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きみと春のはじまりを
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クリアドームを見つけると、琉歌は柄にもなく緊張していた。
どこでだってマイペース、ところにより猪突猛進――そんな自分では考えられない鼓動のせいで、気を抜けば声が震えそうになる。
「写真で見てたけど……やっぱり本物はもっと綺麗ですね!」
それでも笑うしかない。
この日のために気持ちを整えてきた。悩み、躊躇い、何度も自問自答して出した答え。
(どうしても、諦めきれない)
ただの先輩後輩として終わらせられるなら、きっと衝動的にキスなどしなかっただろう。そこまで募らせた気持ちを、誤魔化すことなんてできない。
確かに莉鳥の卒業までに告白をする勇気を固められなかったが、彼女の進学先は寝子島内。だったらこれからも、縁を途切れさせることなく交流を続ければ、莉鳥が振り向いてくれる可能性もゼロではないはず。
(……それを、悠長に待てれば良かったんだけど)
言葉少なにドームを見やる莉鳥が、高飛び前の凜とした表情をしている。あまりの美しさに見とれてしまいそうになるが――おそらく、風景に感動してのものではないだろう。
誘ったときも電話口で躊躇いが見られたし、何より莉鳥の気持ちを考えることなくキスをした。……あのキスの日から1ヶ月ほどしか経っていないのだ、彼女が気持ちを整理するには時間が足りないだろうし、こちらが何かしらことを起こすのではないかと警戒されていてもおかしくはない。
(でも、先輩は来てくれた)
今回の誘いは突然だったという自覚はある。このままでは会うこともままならないと思うほど、距離をおかれていることも、薄々気づいていた。
「先輩! とりあえず荷物は置くとして……少し休憩します? それともすぐに散策に出ます?」
ドームは外から中の様子が見えるけれど、他の利用者がこの近くを通ることは少なく、プライバシーは保たれている。言わば、2人きりの密室とも表現できるこの場所で、莉鳥は本当にドームに入ろうとするだろうか。
「頼んでいたランチボックス、中に置いてくれてるらしいです。どこで食べるかまだ迷ってて」
――怖い。
後輩の顔をしなくなったとき、あのキスが悪戯な想いではなかったと知れたとき……莉鳥がどんな答えを口にするのか、その答えに自分がどんな反応をするのか、何も想像出来ない。
どちらかというと深く考えることは少ないし、年上や目上などに物怖じもしないけれど、彼女に対しては一瞬だけ身が竦むような気持ちになる。
「……日差しも暖かいし、外にしない? なんだか温室みたいに見えるから」
だから、莉鳥の何気ない一言にも動揺してしまう。
他意はないと、拒絶ではないと思っても、今の自分は何を信じていいのかわからないから。
「あははっ、確かに! それじゃ、私ランチボックス取ってきますね!」
駆けだした瞬間、琉歌はぐっと奥歯を食いしばった。……そうするしか、できなかった。
あっけらかんと笑って、何でもないように振る舞って、いつも通りに過ごせばいい。でも――今日は、それで終わらせないと、決めてきたのに。
(こんなの、全然らしくない)
ドームの前まで走りきって、中を覗く。シンプルでこぢんまりした調度品は、透明なドームと相まって可愛らしく見えるのに、どこか温かみがない。
木の床を筆頭としてウッド調の物が多く、周囲も自然に囲まれているのにどうしてだろう。
不思議に思いながら扉を開けると、その答えがわかった。木々や草の揺れる音が遮られ、しんと静まりかえる空気が、より世界と断絶されたものに感じるからだ。
そりゃあ、テントのような物だとはわかっていたけれど、そうではなくて――この空間は、琉歌が何をしようとしているか知っているように感じる。
部屋の中央に置かれたバスケットを視界の端に捉えつつ、琉歌はぼんやりと天井を見上げた。莉鳥を待たせぬよう、早くそれを持って外に出なければならないのに、どうしてもドームの雰囲気が気になって動けない。
まるで、世界が息を止めて2人を見守ってくれる――そんな錯覚を覚え、今すぐにでも気持ちを伝えたくなった。
(……さすがに、ね)
まだ着いたばかりで、莉鳥の緊張だってほぐしてない。告白をするなら雰囲気だって考えたい。
ちゃんと莉鳥にも心の準備をさせて、自分の中でも間違いないと再確認して、それから衝動任せじゃない言葉を……あのキスとは違って真っ直ぐな気持ちを伝えるんだって、何度も考えてきたではないか。
「どうしたの?」
なのに莉鳥は、ドームに入ってきた。思わずハッとして、琉歌は視線を莉鳥に移す。
今はダメだと思っても、口から零れそうになる言葉。今度こそ一方的に困らせるものにはしたくないと願っているのに。
「……今日は、どうしてここに誘ってくれたの?」
どこか覚悟を決めたように莉鳥が問うから、琉歌は懸命に堪えていた想いを紡ぐ。
「先輩──私は先輩のことが好きです。愛してます」
けれど、一瞬間があって、莉鳥は納得したように眉を下げるだけだ。
わかっていた、受け入れられないことくらい。
わかっていた、どう頑張っても独りよがりな想いは、彼女を困らせるって。
「あっ、別に返事は今じゃなくていいんです。とにかく伝えなきゃって、私が焦ってて」
頭が真っ白になって、何を言っているかもわからない。
ただ今は、莉鳥の心が軽くなるように、この場の空気を払拭するように何か喋っていなくては。
「いいの、こんな私で……こんな私でいいのなら、改めてよろしくお願いするわね」
それは先ほど、ロープウェイを降りたときに聞いた言葉とまったく同じだった。
大学に行っても遊んでくださいとお願いしたときと同じように、少し距離を取ったまま躊躇いがちに言われた言葉は、「よろしく」と言っていながらも肯定しているとは受け取りがたい。
あのときは軽い挨拶のように聞こえたのに、今はまるで違う言葉に聞こえる。
(でも……断るなら、こんな風に言わない、よね?)
小さなため息とともに呟かれた言葉は、どんな意味が込められていたのだろう。
先輩後輩として引き続き? 少し進んで友達に? ……わからない。でも、聞けない。
「じゃあ、オススメの絶景スポット、行きましょうか!」
今は、これでいい。
彼女の心に住まうことが叶わなくても、拒絶されなかったことは事実だから――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月22日
参加申し込みの期限
2025年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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