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菓子語り
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娘と手を繋ぎ日の光の下を歩む。楓はスキップを踏んでいた。跳ねる様はうさぎのようだ。
梓 智依子
の心も弾む。
「ねーママ! お菓子食べたいー」
「ダメ。食べるのはお家に帰ってからでしょ?」
「え~? 今食べたいー!」
「ダーメ。我慢するって言ったでしょ?」
「むうううう」
甘やかしたくなるのは親の性だが、甘い顔ばかりはしていられない。むくれる顔までも愛らしく、さりとて締めるところは締めねばなるまい。楓が小さな暴君でいられる時は決して長くない。子は一日一日、刻々と成長してゆく。自我が形成され、他者や社会と個々の異なりや繋がりを自覚する。楓がいつか少女となり大人となった時、他者から拒絶されるようなロクデナシと堕するのを看過することは、親として断固許容することはできないのだ。
智依子は19歳。母親となるには心許ない年齢と言われても仕方がないが、何だかんだと自覚は芽生えるものらしい。楓と共に智依子もまた成長してゆくのだった。
「ただいま」
「ただいま~!」
「ああ、お帰り智依子、楓。おや、楓、ママにお菓子を買ってもらったの?」
「うんー!」
大切そうに抱えたちょっととの箱を見つけて祖父はくしゃりと相好を崩した。智依子の祖父であり、楓にとってはひいおじいちゃんだ。智依子が寝子島で母親をやっていられるのは祖父母のおかげといって過言ではない。良く楓の面倒を見てくれるし、何より人生の先達がくれる言葉の数々は新米母の智依子にとっていずれもが金言となった。感謝してもしきれない。
「おじいちゃんにもあげるね!」
「それは嬉しいなぁ。ありがとう楓、でも少しでいいからね」
祖父の手を引き、楓は居間へ駆けてゆく。走ってはいけないといつも言っているのに。智依子は苦笑いだ。
さっそく箱を開ける楓を横目に、智依子は台所へ。ちょうど祖母が夕飯の仕込みをしていた。
「ただいま、おばあちゃん」
「おかえり、智依子。ねえ、ご近所さんからお土産をいただいてね。楓ちゃんと一緒に食べなさい」
「お……大きいね」
大阪で開催中の万博土産らしい。土地柄なのかあまりにも巨大なパッキーと、たこ焼きを洋菓子のパティシエがアレンジしたという新感覚スイーツだそうだ。智依子は目を見張った。
智依子をしてそんな反応なのだから、巨大パッキーを目にした楓の興奮たるや。まるで火の付いた火薬が炸裂するがごとしだ。
「すっごーーーい!! すごいね、何それ!? すごい、すごい! おっきいパッキーだ! ママ、食べたい! おっきなパッキー食べたい!」
と騒いで跳ねて、大忙しである。しかしそこは智依子も甘い顔はしない。
「今日はもうちょっとと開けちゃったでしょ? パッキーはまた明日ね」
「ええー!? 今食べる、今食べたい!」
「ダメ。今日は見るだけで我慢しなさい」
祖父が「まあまあ、今日のところは我慢しようよ」となだめても「ヤダヤダ、食べたい食べたい!」と引くそぶりがない。とはいえこんな時、智依子は慌てずこう言うことにしている。
「楓。あんまり食べすぎたら虫歯になって、歯医者さんに行くことになるよ。それに太りすぎたら、ダンサーにだってなれなくなっちゃうわ」
途端に楓は頬を膨らませながらも、わがままを引っ込めた。歯医者はともかく、近頃の楓に効果覿面なのが「ダンサーになれないよ」なのである。楓の中でよほどに大きな夢となったらしい。それだけの衝撃を、智依子がかつて見せたダンスが娘へと与えたということだろう。少しばかりむずがゆく、そして誇らしい。
「パッキーは、明日にする……」
「うん、偉いね。代わりにこっちのお菓子を、ママと半分こして食べよっか。たこ焼き風スイーツですって」
「! うん、食べる!」
パッキーは箱を開けたら最後食べきってしまいそうだが、これなら少量を加減して食べられるだろう。
「はい、お茶が入りましたよ」
やってきた祖母も一緒に、謎の大阪土産を開封してみる。たこ焼きスイーツとは? と首を捻りながらだったが、どうもパイ生地にくるみやざらめを散りばめ、ソースにマヨネーズ、鰹節に青のりにとたこ焼き風の味付けを施したものであるらしい。突拍子もない発想は大阪らしいといえばらしいだろうか。
棒状のそれを半分ずつにカットし、皆で揃ってぱくりと食べた。
「これは……新感覚ね」
「おいしー!」
祖父母と共に、楓の満面の笑みが輝く。智依子は夢想する。いつかこの子がステージへ立ち、心の赴くままにステップを踏む。ギャラリーは熱狂し喉が枯れるまで黄色い声援を飛ばし、それに応え手を振る楓。きょろきょろと目線を巡らせた先には、見守る母の姿が……そんな未来を想像する。不意に感情が盛り上がり、にわかに涙がこぼれそうになり目元を覆う。
「どうしたの、ママ?」
覗き込む楓に「何でもないよ」と言ったところで、思わず吹き出した。口元に青のりをいくつもくっつけて、楓は太陽さながらにまぶしく笑んだ。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
お菓子にまつわるお話でした。
既製品も美味しいものがたくさんありますし、自分だけのお菓子を作るのもいいですね。
私はお菓子作りはしたことがなく専ら食べるほう専門です。ああいうのを作れる人って、尊敬してしまいます。
いつか挑戦してみたいと思います。と、言うだけは言ってみます。きっとやらないやつ。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年04月28日
参加申し込みの期限
2025年05月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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