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きみと春のはじまりを
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瑞々しい青い香りを胸いっぱいに吸い込んで、
城山 水樹
は開放感に伸びをひとつ。
広大な山は、決して仕事のロケで来たわけではない。
もちろん、もう大学も卒業したから、レポートのために来たでもない。
くるりと振り返り、野花にカメラを向ける
ヒュー・ヒューバート
を見て幸せそうに微笑むと、水樹はスキップをしたくなるような気持ちを抑えてクリアドームまでの道のりをゆっくり歩く。
(まさかヒューと、こんなに素敵な場所に来れるなんてね)
春の霞がかった空気は空も海も優しく見せるし、柔らかな陽光は木々も愛しの彼をも輝かせ、野花を踊らせる風は2人の楽園へ誘ってくれそう――なんて思ってしまうくらいには、久しぶりの九夜山を楽しんでいた。
といっても、今年に入ってからも来ているし、そもそも水樹は寝子島育ち。決してここから見える風景だって特別ではないはずだけれど、今は状況が違う。
「水樹?」
彼は、プロポーズをしてくれた。
初々しい触れ合いにも慣れない交際期間を経て、自分の過ちから距離が空いて……逃げて、空回って、それでも隣にいてくれただけでなく、優しく包んでくれたヒューは、未来も共にと願ってくれた。
「今なら私、どこまでも歩けそうな気がする」
「それだけ元気なことは、いいことだけど……僕らのドームはあっちみたいだよ」
クスクスと笑って手を引かれる。
たったそれだけのことなのに、身体を重ねるよりも恥ずかしい気がするのは、木の葉が擦れる音に冷やかされている気がするから、だろうか。
「……元気なら、荷ほどきしろって思った?」
「まさか。水樹が忙しいのは知っているし……今日は気分転換に誘ったんだから」
照れくささから零した可愛げのない言葉にも、彼は微笑んでくれる。でも、これからもこんな穏やかな時間を過ごせるんだという幸せと、そのために乗り越えなければならない問題への不安のせめぎ合いは、水樹の中で続いていた。
「こんなに忙しくて、私たち大丈夫かな……」
上手く言葉にできないけれど、不安は部屋に積み上げられた段ボールと同じように感じる。
きっと、ひとつひとつ向き合っていけば、なんてことない小さな不安。けれど、荷ほどきをする時間もとれない今は、その積み上がった大きな存在に振り回されてしまう。
おそらく、環境が目まぐるしく変わって弱気になっている部分もあるだろう。今までだって、大学とモデル業の二足のわらじだったし、お互いに忙しくしているという意味では、大きくは変わっていないはず。
(プロポーズしてくれたんだから、婚約者として……ゆくゆくはもっとしっかりしなきゃいけないのに)
妻として彼を支え、寄り添い合う。
そのために必要なことが足りてないのではないかと、水樹は小さく息を吐いた。
「ねぇ、水樹。例えばさ」
パッと手を離されて、水樹は何事かとヒューを見る。それでも彼は何をするわけでもなく、ただ微笑んで手をぷらぷらとさせたままつかず離れずの所を歩くから、水樹はむくれながらも手を取った。
「ちょっと、一体なんなのよ」
「ほら、ね? 僕が『忙しい』なんて言って君の手を離しても、水樹は僕の手を掴み直してくれる」
指を絡め、手の甲をさするように指先で撫でつけて。それでも腑に落ちないというような顔をしている水樹の頬に唇を寄せて、ヒューは幸せそうに笑った。
「それと同じように、水樹が『忙しい』って言っても、僕が捕まえに行く。こうして君と向き合う時間を、ずっと作っていくから……大丈夫だよ」
ようやく水樹の中で、言葉にできなかった不安が鮮明に見える。正体がわかればなんてことないもので、彼の言葉に頷くように手を握り返した。
「変だよね。ずっと一緒にいたかったのに、実際に一緒に住んだら、すれ違ってるみたいで少し寂しいなんて」
実家で暮らしているときには『仕方ない』と思えたのに、今では一緒にいるからこそ『どうして』なんて思ってしまう。顔を見られる時間は確かに増えたけど、贅沢になってしまったのだろうか。
「変じゃないよ。僕だって、水樹の頭の中が仕事や新生活でいっぱいになってるの、少し悔しいと思ってさ」
だからリフレッシュが必要だとは言った。でもそれは、息抜きしてほしいだけじゃなくて、もっと互いのことだけを考える時間が欲しいからだとも、ヒューは照れくさそうに告げる。
「仕事が忙しいのは、お互い様じゃない」
「それでも僕は、水樹のことを考えてるよ?」
「なによ、私がヒューのことを考えてないみたいな言い方して」
笑い合えば見えてくるドームは、草原という大きな葉に座っている朝露のように見えた。
落ちないように、壊さないように、そっと半球をたたえる姿は2人の恋模様を映して輝いている。
「綺麗……」
手を繋ぐのにも少し戸惑っていた日にも、いつか崩れてしまうと怯えた日にも見えるけど……見る角度によっては虹色に輝く雫は、これから先が穏やかであることも告げているのかもしれない。
「ここで家族写真撮るのも、悪くないかもね」
気の早いことを言う彼に勝てるような言葉は、今は思いつかないけれど、腕に寄り添って幸せを噛みしめる。
(この人の隣で、ずっと息をしていたい)
それを伝えるのは――もう少し、あとでいいかと水樹は笑みを零した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月22日
参加申し込みの期限
2025年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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