this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
今はまだ。それでも今は。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
一瞬、綾花は何を謝られたのかわからなかった。
申し訳なさそうな顔をする珪を見つめても、彼から続きの言葉は出てこない。
「……あ! もしかして、忘れちゃいました? それとも、探しても見つからなかったとか」
しょうがないなと笑って、綾花はどうしましょうかと考える。取りに戻って一緒に探すか、新しく買って気持ちを新たに書くのもいい。前向きな提案をすれば、きっと珪も暗い顔を笑顔に変えてくれるはずだ。
「思い出の日は、珪さんと出会った日を書いたけど……やっぱり告白した日も足したいですし。それに」
「今日、出すことはできないんだ」
けれど――珪から静かに告げられたのは、予想とは違いすぎる言葉で。
呆気に取られるまま瞬きを繰り返す綾花には、その言葉の意味を考える余裕もない。
(どうして?)
そんなひと言すら躊躇わせるように、冷たい滴が頬に触れる。
見上げた空は曇天で、丘はにわか雨が降る前の湿った香りに満ちていた。
(せっかくのデートなのに……)
まだ明るい、天気はすぐに持ち直すだろう……でも、珪の気持ちは?
考えれば考えるほど不安の渦は大きくなって、綾花は眉尻を落としつつも繋いだ手は離さなかった。
すると珪は、その手をしっかり握り返してくれる。
「ひとまず……どこかで雨宿りしようか」
優しく引かれる手は、温かいのに。こんな小雨にでさえ気遣ってくれるのに。
しとしとと降る霧雨に包まれ、丘の静けさが増していく。
綾花はそっと心の中で、この恋人たちの丘を見守る天女と猫神に願った。
(どうか、珪さんの「ごめんね」が……悲しい理由じゃありませんように)
やっとここまで来た。だから、諦めてなんてなるものか。
強く心に言い聞かせて、綾花は珪と2人で雨をしのげる場所まで向かった。
白く塗られた丸屋根の下、雨を避けながら2人で腰を下ろしたのは、バラ園の入り口にあるガゼボ。
まだバラの開花には早かったようで、ガゼボには他に誰もいない。
しばらくは景色を眺めるように無言の時間が過ぎたが、それも綾花にとっては落ち着きを取り戻すいい時間になった。
今なら、理由を聞けるかもしれない。そう思って珪の様子を伺うと、彼はぽつりと口を開いた。
「僕は、綾花さんが好きだ。その気持ちに嘘はないけど……誓いとなると」
一呼吸おいて、彼の視線がそっと綾花の目を捉える。
戸惑い、そして迷い。けれど、その奥には確かに真剣な光が宿っていて、綾花も静かに続きを待った。
「誓えるほど君が好きかと聞かれたら、迷わず『はい』と答えられる。でも、『今』誓ってもいいかと問われると……それは、違うと思うんだ」
綾花が大切だから。
誰にも見られない記念の1枚だとしても、猫神と天女に後ろめたさがあるなら、それは違うと思った。
真っ直ぐにそう告げる珪の声に、綾花は少し安堵する。
(珪さんが誠実すぎるだけで、心配することなんてなかったんですね。……でも)
自分が軽んじられたわけじゃない。それは、わかってる。
彼は丁寧に自分の気持ちと向き合い、軽い気持ちでは誓えないと言ってくれただけだ。
責任を持とうとしてくれている――そう伝わってくるけど、綾花の胸はきゅうと痛みを訴える。
「綾花さんは間違いなく、僕の恋人だよ。愛しいと思うのも君1人だし、この宣誓書を出してもいいと思えるのだって、そうだ。……だから僕は、この誓いを小さな思い出ひとつに終わらせたくない」
高校を卒業して、教え子でなくなった。想いを確認できて、浮かれていたのは珪も同じだった。少なくとも、小難しい規則云々の話からは解放され、それぞれの未来が広がっていると思っていた。
でも実際――綾花と付き合っていくうちに、小さな不安の芽が気になってしまったのも、否定できなくて。
卒業したばかりとか、年齢差だとか。後ろ指を指されるのが珪ばかりならいいけれど、世間の目はそうじゃない。
この時間、この約束を大事にしたい。後で振り返って、『ただのイベント』だったなんて思いたくないから。
それは綾花も同じ気持ちだろうから、言わなくても通じると――どこかで思ってしまっていた。
「僕のだって自慢してもいいくらい……これを、飾る日が来ても誰にも咎められない日に、もう一度――」
「それは、いつですか?」
反射的に、綾花は問いかけていた。
またねって、いつかねって。そうやってうやむやにされるのは、もう嫌だ。
今の気持ちを、今、受け取ってほしいのに。恋人になったのにと、矢継ぎに飛び出そうな言葉を飲み込んで、ぐっと思いを込めた視線で訴える。
「綾花さんの誕生日までには……っと、それじゃ待たせすぎか、ええと」
しどろもどろになる珪は、焦るように言葉を探し、熟考する。
それでも不安が過る綾花を察してか、珪はふわりと微笑むとクラッチバッグから1枚の紙を取り出した。
「……5月の連休には、必ず」
雨音のリズムが少しずつ落ち着いて、代わりに綾花の心音は跳ねる。
珪の覚悟が嘘じゃないこと。それを目の当たりにして、綾花は小さく頷いた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
今はまだ。それでも今は。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月09日
参加申し込みの期限
2025年05月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!