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LIQUID -Star Chronicle- 風花の英雄譚
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【サイドクエスト『秀蓮の旅立ち』ウーローン・首都カンノン】
秀蓮(プレイヤー:
朝永 真深
)は駆けていた。夜闇の中、月明かりを浴びながら。踏みしめているのは屋根瓦だった。
「どっちに行った!? あのロクデナシ王子!」
「あっち、あっち! けど護衛がいっぱいいるよ、どーすんの!?」
カーリー(プレイヤー:手島 ゆかり)の指さす先に、鎧をまとった馬体とまたがる大柄な男の影がちらと見えた。
ウーローンの首都、カンノンは秀蓮にとって故郷でありながら、夜の街並みは秀蓮の記憶とは違った顔を見せた。各所の灯篭に揺らめく明かりは頼りなげで、闇は足元を覆い隠す。追撃に難を覚えて屋根へ上がったのは正解だった。月の明かりが街路をおぼろげながらに浮かび上がらせ、かの王子の行く先を教えてくれる。
「見えた! <武技幻影>!!」
秀蓮の手に幻影の弓矢が現れ、足を止めると弦を引き絞り、一矢を放つ。手荒くなるが、止めねばならない。
「くはは! 甘いわ!!」
馬上にありながら、彼……<ファンツァ王子>は柄の長い大刀を軽々と振るい、鋭く飛翔する矢を切り払った。武芸に秀でるも人格に著しく問題あり、との評に違わぬ下卑た顔が月に照らされ垣間見えた。
「逃げられちゃう……!」
「魔法で退路を断って、カーリー!」
「や、やってみる!」
エレメンタルブレイカーのカーリーが氷壁を作り出し道を阻むも、王子を乗せた馬は軽々とそれを飛び越えてみせた。さぞかし名のある駿馬なのだろう。
「くっ……」
秀蓮は月を頼りに、王子の逃走路を見い出すべく街を見据える。美しく、さめざめと青く澄んだ夜だった。
なぜそんな状況へ挑まねばならぬのかと言えば、秀蓮の名に付随するある種の悪名がもたらしたと言ってもいいかもしれない。彼女の家柄にとっては不名誉にもほどがある、家出癖。放浪癖。それらに冒険者としての目覚ましい活躍が加わったことで、特別な依頼が舞い込んだのだ。ウーローンにて手広くしたたかに取引する豪商の娘に生まれながら、ひとつところにいられない秀蓮の性分が引き寄せたとも言えるだろう。
その日、秀蓮は牢に閉じ込められていた。実家に地下牢があるのは、手癖の悪い雇い人にひと晩の反省をうながしたり、あるいは役人へ突き出すまでの間に拘留しておくためのものだったが、その晩はたまたま帰郷した折に父の手の者によって捕縛されてしまった、秀蓮がひと時滞在していた。
そのように牢へ入るのは初めてではないし、逐一反省するようなたちでもない。夜も明ければ父の留飲も下がるだろうと悠々過ごしていた秀蓮であったが、牢から出されたのは夜半を過ぎた頃であった。
「秀蓮どの。あなたのお力をお貸しいただきたい」
「……? 私の? というか、あなた誰……」
「父君の許しは得ているし、なによりこれは、我がウーローンの未来を決する重大事と心得ていただきたい」
男の物言いはいかにも格式ばったものであり、夜に紛れるための黒ずくめでも覆い隠せぬ品位を口ぶりににじませていた。厳格にして融通の利かぬ父が言いつけた罰を自ら曲げたことからも想像がついた。目の前の男は役人であり、王朝のいずこよりか発せられた、これは王命であるのだ。
男はいかめしく眉を寄せ、告げた。
「<霊王の玉璽>の所在を示す書を、取り戻していただきたい」
かくして秀蓮は地へ降り立った。
「女! 兄王どもの差し金にしては、気骨が据わっておるではないか? なあ?」
垂髪に長い髭が波打ち、まるで別種の生き物のようだ。筋骨膨れ上がり、体躯は神話に語られる武神のよう。そんな巨漢をして身の丈を越える大刀を片手にやすやすと構える男こそ、ファンツァ王子。王位継承権第108位。
恵まれた体躯や武芸の才をみずからおとしめるような、王族とは名ばかりの不埒三昧、しでかした悪行とともに語られるが常のような男だ。民草や王国の兵らの心をつかむようなカリスマにも欠けた。それでいて悪友にはなにかと好かれるようで、常に付き従う者は絶えないという。類は友を呼ぶというやつだろうか。
王族のはしくれではあれど権力にはほど遠い、そんな男であったがしかし、今、彼が手にする書物には、ウーローンのあらゆる権力の象徴たる宝物の在りかが記されているのだという。
すなわち、霊王の玉璽。
「その書物を返しなさい。と言って、聞くわけないわよね……」
「まあな。力づくで取り返してみるか? 俺は構わんぞ。ふたりがかりでもな」
ちらとファンツァが視線を投げた向こうでは、壁裏にひそむカーリーが魔法を準備しているはずだ。しかし秀蓮は逡巡した。止められるだろうか。
「……武技幻影!」
手にひと振りの幻影の刀を生み出すと、真っすぐに見据え、身構える。機を読む。探る。
「くはは。いい女だ。やってみるがいい」
「ふたりがかりでも、と言ったわね。男に二言は無いわよね?」
「無論だ。来い!」
月光に照らされながら、対峙する男は馬上にあるとはいえ、その背は秀蓮の二倍とも三倍とも思われた。王位など縁のない男のはずが、巨躯から発する威圧は尋常ではない。
「っ、行くわよ!」
カーリーの放つ雷轟を合図に飛び出した。地を踏みしめ一気に刀身の間合いへ。
「ふんっ」
大刀が雷を絡めとり、振り払うと弾けて霧散した。魔器の類であったのか。驚愕に一瞬、踏み込みの鋭さが衰えた。
「はああああ!!」
それでも、渾身の一撃だ。とらえれば首も飛ぼうかという、相手の生死など問わぬ覚悟のこもる一閃だった。
しかし、
「しまった……!?」
半歩及ばず、幻影刀は薄氷の砕けるがごとくに散った。直後、大刀に頭頂から断ち割られる自分を想起する。カーリーの悲鳴が耳に届いた。
「……追ってこい。女!」
しかし、刃はひとつひるがえったのみで、秀蓮へと振り下ろされることはなかった。少なくとも、今この瞬間は。
「なに……?」
「王位簒奪など他愛も無しと、いささか気が抜けていたところだ。お前のような女に命を狙われるのであれば、張り合いもあろうというものだろう? くはは……俺の首を狩るか? 頭蓋を断ち割るか、心の臓を貫き潰すか? 心躍るではないか、なあ? 俺を追って来い。己が手で取り戻してみせろ!」
高笑いと駿馬のいななきが夜へと響き、やがて遠ざかっていった。
「ちょっと、大丈夫だった!? やられてないよね!?」
「カーリー……」
男の去った道の先をにらみつつ、慌てて駆けてきたカーリーへ、秀蓮は苦々しくつぶやいたのだった。
「さらなるレベルアップが必要ね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月07日
参加申し込みの期限
2025年05月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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