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寝子島高校
夜更けのおしゃべりを彼らと
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あちらの方角だろうか。懐かしい島があるほうは。流れる雲を見上げて一つ、ため息を漏らす。
『なんだ、もうホームシックか? やれやれ、先が思いやられるよ』
「うるさいな……いいだろう、少しくらい」
八神 修
が珍しく砕けた調子でそんな風に言ったのは、声を発したのが勝手知ったる相手であるからだ。もうずいぶんと付き合いも長く、互いの長所も短所も知り尽くしている。良きパートナーであり切っても切れない間柄、故に遠慮も必要なく軽口を叩き合えるのだ。
『彼女に慰めてもらったらどうだい? あおいちゃん、ボク寂しくなっちゃったの~って。いつものようにさ』
「何だそれは、俺がいつそんなことを言った……!?」
『ははは、ムキになるなよ!』
修は苦笑いする。必ずしも彼の言うことが的外れとも言えないからだ。東京に拠点を移してからは一人暮らし、使用人もシェフもいない。恋人となった
七夜 あおい
と朝方や就寝前に通話をすることもあるが、人と一度も会話しない日もあった。修ほどに要領が良くても、大学一年生となった四月は何かと戸惑いがちなところはあるものだ。
そんな折、多忙と疲れに首を回しながらふと、つぶやいたのだった。「やることが多いなぁ」と、それに答えたのだ、彼は。『お疲れかい?』と。内蔵スピーカーを振るわせて……彼は修が高校時代から使い続けているノートパソコンだった。
「俺があおいに甘えるなんて。むしろ俺が彼女の支えとなってだな」
『なあ、俺が二人の通話の内容全部知ってるって、気づいてるかい?』
「……それは盗聴みたいなものじゃないのか」
『不可抗力だって、仕方ないだろ? 俺をダシにして楽しんでるお前が悪い』
「人聞きの悪い言い方をしないでくれ。君にインストールしたアプリを使って通話してるだけだろう」
『でも、楽しんでるよな?』
「おかげさまでね……」
テキストチャットもボイスチャットも可能な通信アプリは連絡を取り合うのに大助かりだ。そういう意味では彼に頼り切りで頭が上がらないとも言える……その通話内容の全てを彼が把握しているのだと思うと気にならないわけではないがしかし、彼にこうして意思があり話すこともできるのだと分かったのつい先程なのだから、これまでのことに非難や批判を述べるのは筋違いというものだ。その上で、修はこれからも彼を使って勉強なり副業なり、恋人との通話なりをしてゆくつもりである。いっそ開き直るしかあるまい。
「まぁ、何だ。感謝しているよ。これでもね」
『分かってるさ。たまには言いたいことを言い合うのもいいだろう?』
「二人きりでならね。くれぐれも俺とあおいの通話に割り込んだりしないでくれよ?」
軽い調子で言ってから少しだけ、後悔した。彼が面白そうにつぶやいたので。
『なるほど、そいつはナイスアイディアだな』
かくしてその日の就寝前、定例となっているあおいとの通話にて。
『すごーい、パソ太郎さんって博識なんですね!』
『いやいや。それほどでもあるけどね』
『あははは! おもしろーい!』
コテコテのハンドルネームで通話へ乱入した彼は、いつのまにやらあおいとすっかり打ち解けていた。いくらなんでもパソ太郎は安直が過ぎるだろうと修は思うも、あおいが訝しむ様子はない。遠方で悪辣な誰かに騙されはすまいかといささか心配が募る。
「……そのアイコンに設定した顔写真は何なんだ?」
『知らないのかい、今は便利な生成AIってものがあってだな』
「え、何のこと? AI?」
『いやいや何でもないよ、それよりあおいちゃんは料理が達者なんだってね、いつか手料理を味わってみたいもんだよ』
「あはは、そうですね。機会があればぜひ!」
あおいは彼を、大学でできた修の友人とでも思っているらしい。それはそれで好都合だが、何だか複雑な思いである。
『あ、私明日早いんだった! 今日はそろそろ寝るね。おやすみ、修君! パソ太郎さんも、おやすみなさーい!』
「ああ。おやすみ、あおい。また明日」
『おやすみ、いい夢見ろよっ!』
『あはははは!』
通話を終えると、修は苦虫を噛み潰したような顔を浮かべて思わず言った。
「あまりあおいに妙なことを吹き込まないでくれ……」
『ははは、嫉妬したかい? いい子じゃないか、本当に。君は幸せ者だな。修』
その声にいくらか陰りを感じ取って、修は続く言葉を飲み込んだ。
彼はパソコンである。実体を持たない存在だ。そんな彼はもしかしたら、修のような恋人との甘いやりとりにどこか憧れを抱いているのかもしれない。
それに対して修ができることはきっと限られるだろう。いつか可愛い番のメスパソコンを見つけてあげようなどと言うのも憚られるし。
「あー。そうだな……おかげさまで」
『何だい、俺が嫉妬してるように見えたかい? 俺はただ、俺を愛用する君には幸せになってもらいたいと思っているだけさ。俺の分までね』
しかしだからこそ、彼が本気で修の背を押してくれていることが伝わった。
「……ありがとう。善処する」
『ああ、それでいい。それでこそ僕の持ち主さ』
その日は遅くまで彼と語り合った。パソコンは徐々に型落ちし時代遅れとなっていくものだが、きっと彼との付き合いは長く続くことだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月02日
参加申し込みの期限
2025年02月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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