this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ムーンライツ・ムーンドライブ
1
2
3
4
5
つぎへ >>
飴玉みたいな月だった。
「何か、つまめそう」
「え? 何だい?」
「あ、ううん。何でも」
稲積 柚春
は苦笑いした。手を伸ばしたらひょいとつかまえてしまえそうだ。口に入れたら甘いだろうかなどと子供みたいな思い付きを語ったら、
ウォルター・B
は笑うだろうか。きっと笑うだろうな、いまだ彼は柚春の生徒扱い子供扱いが抜けていないものだから。その証にか彼は微笑むと何気なく手を伸ばし、柚春の髪へ手を差し入れて軽く混ぜかえした。
この春に寝子島高校を卒業し、恩師と恋人との狭間に揺れている。柚春にしてもウォルターにしてもそうだ。適切な距離感を探ってゆく模索の時はもどかしくも新鮮で、柚春の胸には幸福が満ちた。
「さて、今夜はどこへ行こうかねぇ」
ウォルターの車で寝子島の夜を緩やかに流している。今は星ヶ丘の坂道をとりとめもなく降りているところだ。ドライブデートは今夜で幾度目のことか。いつもは本土にまで足を伸ばすことが多かったから、こうして寝子島を走るのは意外な楽しみや発見を柚春にもたらした。
「あっ、お洒落なケーキ屋さん発見! 今度行ってみようよ」
「いいねぇ」
「あのお店は、パン屋さん? 菓子パンがたくさん並んでたよ」
「明日のオヤツにしようか」
「ああ、あそこ! 気になってたフレグランスのお店!」
「へぇ、次の休日にでも覗いてみようかぁ」
すっきりと人目はばかる間柄から解放されたとは言い難く、胸を張って恋人だと主張できるようになるにはもうしばしの時が必要だろう。顔見知りの目のない本土へ向かう機会はこれからも多かろうが、寝子島の夜は二人の逢瀬をいくらか覆い隠してくれるだろう。たまには月明かりに照らされた寝子島を満喫するのも悪くない。
星ヶ丘の大通りを抜け、シーサイドタウンの繁華街へと入る。柚春は窓の外を仰ぎ見た。光の軌跡を残しながら流れてゆく青や桃色のネオンが鮮烈で眩しく、まぶたを閉じても焼き付く程だ。アクセル踏み込み、シーサイドタウンから旧市街へ。ぎらぎらとまぶしい中心街を離れると途端に夜の帳が降りた。参道商店街近くの大通りに灯された明かりは必要十分だが他の地区のきらめきと比べてどこか頼りなく思える。しかしそれが良い。頭上の黄色い飴玉がよりくっきりと、浮かび上がるように見えて柚春の心を滑らかにしてくれた。
「何か音楽でもかけようか」
「んー。今はいいかな」
「そっか。そうだねぇ」
小気味良いエンジン音。ごとごと鳴るアスファルト。時折思い出したように一言二言交わすウォルターとの言葉、その声。ムーディーなジャズなどあれば良かったかもしれないが、BGMには事足りていた。
走り続ける車内には得も言われぬ安寧や落ち着いた心、飾らず自然と浮かぶ微笑があった。それで十分だった。
良い気分のまま寝子島を一周し、星ヶ丘へと戻ってきた。月はまだ天頂へ登り切っておらず、まだもうしばらくは往来の夜を楽しむことができるだろう。
「ナイトクルーズかぁ。楽しそうだねぇ」
「うん、だよね。乗ってみない?」
「賛成~」
星ヶ丘マリーナから出発する夜の遊覧航行を体験してみることにした。今夜の締めくくりには何とも乙だろう。マリーナの駐車場に車を置き船へ乗り込む。そういう時間帯か、中型のラウンジクルーザーに乗客はまばらだ。あまり盛況だと景色を楽しむどころではないから、このくらいがいい塩梅だろう。
潮香る海風をかきわけ船は出航した。
「やぁ、いい景色だねぇ」
寝子ヶ浜海岸の向こうへ寝そべる寝子島の夜景は豪華絢爛な大都市と比べるならいささか控えめでありながら、そこがいい。あたかも淑やかな貴婦人のような佇まいではないか。街のきらめき、月の下にも分かる九夜山の圧倒的な存在感、ライトアップされた寝子島大橋、そのいずれにも目を奪われずにいられない。
少し強い風が吹き抜けた。
「おっと。大丈夫かい」
「うん。でも今の時期はまだ、少し肌寒いね」
「そうだね。ほら、おいで」
手を開いていざなう彼の懐へ、柚春はすっぽりと収まりご満悦である。見れば数少ない乗客たちはいずれもカップルで、船上の思い思いの場所で誰しもがそうして寄り添い合っていた。
海の上は寝子島だろうか、その範疇であろうか、しかしここには誰の目もないし少しばかりアグレッシブになってもいいだろう。ウォルターへ思い切り抱きつくと、彼もまた柚春をしっかと抱き寄せた。潮風は少々冷たいがそれも彼の温もりには到底敵わない。
満ち足りたまま夜空を見上げる。月はやっぱり黄色くて、しかし今の柚春には甘い飴玉のようではなく、きらめくシトリンかトパーズにも思えた。
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ムーンライツ・ムーンドライブ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年04月15日
参加申し込みの期限
2025年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!