this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ポップ・ライフ
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
寝子島の空が淡く染まりはじめた。
風に揺れるカーテン越しに、部屋の中がほのかにのぞく。
窓辺の棚には、丸っこいぬいぐるみやアニメキャラのフィギュアがずらりと並び、その隙間には、台座に飾られた一振りの剣──『Tales of Sky』に登場するショートブレードのレプリカが誇らしげに鎮座している。
壁にはやはりTOSの登場人物、ガーナックΙ(イオタ)のポスターが貼られていた。いくらか日焼けはしているものの、四隅までピンと張って、大切に貼られていることがわかる。その下の机には写真立てがあった。写真は、ホビーショップ『クラン=G』で撮影したものだ。三佐倉千絵を中心に、真白や他の常連たちが笑顔でこちらを見つめている。
写真立ての隣にはノートパソコンが開かれており、画面の前で
白 真白
はひとり格闘していた。
「えーと、設定はこれでいいよね……これでカメラはオンになった、はず……マイクも、オン……大丈夫かって? うん、なんか緑のランプ光ってるから大丈夫だと思うよ……」
かたわらに置いたスマホを、スピーカーモードにして話している。
準備は完了だ。
あとは画面右下の『通話開始』アイコンをクリックするだけなのに、なぜかその『だけ』が緊張を誘った。
「よし……いくよ」
時間はちょうど、約束していた十八時ぴったりだった。
真白は祈るような気持ちでボタンをクリックした。
接続中……。
と表示される。しかし間もなく、
「あっ!」
画面にふたつ、ぽんぽんっとウィンドウが浮かんだ。
一方には、落ち着いた服装の
三佐倉 千絵
の姿、いま一方には、ピースサインをした
芋煮 紅美
がドアップで映っている。紅美は寝子中の制服姿だ。
「やっほー、千絵ちゃん! 紅美も一昨日ぶりー!」
真白の声にふたりがほぼ同時に反応する。
「真白さん、お久しぶりです! ちゃんと映ってます! 私のことも見えてますか?」
「ばっちりだよ~」
「うぇーい、さっすが真白! あたし一生つながんないかと思ってたー、マジ感謝~! 頼りになるゥ~」
さっきまで「これどうすんの? あたしわかんねーから!」と真白に丸投げしていた紅美だが、こういうときだけは褒めるのがうまい。
真白は画面越しに手を振りつつ、いささか照れ笑いしてしまう。
久しぶりに見る千絵が、カメラ越しにほほえんでいた。眼鏡の奥の目が、ノスタルジックな気配を帯びている。SNSやNYAINではずっとやり取りしていたけれど、こうして顔を合わせるのは、彼女がドイツに行って以来初めてだった。時間が合わなかったことも多い。それにちょっとした用事ならメッセージですんでしまうし、多少長い内容であってもメールがある。
だけどやっぱり、真白は思った。
顔を見て話せるって、全然ちがう。
「てかさー、千絵も言ってたけど、あたしら三人、こうして顔合わせんの超久々じゃね?」
なんか懐かしみがあるっていうかー、と言う紅美も、真白と同じ心境のようだ。
「そうかも……うん、たしかに。なんか、照れくさいよね。改まって対面すると」
ですよね、と紅美も眼鏡の位置を直してつづけた。
「真白さん、紅美さん、元気そうで何よりです。おふたりとも学校、どうですか?」
「フツー」先に答えたのは紅美だ。「中学ってつまんね。給食もまずいし、クラスの連中とは話しあわねーし、早く高校行きてー」
不満タラタラのようだが、紅美が一時期不登校だったことを思えば、まがりなりにも毎日学校に行っているだけで進歩といえるのではないか。
「だからたまにサボる。てか、今日はサボってた、へへへ」
……訂正。『ほぼ』毎日学校に行っているだけで進歩ではないか。
「真白さんはどうですか?」
「うーんとねー、私はちょっとずつ慣れてきたかな。講義もちゃんと出てるし、でもなんか……受験から解放されたせいか色々とほしいものが増えてきちゃって、バイトも始めたんだよね」
「バイトですか?」千絵は興味津々らしい。身を乗り出すようにカメラに迫ってくる。「どこどこ? ひょっとして『クラン=G』ですか?」
「ううん、別のとこ。シーサイドアウトレットの飲食店だね。遊びに行くところとバイト先同じにするのって、気が緩むっていうか気が散っちゃうっていうか、なんだかちぇっとねぇ、って思って」
「ま、今度冷やかしに行っちゃるから、真白の店」
歯を見せてカカカと紅美が笑った。
「私も見たいです!」
キラッと千絵の眼鏡が光る。
「うわ、ちょっと恥ずかしいかも!」
「けどなー」と言う紅美はぼやき口調だ。「だから最近『クラン=G』行っても、真白いねーこと多いんだ。殞脈(エンミラ)の情報──あ、これTOSの話な──とか交換してーのにさ」
「でもおととい会ったじゃん。『クラン=G』で」
「まーな」
いたずらっぽい目で真白は千絵に語りかけた。「そうそうその時紅ちゃんってば……」
「ストップ! その先はシークレットだぜ」
「え、言っちゃだめ? はーい残念」
「そんなこと言われたら余計気になりますよー。ヒントだけでもっ」
「ヒント……『Tシャツの裏表』、かな?」
「真白おめーそれ言ってるのと同じだっつーの!」
笑う千絵、怒る紅美(でも目は笑っている)、「えーただのヒントだよぉー」とトボける真白、一万三千キロの距離がまるで嘘みたいだ。
「で、千絵の方はどーよ? ドイツ生活。あれか? 主食はバームクーヘンか?」
まさかと千絵は笑った。
「主食はパンですね。ブロッツェンっていう小さなパンがおいしいんです。でもじゃがいもも主食かというレベルでしょっちゅう出ます。フライドポテトなんてほんとに頻繁! ドイツではフライドポテトのこと、ポメスって言うんですよ」
「あたしフライドポテト大好きだから毎日でもオーケーだ。なんかかわいーな、ポメスって」
「パンとじゃがいも……そこはわりと、イメージ通りなんだねえ」
「かもしれません。あ、お米もちゃんと売ってます。アジアンスーパーで日本米買うと高いんで、たまの贅沢用にして、スシライスっていうお寿司用のお米とか買ってますね。わりといけますよ。日本米に比べるとちょっとパサっとしてる気がしますけど」
「日本のお米が懐かしいでしょー、って言いたいところだけど」真白は肩をすくめた。「実は日本もいま、かなり深刻な米不足なんだよ。どーなってるのってくらい売ってない」
「だよな。マジ売ってねーから、うちなんかしばらくカリフォルニア米だぞオイ。ちょいツブが長いんで最初は違和感あったけど、そこそこうまいし、まあ慣れてきた」
「そうなんですか!?」千絵は驚きを隠さない。「都内だけかと思ってました」
そこからしばらく、日独の食糧事情に花を咲かせて次に、
「ドイツの学校生活はどう?」
と真白は千絵にたずねた。
「最初は本当に大変でしたけど、なんとかこなせてる感じです。ドイツ語、まだまだですけどね。中東や東欧、アフリカ出身の子たちと、毎日特別クラスで学んでます。中国の子もいますね」
「すげーな! 異国で学業とか尊敬しかないって~」
「そんなことないです。実は、みんな語学レベルは同じようなものだから、あんまり話さなくていいから気は楽だなって思ってたりしますし」
そうかー、と真白は理解できた気がする。自分たちのように親しい例外的存在が相手の場合をのぞいて、千絵は内気で寡黙で、日本的で嫌な言葉をあえて使えば『コミュ障』なのだった。異邦人として浮くことのない現在の環境は、むしろ居心地がいいのかもしれない。
話題は尽きない。やがて、しゃべり疲れるほど話してしまった。真白が言う。
「なんかさ、こうして三人で話せるの、めっちゃいいね」
「はい……やっぱり、直接声聞くとちがいますね。元気が出ます」
「また近いうち話そう。今度は夜更かし覚悟でゲーム大会しよーぜ! オンラインでもほら、ボドゲ遊べる無料サイトあるじゃん」
そう言って紅美が指でハートをつくると、千絵も真白も笑って応じた。
みっつのハート、みっつの、存在。
画面の中の三人が、時差も距離も越えて、心を通わせている。
これが友情なんだな、と真白は思った。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ポップ・ライフ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月15日
参加申し込みの期限
2025年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!