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にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 鷹編
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【オヤツ探偵セレン】
「これは由々しき事態なのです、セレンどの」
そう言われましても。
水槻 清恋
は鼻白み、ただその場に立ち尽くしていた。
目の前でつばといっしょに熱弁をとばすのは、二本の足で立つトラである。彼はこの国の大臣であるらしい。なるほどたしかに、彼の自前の見事な毛皮の上には、ちょっと上等なお召し物を身にまとっていらっしゃる。
「ご多忙を極める女王にとって、どれほどに余暇のひと時が大切であることか。日々のけがれと疲労を落とし、心身ともに充実してこそ執務にもそのご威光が宿ろうというもの。しかるに女王の心の静穏を保つことは我ら家臣にとってなにより優先されるべきなのです、そうでしょう?」
「はあ……」
「しかしながらまことに遺憾、これを阻むものがおるというのです、事もあろうかこの城内に! つまり……女王の3時のオヤツを勝手に食べたもの、極刑に処するべし!!」
「はあ」
二度目のはあ、は相槌ではなくため息であった。
いわゆる謁見の間、というやつだろうか。だだっ広い空間の床は一面がベルベットで覆われ、壁や天井は純白ながら顔が映り込みそうなほどピカピカに磨き上げられている。広間は奥へゆくほど階段状に高くなり、幾人もの家臣たちが並び見上げた先には、件の女王が豪奢な椅子にちょこんと腰かけていた。女王は小柄な白ネズミで、つまらなさそうにつんと口元をとがらせながら事のなりゆきを見つめている。
「女王、ご安心を! 東の果てより来訪したサルのセレンどのは、失せもの探しの達人だとか。必ずや不届きものを見つけ出し、女王の前へ引っ立ててくれましょう。ねえセレンどの!」
「……言いたいことはいくつかあるけど、ひとつだけ」
不愛想な女王の前で清恋もまた仏頂面を崩さぬまま、もう一度こぼれたため息とともに告げた。
「私はサルじゃない」
ではなんの動物かと問われれば答えようもなく、それ以上ごねるのはやめておいた。非常に理不尽なことだが。
ともかく、脈絡なくこの世界へ呼びこまれてしまったわけで、寝子島へ戻るにはきっと清恋自身に課された役割を果たすことが必要なのだろう。この手の現象においてはいっそ割り切ってそうするのが得てして解決につながることを、清恋は知っていた。寝子島住人はタフで適応が早いのである。
「セレンさん、まずはどこから調べますか? ぼく、どこへでもご案内しますよ!」
だから犯人捜しとやらに付き合ってやるのはやぶさかではない。清恋は寝子島警察署所属の刑事であって探偵ではないのだが、その違いをあのトラやらネズミやらに語ったところで理解してもらえるやら。素直に従ったほうが帰還は早くなるだろう。
しかしながら、清恋の眉をひとつへにゃりと曲げさせるものがあるとすれば、
「やっぱりキッチンでしょうか? ちなみに今日の女王さまのオヤツは、プリンだったそうですよ」
「分かったわ。分かったから……あまり見ないでもらえるかしら」
「どうして? セレンさん、こんなにキレイな目をしてるのに。ふふ、セレンさんは照れ屋さんなんですね♪」
いたずらっぽく笑う、猫の少年。捜査を行う清恋の助手としてつけられた、彼の目だった。
彼自身は人なつっこく、いささかコアクマ的コワク的なところはあるも実にいい子であるのだが、清恋は猫が少々苦手である。思い出したくもない過去の浅慮な自分がぷかりと記憶から浮かび上がってくるもので。
「……ええ、そうね、キッチンへ向かいましょう。あなたは私と別のところを探すの、いいわね」
「はーいっ」
元気よく返事をして、子猫はおしりをふりふり。小奇麗に整えられたキッチンの反対側を彼が探す間、清恋は腕組み。思案する。
事件のあらましはといえば、本日3時のオヤツの時間、ネズミ女王へ出すはずのプリンがキッチンから消えていた……とそれだけだ。きっと誰かが不敬なことに、つまみ食いでもしたのだろう。犯人を見つけ出すことはそう難しくないように思える。聞き込みをし、この世界の住人たる動物たちの特徴的な毛の一本か二本でも見つければ、答えを導き出すことはおそらく可能だ。しかし果たして、それは事件の解決と言えるだろうか。
「たとえば……あなたが女王のプリンをつまみ食いしたとして」
「ええ? そんな、プリンは大好きだけど、ぼく、そんなことしないです!」
「たとえばの話よ。そうだったとして、あなたはどうなるかしら?」
「しばり首、かなあ? 身体中の毛皮をはがされちゃうかも。それともギロチン?」
思いのほか剣呑な言葉が子猫の口から飛び出し、清恋の眉はますますひん曲がった。
無論のこと、犯罪者を見つけ出ししかるべき司直にゆだねるのが清恋の仕事であるわけだが、この世界においてはどうも、そのための能力を愚直に発揮することはためらわれた。人間の醜さや狡猾、吐き気をもよおすような所業だって嫌というほど見てきたが……この世界の動物たちは、みなどこか粗忽なだけで邪悪なわけではないように思う。そんな者を、無垢がゆえに残忍な処刑の憂き目にあわせてしまっていいものだろうか?
「……これは?」
「あっ、なにか見つかりましたか? セレンさん」
と。清恋はつまみ上げたそれを、ぱたぱたとやってきた助手の眼前にかかげて見せた。
「こ、これは……この白くて短い毛は」
「私の見る限り、これは女王本人のものに見えるのだけど。この城に、ほかに白いネズミはいる?」
子猫は首を振った。
つまりつまみ食いをしたのは、女王自身だったのだ。小腹がすいた女王は3時のオヤツの時間に先んじてキッチンへ忍び込み、ぺろりと食べてしまった。しかしうるわしの女王がそのようなはしたない行いを告げることははばかられ、黙しているのだろう。
「どどど、どうしましょう? 女王がつまみ食いだなんて、そんなことを告発したら……」
子猫は一転、狼狽を隠せないが、清恋は安堵した。解決の糸口と、間もなく迎えるだろうタイムリミットがひとつの線でぴたりと結ばれたので。
「いい? 大臣にはこう伝えなさい。東の果てから来たいやしいサルがプリンを盗み食いし、逃げたとね」
「ええ!? でもそんな」
子猫は続く言葉を思わず飲み込んだ。清恋の身体が次第に透けてゆき、また光を帯びてゆくのを目の当たりにして、ぽかんと口を開けていた。きちんと大臣に伝えられるかしら、と清恋は苦笑いし、
「いいわね、ちゃんと言うのよ。それじゃあね」
「せ、セレンさん!!」
ふと気づくと、目の前に立っているのは子猫ではなく、部下だった。
「お疲れさまです、水槻巡査部長! 現場に案内します」
「……ええ。頼むわね」
かの世界の平穏が保たれることを願いつつ、清恋は事件現場へと踏み込んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月02日
参加申し込みの期限
2025年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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