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LIQUID -Star Chronicle- 風花の英雄譚
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【サイドクエスト『歌姫失踪事件』】
ウィルキンゾ歌劇団と聞けばやはり多くの者は、筆頭歌姫<ナミン>の美麗にして清廉な歌声を思い起こすことだろう。先の公演『ソーヴィニオンに降る雨』で響かせた美声は大いに観客を魅了し虜にし、大盛況のうちに幕を下ろした。磨き抜かれた銀器、大陸を渡りカーネフォラの潮風を運ぶ風、あるいは精錬され研ぎ澄まされた魔剣の刃とも評されるその歌声は、彼女を100年にひとりの偉才、時代を席巻する唯一無二の歌姫へと押し上げた。次回公演として発表された『サルドバの娘』は、その初演にサイディア国王と王妃も観劇に訪れる予定であり、たまわる栄誉は彼女の地位を盤石にするのだろう。
そんな歌姫ナミンが、数日前から行方知れずである……というのは、歌劇団のマネージャーを務める人物から内々にもたらされた情報だった。
「失踪? 大事件じゃない!」
「はい……それはもう」
マユラ(プレイヤー:
落合 まゆら
)の反応ももっともだが、歌姫の身の回りの世話をしているというマネージャーの女性は気後れしたように、顔をうつむけながらに言った。自信が無さそうにしているのはこの女性の性分だろうか。
疑問を、アヤト(プレイヤー:京極 綾人)の言葉が継いだ。
「心当たりはないのか? 誰かに恨みを買ってるとかさ」
「恨みだなんて! むしろその逆で……あっ」
心当たりはあるのだろう。しかしなぜか、マネージャーは頑としてそれを語ろうとはしなかった。ごまかし、ひた隠しにし、ただただマユラとアヤトへ頼み込むばかりだ。
「冒険者に依頼するのは、大事にしたくないから……とにかく、ナミンを連れ戻してください!」
頑なな態度に、ふたりは思わず顔を見合わせた。
ともに、久方ぶりの『LIQUID』である。多忙な中でのひと時の休息、貴重な息抜きの時間だ。マユラは声優事務所『キャットボックス』に所属したおかげで大小さまざまな仕事が逐次舞い込み、順調にキャリアを重ねているところだし、先日も来期の注目アニメ『デッドエンド・ファンタジア』のキャラクターのひとりを演じることになったと発表があったばかりだ。主役級に比べれば扱いは小さいが準レギュラーだし、印象に残る演技ができればさらなるステップアップにもつながるだろう。一方のアヤトも、リードギターとして所属するロックバンド『Edwoods』が徐々に知名度を拡大しつつあり、昨今はニャリコンチャートを賑わすようにもなってきた。精力的にライブ活動も行っているが、近頃はチケットのSOLD OUTが続くようになり、マユラはステージ上にて彼の姿を見ることはしばらくできていない。彼の名が売れるのはもちろん嬉しいことだが、痛しかゆしといったところである。
そんな多忙極まるふたりが久しぶりに挑むクエストとして、この『歌姫失踪事件』を選んだのは、音楽や芸能にまつわるサイドクエストであったからだ。登場人物のうち中心となるのが件の歌姫ナミンであり、歌でも演技でも人々を魅了してやまない彼女に、ふたりしてシンパシーを感じてしまったのだ。
「マネージャーからなんのヒントもないとなると、歌劇場で聞き込みか? けど大事にはしたくないんだよな」
「やみくもに聞いて回るのはちょっとね。狙いを絞らないと!」
まずは客のいない歌劇場を見物する。まるで古代神殿のように時代がかって荘厳、きらびやかな建造物で、なかなか見ごたえがある。舞台装置、オーケストラピットにならぶ楽器たち、圧巻の巨大ホールや幾層にも重なるバルコニー席の眺めを体験した後、先の公演にて準主役を務めたという壮年の気品ある女優に声をかけてみることにした。
「いい子よ? ひたむきで前向きで、純粋で。純粋すぎるくらい……今はまだいいけれど、歌姫としてやっていくなら、もう少し芸の裏道も知らなくてはね」
「い、イヤなこと言うなあ」
アヤトが顔をしかめたのは、バンドが売れ出し、いくらか芸能界の深い暗部の片鱗をも知ることとなったがためだろうか。先日もなんとかいうアイドルの暗い女性遍歴やらトラブルが話題となっていたことを、マユラも思い出す。
「それで、歌姫さんの失踪に心当たりは……」
「心当たりもなにも、あたし知ってるのよ」
首を傾げたマユラに、熟れた女優は皮肉っぽく口角を上げて言った。
「恋わずらい」
などと思わせぶりなことではあったが、クエストとしては簡素なものだ。登場人物たちの話を聞き、歌姫の足取りをたどってゆく。それほどの盛り上がりもなく、今、眼前にて抱き合う男女は歌姫と、その秘密の恋人であった。
「そうよ。あのひとの言うとおり。私、歌も恋もあきらめられない。死に物狂いで努力して、どっちも手に入れてみせるんだから……!」
人気絶頂であるがゆえ歌姫に色恋沙汰とは縁遠いものであったが、ひょんなことから出会った青年と恋に落ち、愛を育んだ。それ自体は健やかなことでありながら、歌姫ナミンの名と地位が自由恋愛を許さない。歌と恋、板挟みとなり苦境に立たされたナミンは思い詰めた末、全てを捨てての駆け落ちを決意する。しかしそこへやってきたプレイヤーがもたらす金言が歌姫の胸を貫き、彼女は決意にいたるのだ。どちらかをあきらめる必要などない、どちらもこの手に収めてしまえばいいのだと。
そんな筋書きなのだった。
「まあハッピーエンド……なのか? ちょっとあっさりしたクエストだったなー。バトルも無かったし。でも気分転換にはちょうどいいか……マユラちゃん? どうかしたかい」
残念ながら歌姫ナミンの決意は心揺さぶるほどの濃密を持たず、アヤトの言うように薄い描かれ方ではあった。クエストのもたらす熱もピンキリであり、サイドクエストの一部には報酬が良くともあまり記憶に残らないようなものも無いではない。
しかしそれがゆえに、マユラの胸へもたらされたちょっとした空虚を埋めんとする意思がはたらき、これまであたためていた感情を隙間からまろび出させたのかもしれない。
「アヤト……」
「ああ」
「ついでなので、アヤトに伝えたいコトがあります」
「ええ? なんだよ、あらたまって」
こくりとうなずき、口を開いた。ああ、いつかは言うのだろうなと確信はあったから、すらりすらりと言葉は滑り出てくれた。
「あたし……アヤトのことが好き、です。愛してます!!」
──クエストの結びはこうだ。ナミンの前向きな心を告げられたその直後、突風により目深にかぶっていた帽子が宙を舞い、彼女の恋の顛末が衆目のもとへさらされてしまう。今をときめく歌劇団の筆頭歌姫、その大スキャンダルを人々は口々に揶揄し……と思いきや、彼女の強い想いはまさしく歌劇のごとく人々の感動を呼び、祝福の声が雨と降りそそぐ中、ふたりは涙まじりの口づけをかわすのだった。
つまり、
「えっ、と。お、オレもマユラちゃんを……その、愛して」
「「うおおおおおお!!」」
「おめでとう! おめでとう!」
「やったなあ、兄ちゃん!」
「お嬢ちゃん、勇気を見せたな!」
「末永くお幸せにねー!!」
そこが数多の通行人が行き交い喧噪あふれる往来であったことを思い出したふたりの顔は、春に色づく果実もかくやと真っ赤に実ったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月07日
参加申し込みの期限
2025年05月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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