this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夜更けのおしゃべりを彼らと
1
2
3
4
5
つぎへ >>
開いたサイドウィンドウから吹き込む風が
綾辻 綾花
の髪を撫でるようにはためかせる。タイヤがアスファルトを噛む一定のリズムや振動が心地良い。隣を見れば
早川 珪
の清々しく笑む横顔があり、彼が綾花の視線に気づきこちらへ目を向けたその瞬間、胸に得も言われぬ幸福が満ちた。
綾花にとって彼のクリームイエローの車に乗って走るドライブデートは特別なものだ。
「今日は絶好のドライブ日和ですね」
「そうだね、晴れて良かったよ」
目的も定めず寝子電本線に沿ってのんびりと車を走らせている。急ぐこともなく安全運転でゆったりと。流れてゆく風景は見慣れているはずなのに、目に鮮やかで心躍る。陽光に輝く街並みは彼と走るこの道行きを祝福してくれているかのようだ。
何か良いことが、幸せなことが起こりそうな予感がする。綾花の心はうきうきとして弾んだ。
「それで、今日はどこへ行こうか?」
「ランチにはまだ早いし、どこかで遊びたいですね」
「でしたら、旧市街の古書店巡りなどいかがでしょうか? 掘り出し物が見つかるやも知れませんぞ」
二人は言葉を飲み込み顔を見合わせた。予期せぬところから何者かが口を挟んだためだ。
「ええと……ら、ラジオの声ですか? 今の」
「ラジオはつけていないよね……」
「珪様の愛情深きが故にといったところでしょうか。お気になさらず、私はお二人を真に敬愛し奉仕する者ですから」
やけにダンディな男性の、深みがある重厚な、それでいて聞き触りの良い低音ボイスだった。
声はどうやら、ダッシュボードのあたりから聞こえるようだ。しかし助手席の綾花が開けてみるも声を発するような、あるいは中継するような何かは見当たらない。
声は軽やかにはははと笑った。
「いえ、失敬。綾花様の仕草があまりに愛らしかったもので」
「わ、私を知っているんですか?」
「もちろん存じておりますとも。珪様程に、ではもちろんありませんが」
「僕のことも……? 一体誰なんだい?」
一つ咳払いをして、声はゆっくりと噛みしめるように述べた。
「私、お二人にご乗車いただいております、この車でございます」
やはり、二人は顔を見合わせ呆けた。
車は何とも博識であった。優秀な車載ナビを珪が搭載しているが故にだと語る。
「旧市街の一画に古書店が四件纏まっている場所がありまして。読書を嗜まれるお二人には魅力的なデートコースでは?」
「よ、良く知っているね」
「珪様の歩みがそのまま、私の知識として蓄えられるのです。珪様の薫陶の賜物とも言えますね」
「珪さんが大切に乗ってきたから、付喪神になったんでしょうか……」
「さて、私が果たしてそのような存在であると呼べるのか、はたまた我らが寝子島の神の御業のもたらす奇跡が私に一時意思をお授けになったのか。私には計りかねます」
確かに今日この時だけの現象である可能性もある。寝子島では良くあることだ。
そうだとしたら少し寂しいと、綾花は思う。喋る車の落ち着いて渋い声、その朗らかな陽気の虜になりつつあったので。
「ふふふ。そのように悲しい顔をされる必要はありませんよ、綾花さん」
彼に顔があったならきっと、見事に整えられたヒゲを一撫でしていただろう。
「貴女には珪様がいらっしゃるではありませんか」
「本当に何でも知っているみたいだね。何だか恥ずかしいな」
どこまで知っているのだろう。ふと思い当たることがあり、綾花は声を潜めて珪の耳元へ囁いた。
「この車の中でキスしたことも知られていたら、ちょっと恥ずかしいですね……」
「う、うん」
「わたくし、何も聞こえてはおりません。どうぞお二人で存分に、絆を深めて下さいませ」
気遣いのような拗ねているかのようなことを言って、車は実にいい声で鼻歌を歌い始めた。綾花と珪は思わず吹き出してしまった。
気持ちの良いドライブは続く。
「車さんから見て、珪さんはどんな人ですか?」
「先ほども申し上げたように、綾花さん程には存じませんが、あえて述べるとするならば、そうですね。誠実で人柄良く、決して他者を貶めることをせず、温厚でしかしながら芯は強く、諦めることなく己の信念を貫き」
「ま、待った待った。そのへんにしてもらえると助かるよ……」
「車さんだけが知ってる、珪さんの秘密は」
「綾花さん!」
照れたようにそっぽを向いた珪の耳は赤くなっていて、綾花は声を出して笑った。
「ふふ。今日は何て素敵な日だ。このようにお二人と会話し、談笑に耽ることができようとは」
旧市街を巡り、シーサイドタウンで昼食を取り、午後は星ヶ丘でウィンドウショッピング。そのいずれにも黄色の車は付き従い、嬉々として二人を運んだ。
いつまでこんな時が続くのかは分からない。いつまでも続けばいい。綾花はそう願いながら、ダッシュボードの上をそっと撫でた。
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夜更けのおしゃべりを彼らと
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月02日
参加申し込みの期限
2025年02月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!