this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
[TOS] 戦蘭の世紀
<< もどる
1
2
3
4
5
…
14
つぎへ >>
●サツキの物語
太陽は、折れたクレヨンで塗りつぶしたような黄色だった。
煮えたぎるように暑くてホコリっぽい。焼かれた大地はひび割れて、ガソリンでも撒いたような匂いがする。砂塵が舞って、ゆくてには空気のゆらぎしか見えない。
私、ひとりでさまよっている。
名前も、過去も、何も覚えてない。気が付いたらこの荒涼とした場所にいた。
頭のなか、真っ白で、ただ歩くしかなかった。
私って、誰なんだろう? 家族とか、故郷とか、そんな言葉が浮かぶけど、自分のなかには答えがない。髪は汗でびしょびしょだし、ボロボロの服が体に張り付いてる。喉はカラカラで足も重い。でも、歩みを止めることが怖かった。
気が遠くなりかけたとき、行く手に街が見えた。でも陰気な街だった。未舗装の地面が通りをなし、乾いた木造の建物が傾いてる。壊れた酒場の看板が風できしんで、自動車の残骸が道端に転がってる。小さな子が歩いていたけれど、私が近づく前に親に抱きかかえられ、建物のひとつに消えてしまった。大きな音を立てて閉ざされた扉は、まちがいなく拒絶のしるしだ。
人の気配はある。でも、みんな私とかかわるのを避けているみたい。窓からときどき視線をのぞかせるだけ。それも私が顔を向けたとたん、さっと消えてしまう。
ぼろぼろの看板が熱風で揺れてる。カラスだろうか、遠くでひしゃげた鳴き声がした。静けさが、まるで何か恐ろしいものを待ってるみたいだと思った。
水を。
せめて日陰を。
出かけた声が止まった。
砂がザッて鳴った。振り返ったら、人影が立ってた。人間の悪趣味なニセモノ、全身灰色のアンドロイドだ。両手の袖から垂れ下がっているのは鞭で放電している。自分の記憶はないのに私は、そいつの名前も、目的も知っていた。
ガーナックだ。私を、捕まえに来たんだ。
アンドロイドは電子音を立てた。信号でしかないはずなのに私は、正確にその意味を理解している。『抵抗は無意味』って言った。
私は逃げ出した。すでに疲れ切っていたけど走るしかなかった。
狭い脇道に飛び込んだ。木箱が積まれた裏庭を抜け、崩れた壁の隙間をくぐる。砂塵が喉を詰まらせ、熱風が髪を乱す。暑い。苦しい。ガーナックの足音が後ろで響き、放電の音が近づいてくる。路地の曲がり角で息を切らし、木陰に身を隠したけど、灰色の影が角を曲がってくるのが見えた。心臓が早鐘を打つ。逃げ道を探して、廃材の陰に這うように移動した。理髪店の裏に壊れた荷車を見つけ、迷わず飛び乗って埃っぽい布をかぶった。息をひそめる。
足音が遠ざかるかと思ったとき、背をあずけていた荷台が大きな音を立てて崩れた! 放電の光が布の隙間から見える。必死で荷車の反対側に飛び降りるけど、ガーナックの足音は着実に近づいてくる。しかも行き止まりだ。逃げ場がない……。
行き止まりの壁に、鉄の棒みたいなものが立てかけられているのに気づいた。とっさに手にとる。両手で、ぎゅっと握る。錆びついたバールだった。冷たくて、少し重い。濡れているのに気がついて反射的に雫を舐めた。どうやら洗ったばかりのようだ。苦い。でも喉の渇きはほんのわずか収まった。
目の前のガーナックから嫌な匂いがする。
オゾンの匂いだ。放電の際の副産物。
ガーナックが見えた。瞳のない目で私を見つめてる。鞭から白い火花が散る。
「来ないで!」
勇気を振り絞って、バールを高く振り上げた。錆びた鉄が手に食い込む感触がする。思い切り振り下ろしたけど、手が震えて思うように当たらない。汗が目に入って視界がぼやける。ガーナックの鞭がうなり、私の頭上の空間を通りすぎた。目を閉じて力任せにバールを振り上げた。突然、金属音がガンッと響き、衝撃が手に響く。ガーナックがよろめいた! 息を詰めて、よろめく隙に一歩踏み込み、肩に力を込めてバールを頭部に叩きつけた。ゴリッと鈍い音がして、ガーナックの頭部から機械部分が露出した。鞭が地面に落ちて火花を散らす。ガーナックは受け身も取らずに倒れた。
私はバールを落とし、その場にへたり込んでいた。体に力が入らない。
でも休んでいる暇はない。量産型のガーナックは単独行動をしないから。きっと近くにまだいるはず。それも、多数。
バールを引きずりながら元の道に戻る。梯子を見つけて急いで昇り、煉瓦造りの建物の屋上で身を伏せた。
──予想通りだった。街中を灰色のアンドロイドが数体、走っている。
でもガーナックが追っていたのは私ではなかった。
ひとりの女の子を追っているのだ。私と同じくらいの年頃の。
ポニーテール、背は高い。きれいな横顔。必死で逃げている。でも怪我をしているのか、びっこを引いていた。
誰だろう……? レジスタンス?
あの子を見殺しにすれば、ガーナックは引き上げるかもしれない。だったら、助かる。
私の肉体はもう限界に近い。助けに行ったとして、大して役には立たないだろう。
胸が締め付けられるように痛んだ。
ごめんなさい。あなたを犠牲にして私は生きます。
私は目を閉じて、心のなかで彼女に謝罪した。
だけど次の瞬間には大きく息を吸って立ち、バールを握り直していた。
記憶がなくたって、これだけは確信をもって言える。
そんなの、私じゃない。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
[TOS] 戦蘭の世紀
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
ゲーム
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月12日
参加申し込みの期限
2025年05月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!