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夜更けのおしゃべりを彼らと
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四月のある夜だった。
Sophia、とは恐らく彼女そのものを指す名前ではないのだろう。確かに懐中時計の裏蓋にはそう刻まれているし、現在の持ち主となった
佐藤 瀬莉
も、きっと彼女自身も気に入っている。しかしその由来となったSophiaとはいかなる人物か。いつか知る時が訪れるのだろうか。
「瀬莉。またあなたとお話できるだなんてね」
「Sophia!」
寝ぼけ眼をこすり見つめたが途端、瀬莉は華やかに表情を明るくしながらベッドから飛び起きた。彼女はワンピースを身に纏う清楚な女性の姿を取って現れた。年の頃は二十代後半といったところか。穏やかで落ち着いていて、楚々とした美しい女性が、いつも瀬莉が勉強や機械いじりをする机の前の椅子に腰かけていた。
人の姿となった彼女と邂逅するのは何度目だっただろうか。二度目か、三度目か。いずれにしても瀬莉にはそれがごく自然なことと思えた。まるで少し年の離れた姉ができたような感覚だ。
「Sophia、お久しぶりね!」
そう言うとSophiaは瀬莉へ柔らかく微笑んだ。
「瀬莉。五月一日は何の日かしら」
「えっ? それって……」
「ふふ、もうすぐあなたの誕生日ね」
にこやかに彼女は瀬莉の手を取った。あたたかく柔らかな、しなやかで普通の手だった。
「お誕生日おめでとう。少し早いけど、いつまたこんな風に伝えられるか分からないから」
「うん……ありがとう。ありがとう、Sophia!」
思わず胸に飛びこむと、彼女はその手で瀬莉の髪を優しく撫でてくれた。
誕生日。そうか、と瀬莉は感慨深く思う。そもそも瀬莉は幼少から身体が弱く病気がちで、医者には無慈悲なことを幾度も言われたものだ。いわく、次の春は迎えられない……などと。しかしそれから数年の時が経ち、瀬莉はこうして十四の誕生日を迎えようとしている。
「あの頃はいつも伏せってばかりで、心配していたのよ。こんな風に元気に育ったあなたを見られるなんて……」
「あたしは、Sophiaのおかげって思ってるよ」
そう言うと彼女は、意外そうに目を見開いた。瀬莉は口元を緩め、穏やかに言う。
「あの時……あのフリマでSophiaと出会ったから。時計の修理を覚えて、頑張って、ようやくSophiaが綺麗になった時、あたしは生まれ変われたのかも。やりたいことができて、夢ができて、生きたいって強く思えたから……だからきっと病気も治ったんだよ」
「そう。そうだといいわね。私も嬉しい」
Sophiaは瀬莉の頭を抱き寄せる。彼女は幾度となくそうした。愛おしさがあふれて抑えきれないように、優しく力強く瀬莉を抱いた。
「ねぇSophia! またいつか、あたしと一緒にお出かけしようよ。紹介したい場所がいっぱいあるんだ」
「ええ、もちろん。瀬莉と一緒に行きたいわ。いつかと言わず、私は今からでもいいわよ?」
「えっ、今から? でももう夜だし、見つかったら怒られちゃうし……」
「そうよね、瀬莉はまだお子様だものね。おねむだろうし夜更かしは辛いわよね」
「むむむっ。い、言うなぁ……!」
悪戯っぽく笑った彼女の挑発に乗ってしまうのも、今夜くらいはいいかもしれない。また人の姿をした彼女と行動できる時がいつ訪れるとも分からないのだし。それに彼女が姉のようなものだとすれば、保護者同伴ということになるだろう……多分。
二人は声を潜め気配を殺し、家を抜け出した。くすくすと笑い合い、そっと扉を閉めるとせめぎ合う安堵と冒険心が瀬莉を昂揚させる。
夜の星ヶ丘は静かで神秘的で、何やら秘密めいていて胸が高鳴った。人通りは少なく街はひっそりと静まり返り、それでいて淡い月明かりとぎらつくネオンが二人の姿をぼうと浮かび上がらせる。
「綺麗ね、瀬莉」
「うん……すごく綺麗」
Sophiaはきっと街並みを指してそう言ったのだろうが、瀬莉が見つめたのは彼女だった。不思議な姉はずいぶんと年上ではありながら、こうして若々しいのは瀬莉が手をかけ修理を施したからかもしれない。それが誇らしい。そしていつまでも、と思う。彼女を、懐中時計を、あるいは世の時計たちをできる限り長く動かし続けるのだ。そのための技術を瀬莉は習得している最中だが、情熱は既に十二分に備えている。
いつまでも。強くそう思う。
「ねぇ瀬莉、あっちに行けば星がよく見えそうよ。行ってみない?」
「星ヶ丘マリーナのほうだね。いいかも。行ってみよう」
彼女の差し出した手を取るのに、ほんの少しだけ逡巡した。ひどく子どもに見られてはしまわないか。背伸びをしたいお年頃である。しかしすぐに思い直した。この稀な機会が二度あるかは分からないし、この時間に誰が見ているわけでもない。
手をつなぎ、星に向かって歩き出した。しかし瀬莉はそれらに照らされる彼女の微笑みを、星々よりも綺麗だと思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月02日
参加申し込みの期限
2025年02月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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