【七夕】飛べ、天の川！　ラブラブ♪ランデブー！｜リアクション

【七夕】飛べ、天の川！　ラブラブ♪ランデブー！

【あとのまつり】

　骨削を縛り上げ、高梨煉の説教コースに放り込んだ武道は、協力者全員にジュースを奢るのだった。
「金欠だって言ってたのに大丈夫か？　……ほら、反省しろ！」
　武道をからかいつつ、彩葉、拓郎、骨削の３名を叱る煉。
　最初こそ「おにーちゃんがたー坊の代わりに怒られるから！」と庇ったが、理由を聞いた瞬間、彼は一瞬シリアスモードになって謝罪した。
「大事な妹にうちのたー坊が酷い目遭わせてしまって申し訳ない！！」
　ということで、兄公認で説教される弟・拓郎であった。
　武道は二年連合にジュースを配っていると「お疲れ様だ」と楪が声を掛けてきた。
「あ、櫻ちゃんには２本どーぞ！！」
「ん？　いいのか？　空でひと悶着あったのだから、空組に渡してやってくれ」
　謙遜する楪に武道は破顔一笑。
「いーのいーの！　前に助けてもらったお礼も兼ねて、な」
「……そういうことならば」
　彼女は武道からジュース缶２本頂くことにした。
　安本マコトも唯一の『ひと』だったが、地上でナンパを兼ねて積極的に声掛けしてくれた。
　傍に楪がいたのもブレーキ役として大きい。
　小津とロベルトはベーコンレタスという単語に体の震えが止まらないが、事情を聞いた武道が「強く、生きてくれ」と一緒に泣いてくれた。
「志波、お、俺は？」
　冴木がおずおすと武道に語り掛ける
「あれ？　真っ先に吹っ飛ばされた竜司くんジャナイデスカー（笑）」
「ど、どいひー！！　オチ担当かよー！！」
　冴木は奢ってもらったジュースを一気飲みすれば、二年連合に笑みが溢れた。

　三原一巳はえっちらおっちらダンボール箱を抱えて竹飾りまでやってくると、せっせと飾り付けを開始。
「泣いてないッスよ？　工芸（クラフト）専攻の本領発揮しただけッスから」
　しかし三原、我慢できずに号泣。
「……皆が願いを吊るして楽しみ終わったら、燃やされて天に昇る笹の葉ッス。綺麗に着飾ってあげても罰は当たらない…ッスよね？　多分……」
　ジミーの名に相応しい活躍が、ジミーらしく幕を閉じる……。

　三原一巳：男泣き

「熊ァッ！！」

「ヘブゥッ！？」
※イラストはイメージです。実際に使用した技とは異なります。ご了承ください。

　突如、天から熊と変態が降ってきた。
「今日はこれくらいにしてやる……」
　邪衣士はホールドしそのまま回転を加えろっこんにより下降気流を発生させ、そのまま錐揉み回転しながら天空よりバックドロップを寸止めしたつもりだった。
　しかし、ちょっと間に合わずに変態――桃原空音の頭にタンコブが出来ていることに気が付く。
　幸い、変態は気絶している。
　見なかったことにした。
「あんなことがなければ……」
　頭を抱える邪衣は回想を始めた。

　思えば、桃原が騒ぎを起こしている連中の真下に潜り込み、見上げて鼻息を荒くしているのが悪かったんだ。
「浴衣は下着つけない。これ、日本の美しい文化！　ふへへへへへ！　まーるみえ！　まーるみえ！　まーるみえ！」
　と桃原が暴れたのがいけなかったんだな、きっと。
　いきなり桃原の神魂の効果が切れて、俺の浴衣の帯を掴みやがったんだ。
「ぐへへへへへ、墜落死するよー！　何か掴まないと！　ナニか掴まないと！　誰か掴まないと！　士君のお尻掴まないと！　雄っぱい掴まないと！　ナニを掴まないと！」
　人命がかかっていることを盾にして、桃原は俺にセクハラを……！
　耐え切れなくなった俺は、ついカッとなって地面に叩き付けた。
　後悔は、していない……。

　邪衣の表情はとても爽やかで、まるで生まれ変わったかのように目が澄んでいた。
「お、畑生と浮舟じゃないか、こっちだこっち」
　ようやく２人と合流できた熊と変態は、この後も祭りを大いに楽しんだ。

　邪衣士：肉体言語で七夕を語った
　桃原空音：どこまでも通常運行（変態的な意味で）

このページにイラストを設定する