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にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 鷹編
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【近づきたいから】
あこがれのひとがいる。
榛耶道場は今日もヒリついてた。肌が粟立つってきっとこういうこと。衝撃が空気を揺らして、わたしの芯まで揺らすかのよう。足元が震えて、脳髄がアドレナリンで侵されるあの感覚。見ているだけでこれだ、立ち会ったなら……。
「ふッ……!!」
「ぐえ!」
ああ。あこがれのひとがいる。目の前に。
吉住 志桜里
さん、ああ……このひとはどうしてこんなにも、強く、美しいのだろう。
「痛ーった! 少しは加減しろよしおパン! 痛、いって、おい、ちょっと!」
「いつになったら学習するんですかねえ、あなたは? そのあだ名を言うな、っと」
「のおおおおおギブギブギブギブ!!」
相手をしてる
雨梨栖 芹香
さんだって、別に弱くない。わたしなんかよりずっと強い、それになんか不良みたいだし、ちょっと怖い。べつにビビってるわけじゃないけど。
「くそ、ワンモア! リベンジしてやる」
「その意気や良し。受けて立ちましょう」
「ヨユー見せつけてくれるじゃないか、師範代……!」
そう、彼女は、志桜里さんはあの若さで師範代なのだ。技のキレ、冴え、真芯を射抜く正確さと強靭な足腰が生み出すパワー。ここぞという瞬間の勝負勘、読み合いの強さ、どれをとっても並みじゃない。わたしとそう歳なんて変わらないはずなのに、こんなにも……あのひとは、完成されてる。
「たああああ!!」
「甘い、あまい♪」
「ぐえ」
突きの見切りの精密、精緻。いつ前に出た? 反撃も淀みない、まるで流れ出した川が決してとどまることのないのと同じように、自然で完璧。一部の隙もない。
「遅いわよ、それじゃあ跳びこまれ放題だわ。こんなふうに」
「うげ、あが。うごごご」
こんなふうにじっと見ていても、目が追い付かない。今何発入れたんだ? 数えられなかった、ああ、芹香さんをあっという間に追い込んでく。また一発、もう一発、ぜんぜん本気じゃないのに芹香さんはもうふらふらだ。わたしならあんな時、きっと……。
「よお。お前、見てるだけでいいのかよ?」
あまりにも集中していたらしい。急に肩をたたかれて、わたしは文字どおりに跳びはねた。それを見て、
詠 寛美
さんはおかしそうにけらけらと笑った。
「こんなの見てたらさあ。やっぱ、やりたくなんだろ?」
詠さんのことはそれほどよく知らないけど、わたしなんかにもこうして話しかけてくれる。話題はまあ、ケンカのこととかどんなふうに腕をキメたら痛いとか、そんな話ばかりだけど……でもたまに面白い本を紹介してくれたりもする。
わたしは答えた。もちろんやりたい。やってみたい。でもわたしなんかじゃとてもかなわないし、迷惑に思われないか心配。わたしの技なんてとても通じないだろうし、退屈な思いをさせてしまったら。と、そのようなことを気が付くと羅列していた。
詠さんは怪訝そうな顔を浮かべて首をかしげ、眉をひそめて言った。
「ヘンなヤツ。んなもん、やってみねーとわかんねえじゃねーか」
「うおおおギブアップ! ほんと、もう、限界、な、しおパ……あがががが」
「んじゃ雨梨栖、次は俺となー」
「いててて……少しは休ませてやろうとか思わないのかね、まったく」
ごきりと首を鳴らして、詠さんは一切のためらいもなく踏み込んでいく。あんなふうにわたしにはできない。
「じゃあ、あなたは私と手合わせしてくれる?」
す、と手を差し伸べられた。白魚のような、なんてそんな言葉はきっと、この瞬間のためにある。あんなにも強く、流れるように自然で、美しいあのひとの手に初めて触れてわかった。おそろしくなめらかで引き締まっていて、綺麗なだけの鶴やカモシカを想像していたのに、その手はしなやかな獣のそれだった。
「ま、軽く汗を流す程度で。壊しちゃったりはしませんから、安心してかかってきてくださいね」
わたしはそれを自分の身で実感することになった。道場の真ん中で、志桜里さんと初めて向かい合う。ああ、なんて。なんて、こんなにも、このひとは。
「さあ、もっと激しく。もっと強く、打ち込んできてください。もっと、もっと!」
やみくもに腕を振りまわす子どものケンカのようには見えないだろうか。わたしの突きにも蹴りにも、彼女ほどの覚悟は宿らない。詠さんにだってかなわないし、雨梨栖さんにさえ、手も触れられないかもしれない。空を切る。それだけだ。
あこがれのひとが目の前にいる。だというのにわたしは、押しつぶされそうだ。わたしの中でふくらみ続ける重たい感情は、こうなる前にはもっと明るいものであったはずなのに、今のわたしのこの無惨な気持ちはどうだ。わたしの中にこんなにも劣等感があったのか。まぶしすぎて見つめられない。
「あら、あまり気が乗りませんか?」
そんなことはない、決して。気おくれしてしまうだけ。
「ふむ、仕方がないですね。誰しもそんな時はありますし……」
やさしい言葉、けれどきっと、失望させてしまった。時間を無駄にさせてしまった。ああ。わたしは、わたしなどが、あなたと……。
「でしたら。私からいきますね♪」
えっ? と思った直後、わたしの意識は一瞬で刈り取られていた。
「やりすぎだって、しおパンはさ……あ痛っ」
「私は当ててないわ。感受性の高さと観察眼がこの子の強さね」
「吉住、あんたの突きを最後まで目でとらえてたよな。ヒットの直前、脳がカン違いしちまったんだろうさ……お、目が覚めたみてえだぜ」
かたい床板の感触が背中に食い込み、わたしはうめく。そうか、倒されてしまったのか。目の前いっぱいに志桜里さんの拳が広がって、それで……ふがいない、一発さえ、触れることさえできなかったなんて……分かってたけど。わたしなんて……。
「あなた、見どころありますね。きっと強くなります、私が保証しますよ」
なにを言われているのか一瞬、分からなかった。えっ? わたしが? えっ?
「なにごともじっくりと深く観察して考察できるのは、あなたの持ち味だわ。今はまだ身体が追い付かないだろうけど、その才能、大切に育てていってくださいね」
ああ。そうか。誤解していた。あこがれがわたしの目をくもらせていたらしい。
彼女は……志桜里さんは、戦士なんだ。やさしい言葉なんてかけてはくれない、代わりにおくられたのは、身の奥から奮い立たせてくれるような、戦士を鼓舞する言葉だった。
手渡された冷たいボトルを開け、水を含む。頭から少しかぶり、馬鹿みたいに熱くなった脳を冷やすと、わたしは手合わせの礼を述べた。
そうして彼女は、心よりの笑みをわたしへくれた。
「もう一本ですか? ふふ、その意気! もちろん、受けて立つわ。楽しみましょう?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月02日
参加申し込みの期限
2025年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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