ぎだと却下し、シングルでは狭くて休まらないだろうと正当な言い訳を掲げてツインをとった。
つまり、同じ部屋だがベッドは別だ。横歩きしか出来なさそうな隙間でも離れているし、ゆったり眠れるセミダブルだとしても、ちゃんと2台ある。
冷静さを失いたくない。さりとて恥をかかせたくないと問答する珪のスマホが鳴った。雅貴からのメッセージのようだが、何か言い忘れたことでもあったのだろうか。見れば、先ほど話題に出たひまわり畑と博物館の正式名称、そして青森駅からの所要時間まで丁寧に記してある。博物館の遠さに「残念だったな」と添え、続く言葉に珪もこっちが本題だとわかった。
――珪。手綱はな、『持たせて上機嫌にさせる』のが丁度いいんだ。
別れ際のやりとりを思い出して小さく笑うと、スマホを閉じる。どうしたらいいかとばかり考えて、綾花の気持ちに寄り添うのが不十分だったかもしれない。
「ねぶたの運行ルート、見ておく?」
「はい!」
お互いの手綱を奪い合うのでも、譲り合うのでもなくて、誘導する側が必要なら――それはきっと綾花だ。
ここまで引っ張り上げてくれた彼女が幸せに揺られるように、転がり落ちないように守るのが、珪の役目。
(だから僕は……まず、待ってあげたい)
どこに行こうか、これでいいか。考え迷い意見を求める綾花を支える、それがきっとコツなのだと。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夏盛り、一篇の恋を携えて。扉がひらく、ふたりの頁へ。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月07日
参加申し込みの期限
2025年08月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!