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- 00月00日生 00歳
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（恋≒友情＋笑顔×喧嘩）×感謝＋記憶＝記念写真 ∴よろしく！
デジタルになって、写真は家庭でも手軽にプリントできるようになった。
それでも八神 修は店を訪れ、店員と色味を打ち合わせながら依頼することがある。
写真のためだけに高性能のモニターやプリンターを買いそろえることはできても、やはり家ではプロの視点を聞きながら最後の仕上げまでは出来ない。
例えば、先日の沖縄旅行の思い出を形にしたいとなると、どうしても素人には限界があるのだ。
海の青、空の青。そして七夜 あおいの瞳の青。印刷表現で１番難しいとされる青は、いくら画面上でこだわっても思い通りに行くことが少ない。
だから修は、こうしてプロの感覚も頼りながら、細微なニュアンスを詰めていく。
（納得のいく仕上がりだったら、何枚か送ってみようか）
すでにデータは渡してあるけど、現物はまた違って見えるだろう。かさばらないタイプのアルバムに入れるのもいいし、これから増えることを見越して棚に並べられそうなタイプもいいだろうか。
できあがるのを待つ間、少し店内の雑貨コーナーでもと振り返ったとき、ある案内が目にとまった。
（……恋人の日？）
あまり聞き慣れない日だが、体育祭と並ぶほどの扱いで大きく取り上げられているところを見ると、力を入れているイベントなのだろう。どうやらこの店やグループ各店だけでなく、ショッピングモールなどでも地域の写真店が協力を行っているらしい。
つまり――このイベントは、全国でやっている。そう思った修は、迷わずあおいに通話をかけた。
一方その頃。
バイト帰りのあおいは雑貨店にでも寄ろうと繁華街へ足を向けていた。
高校時代は積極的にアルバイトをしていなかったけれど、いつまでも両親に甘えてばかりもいられない。
（それに、バイト代だったら気兼ねなく使いやすいしね）
先月は旅行に行ったし、来月末からは夏休み。そう考えると、祝日のない今月はバイト月間に当てないと、自由な買い物もできないかもしれないが――と、思いかけたところでスマートフォンが鳴った。
『あおい、急にごめん。時間があったらさ、探してほしいものがあって』
掻い摘まんで説明を受けたあおいは、その手のイベントをやっていそうなモールへ向かいながらも、道中にカメラ屋やスタジオがないか探し歩く。
こんなイベントがあったんだと話していれば、目的地にはすぐ着いた。
「あったよ、恋人の日のフォトフレーム作りができるとこ！」
どうやら観光名所を巡ると、限定パーツが手に入るらしい。けれど２人は相談して、同じランクの素材でフォトフレームを作ることに決めた。
通話をビデオモードに切り替えて、２人は作業スペースへ。
まず土台となる木枠はシンプルなものを。削ったりニスを塗ったりすればまた印象も変わるだろうけど、枠に飾る素材を引き立たせるのならこれが無難だろう。
それから修が財布にアクアマリンの小片が入っていたと言えば、あおいは財布を改めて……小さな金色の亀を見つけたけれど、年季が入ってくすみかけているため、用意されていたシーグラスから選ぶことにした。
「どんな写真も飾れるようにするか、飾りたい写真に合わせるかも重要だよね」
『縦置きか、横置きか……そういや今、沖縄旅行の写真を現像していてさ』
こだわったから楽しみにしていてと笑う修に、データを渡すだけじゃないのとびっくりして。あおいはイメージのために並べていた素材を取り落とし、フレームアウトする一幕もあった。
「……ね、修君はこのあとどうするの？」
『そうだな、イワシを買って帰ることにしたんだ。少し、あやかってみようかなって』
気にしたのは恋人の日だけでないのだろう。修が途中経過と見せてくれる机の上には、フォトフレーム作りに借りた道具やキラリと輝くアクアマリン。そうして前髪が邪魔だからと古めのハートクリップで留めていたし、新しい写真も準備中。
まるで、幸せのジンクスを集めているようだから、あおいは悪戯な笑みを浮かべた。
「なーんだ、来てくれるのかと思っちゃった」
今日が恋人の日だというのなら、それはもう期待して――なんて、冗談を言ってはいけない相手だと気付いたときには、もう遅い。
『２時間で行く』 
猛スピードで机を片付けつつ、タブレットで飛行機の空きを確認する修は本気なのだろう。
「ちょっと待って！ ２時間はさすがに無理だよ、東京から福岡だよ!?」
『空港に向かいながらチケット取るから大丈夫』
大丈夫、ではない。
そりゃあ会いに来てくれるとなると嬉しいが、振り回すのは本意ではないし、突然彼氏がやって来て万全の体制かというと、心の準備も含めて時間が足りない。
「そっ……そういうのは来月期待してるからっ！」
あまり甘やかさないでくれと頼めば、修は大人しく聞き入れてくれたようだ。……しかし、大真面目な顔でひとつ確認をする。
『じゃあ、サプライズじゃなければ今月も会える、ってことだよね？』
来月があおいの誕生日であることには触れないで、さも来月はサプライズ訪問の了承を得たというような笑みを浮かべた。
これにはあおいも降参して、次のデートの約束をする。それが本当に『次の』デートなのかは、２人の気分次第なのかもしれない。
それでも八神 修は店を訪れ、店員と色味を打ち合わせながら依頼することがある。
写真のためだけに高性能のモニターやプリンターを買いそろえることはできても、やはり家ではプロの視点を聞きながら最後の仕上げまでは出来ない。
例えば、先日の沖縄旅行の思い出を形にしたいとなると、どうしても素人には限界があるのだ。
海の青、空の青。そして七夜 あおいの瞳の青。印刷表現で１番難しいとされる青は、いくら画面上でこだわっても思い通りに行くことが少ない。
だから修は、こうしてプロの感覚も頼りながら、細微なニュアンスを詰めていく。
（納得のいく仕上がりだったら、何枚か送ってみようか）
すでにデータは渡してあるけど、現物はまた違って見えるだろう。かさばらないタイプのアルバムに入れるのもいいし、これから増えることを見越して棚に並べられそうなタイプもいいだろうか。
できあがるのを待つ間、少し店内の雑貨コーナーでもと振り返ったとき、ある案内が目にとまった。
（……恋人の日？）
あまり聞き慣れない日だが、体育祭と並ぶほどの扱いで大きく取り上げられているところを見ると、力を入れているイベントなのだろう。どうやらこの店やグループ各店だけでなく、ショッピングモールなどでも地域の写真店が協力を行っているらしい。
つまり――このイベントは、全国でやっている。そう思った修は、迷わずあおいに通話をかけた。
一方その頃。
バイト帰りのあおいは雑貨店にでも寄ろうと繁華街へ足を向けていた。
高校時代は積極的にアルバイトをしていなかったけれど、いつまでも両親に甘えてばかりもいられない。
（それに、バイト代だったら気兼ねなく使いやすいしね）
先月は旅行に行ったし、来月末からは夏休み。そう考えると、祝日のない今月はバイト月間に当てないと、自由な買い物もできないかもしれないが――と、思いかけたところでスマートフォンが鳴った。
『あおい、急にごめん。時間があったらさ、探してほしいものがあって』
掻い摘まんで説明を受けたあおいは、その手のイベントをやっていそうなモールへ向かいながらも、道中にカメラ屋やスタジオがないか探し歩く。
こんなイベントがあったんだと話していれば、目的地にはすぐ着いた。
「あったよ、恋人の日のフォトフレーム作りができるとこ！」
どうやら観光名所を巡ると、限定パーツが手に入るらしい。けれど２人は相談して、同じランクの素材でフォトフレームを作ることに決めた。
通話をビデオモードに切り替えて、２人は作業スペースへ。
まず土台となる木枠はシンプルなものを。削ったりニスを塗ったりすればまた印象も変わるだろうけど、枠に飾る素材を引き立たせるのならこれが無難だろう。
それから修が財布にアクアマリンの小片が入っていたと言えば、あおいは財布を改めて……小さな金色の亀を見つけたけれど、年季が入ってくすみかけているため、用意されていたシーグラスから選ぶことにした。
「どんな写真も飾れるようにするか、飾りたい写真に合わせるかも重要だよね」
『縦置きか、横置きか……そういや今、沖縄旅行の写真を現像していてさ』
こだわったから楽しみにしていてと笑う修に、データを渡すだけじゃないのとびっくりして。あおいはイメージのために並べていた素材を取り落とし、フレームアウトする一幕もあった。
「……ね、修君はこのあとどうするの？」
『そうだな、イワシを買って帰ることにしたんだ。少し、あやかってみようかなって』
気にしたのは恋人の日だけでないのだろう。修が途中経過と見せてくれる机の上には、フォトフレーム作りに借りた道具やキラリと輝くアクアマリン。そうして前髪が邪魔だからと古めのハートクリップで留めていたし、新しい写真も準備中。
まるで、幸せのジンクスを集めているようだから、あおいは悪戯な笑みを浮かべた。
「なーんだ、来てくれるのかと思っちゃった」
今日が恋人の日だというのなら、それはもう期待して――なんて、冗談を言ってはいけない相手だと気付いたときには、もう遅い。
猛スピードで机を片付けつつ、タブレットで飛行機の空きを確認する修は本気なのだろう。
「ちょっと待って！ ２時間はさすがに無理だよ、東京から福岡だよ!?」
『空港に向かいながらチケット取るから大丈夫』
大丈夫、ではない。
そりゃあ会いに来てくれるとなると嬉しいが、振り回すのは本意ではないし、突然彼氏がやって来て万全の体制かというと、心の準備も含めて時間が足りない。
「そっ……そういうのは来月期待してるからっ！」
あまり甘やかさないでくれと頼めば、修は大人しく聞き入れてくれたようだ。……しかし、大真面目な顔でひとつ確認をする。
『じゃあ、サプライズじゃなければ今月も会える、ってことだよね？』
来月があおいの誕生日であることには触れないで、さも来月はサプライズ訪問の了承を得たというような笑みを浮かべた。
これにはあおいも降参して、次のデートの約束をする。それが本当に『次の』デートなのかは、２人の気分次第なのかもしれない。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2025年06月17日
- 参加申し込みの期限
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- 2025年06月24日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2025年06月24日 11時00分
