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LIQUID -Star Chronicle- 黄金の英雄譚
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【サイドクエスト『宮廷画家の憂鬱』】
ひとつ、必ず生け捕りにすること。ひとつ、一切傷つけてはならない。ひとつ、ストレスを与えてはならない。<宝石ペンギン>はきわめて脆弱な生物でありひとつの誤りで容易に絶命してしまうため注意されたし。
「ずいぶん弱っちい生き物なんだね~」
シフォン(
黒白 滴
)が資料を眺めながらにのんびりとした口調で言った。それこそがこのクエストの難度Sたるゆえんであり、ソフィア(プレイヤー:
月原 想花
)はううむと悩みに暮れた。
「それじゃ、どうやって捕まえたらいいんだろ? 麻痺の魔法もダメかな~」
「そもそもすごく動きがニブイらしいから。そっと捕まえればいいんじゃないかしら? たぶん……」
宝石ペンギンはリキッド大陸の南方、名もなき氷島にほど近い岸壁に暮らす飛べない鳥だ。その名のとおり額に宝石めいて発光する毛を持つのが特徴で、かつては乱獲され絶滅の危機に瀕したが、このところは希少動物の保護を目的とする財団が設立され、活動家が熱心にその環境改善に取り組んできた結果、個体数も回復傾向にあるという。
そんな宝石ペンギンの一羽を捕獲し持ち帰ってほしい、というのが今回のクエストである。
「ね~、ソフィアちゃん」
「なに? シフォン」
「なんかさ~、あんまり気が乗らないクエストだねえ」
「まあ……ね。でも一度受けたクエストを反故にするのは……」
ソフィアは眉を寄せた。知っていたら引き受けはしなかった。
依頼主はサイディアの王城に務めたとある宮廷画家の弟子だ。先日画家が高齢のため亡くなった折、完成を見ずに残された王妃の肖像が問題となった。彼が制作に用いた絵具、その出どころや調合方法は門外不出とされてきたが、ことに瞳の色を表す美しい緑を発色するための顔料が足りなくなってしまった。迫る納期。優しき王妃のお悔みの言葉と、期待のにじむ眼差し。苦境に弟子は冒険者へ密やかな依頼を発したのだった。
いわく、顔料には宝石ペンギンの体液が必要だ。
「体液って、どうやって取るんだろ? 注射でちゅ~っと吸い取るとか? それってさあ、たぶんすっごくストレスだよね~」
「……そうね」
王都の魔法アカデミーで教鞭をとるソフィアである。サイディア王家がらみとなるとどうにも、無下にはしにくい。
「はあ……」
ため息をひとつついたところで、森を歩んでいたふたりの視界が開けた。波音が聞こえ、切り立った岸壁の上にちらほらと白黒のボディ、それに額の美しくつやめく発光毛が見えた。個体によって異なる色をして、美しくグラデーションしている。
シフォンは呆れたように言った。
「こんなところに棲んでるのに、飛べないの?」
「このあたりには天敵がいないんでしょうね」
「あ~、そっかあ」
岸壁には無数の宝石ペンギンたちがひしめいていた。絶滅の危機を脱し、この場にあっては大いに繁栄しているらしい。
「さて、どう捕まえようかしら」
動きはにぶい。飛べもしないし、危険なモンスターよろしくなんらかの攻撃手段を用いるわけでもない。これならば画家の弟子本人が捕獲に訪れればとも思うが、そうできない理由もここにはあった。
「! シフォン、避けて!」
「えっ、なになに? 敵?」
宝石ペンギンがこの岸壁をねぐらとするのは、彼らにとって都合のよい別の生き物が棲みついているからだ。ふたりを目にするなり猛然と突進してくる巨体にシフォンはぽかんと口を開け、
「でっかい……ナマケモノ?」
「<メガスロス>! 屈強な難敵よ、構えてシフォン!」
ソフィアも叫ぶと、愛用の杖に魔法の光が帯びる。
メガスロスはたしかにナマケモノだが、れっきとした魔物の一種だ。おそるべき屈強な肉体、長大な三本の爪、獰猛さと衝撃やダメージに対する鈍さは冒険者にとって脅威となる。背中に生えた茸からは胞子を噴出し、敵対する者に多種のデバフを与える。テリトリーの侵入者を襲うが宝石ペンギンには目もくれないため、不思議な共生関係が成り立っているようだ。
「うわわ。ナマケモノって草食でしょ? どうして襲ってくるのさ~」
「身を守ろうとしてるのよ……待ってシフォン、ペンギンを巻き込まないようにね!」
フォーチューンテラーであるシフォンのカードが岩壁を築いて三本爪を阻み、ソフィアの<氷刃嵐>が牽制する。それをものともせずに突撃を敢行するメガスロスの巨躯から、ソフィアはシフォンの袖口をつかんで引っ張り間一髪、飛び退き避けた。
強敵だ。しかし冒険者として数多の経験を積んできたソフィアだから、死力を尽くして倒せない相手ではないだろう。しかし、とソフィアは考える。
「……シフォン! カードを引き続けて。でも、メガスロスには攻撃を当てないで」
「ええ? それってどーいう」
「氷のカードを引いた時にだけ、ペンギンを巻き込まないようにメガスロスを攻撃して。それを起点にするわ!」
長い爪三本の軌跡から身をかわし、狙い定める。
メガスロスは魔物には違いないが、縄張りの外へと繰り出し旅人を手当たり次第に襲い食い散らかすような、オークやゴブリンのごときモンスターとは少し異なる。普段は温厚な生き物であり、また宝石ペンギンたちの守り手でもあるのだ。クエストのためとはいえ、いたずらに排除するような真似は避けたかった。
ゆえにソフィアの取り得た作戦は、ただひとつ。
「来たあ、氷のカード! 吹雪の三連発で、氷耐性を下げて~」
「氷刃嵐で、凍結させる……!」
杖を翻せば、極低温が渦と成す。メガスロスはもがき、爪を振るい冷気を切り裂かんとするも、遅かった。獣はもはやぴたりと微動だにせず、氷像となりたたずむのみだった。
とはいえ一時的な凍結だ。
「デバフはせいぜい数秒間! この隙に宝石ペンギンを」
「そ~っとストレスかけずにつかまえるんだね~」
メガスロスに守られ天敵もおらず、すっかり逃げることも忘れた宝石ペンギンの一羽を優しく抱くと、ソフィアは後ろも省みず駆け出した。なにも知らないペンギンは、これからなにか楽しいことでも待っているとばかり、きゅうきゅうと鳴いた。
これで依頼は成功……という段階にいたり、しかし、ソフィアは。
「なんですと! 宝石ペンギンは手に入らなかったと?」
「はい、申し訳ありません。魔物の群れに阻まれてしまい……どうやらあなたの師が材料を調達していた頃とは少々、状況が異なるようで」
ソフィアはシフォンとも相談のすえ、ペンギンを群れに返したのだ。この世に痛みがあることなど知らないだろうペンギンから1ccでも体液を抜けば、確実に死んでしまうだろう。王妃の肖像といえ、その価値があるのかと己に問いかけ、そして導き出した答えだった。
つまり、クエスト失敗。そう覚悟してのことだったが、宮廷画家の弟子はどこか安堵したような顔を見せて言った。
「これで良かったのでしょう。ずっと考えてきたことだ。僕は師の教えに従うのではなく、師をいさめるべきだった。なにかの命と引きかえに生み出される芸術なんて、芸術じゃない……」
シフォンがどこかはっとしたように息をのんだ。絵画をたしなむ彼女には、思うところあったのだろう。
弟子は成功と変わらない報酬に加え、ふたりへ真摯な礼を述べた。
「うん。これで良かったよね」
「そうね。ええ、これで良かったのよ」
すがるように腕をからめたシフォンのぬくもりを感じながら、ソフィアはあの岸壁で大いに羽を伸ばす宝石ペンギンたちへ思いを馳せ、どこか良い気分に浸った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月24日
参加申し込みの期限
2025年03月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年03月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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