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木天蓼大学の講堂から卒業生が一斉に現れる。約二時間の卒業式を終えた解放感で一様に笑顔を浮かべた。
その中に
青山 絢
の姿があった。羽織袴を着てふらふらと歩いては方々に目を向けた。髪の短い女性を見つけると、じっと見つめる。その数秒後、決まって落胆の溜息を吐いた。
――仕事で来られないと聞いていたのに、どうして探しているのだろう。私だけが寂しいわけではないわ。真優理さんもきっと同じ気持ちのはず。
絢は相手を想って考えを切り替えた。同じ学部の友人を見つけて自ら声を掛ける。
「記念写真をお願いしてもいいかな」
「いいけど……本格的なカメラではないよね?」
「このスマホで写真を撮って欲しいんだけど」
絢は持っていた巾着袋からスマートフォンを取り出した。目にした友人は力が抜けたような顔で笑った。
「プロ仕様のカメラじゃなくて本当によかった~」
「そんなの持ってきてないよ。でも、どうして?」
「だって青山さんって女優だし、写真一枚でもこだわりがありそう。あとさ、卒業式にいることがびっくりだよ。仕事は大丈夫?」
友人は素で心配しているようだった。
「実はこれから東京にとんぼ返りで、バラエティ番組の収録があるわ」
「すっかり売れっ子だねぇ。私なんか、しがない市役所勤めだよ。なんて言ってる場合じゃないよね。急いで撮らないと」
友人はスマートフォンを受け取ると指示を出した。
「もう少し右。そう、そこで卒業証書と学位が見えるように持って。もっと自然な感じで」
「これでいい?」
「そう、そのまま。はい、チンアナゴ」
不意打ちのような言葉に絢は自然な笑みとなった。
「チーズかと思った」
「少し捻ってみた。おかげで良い笑顔が引き出せた。私的には大満足だよ」
友人は絢にスマートフォンを返すと賑やかな輪の中へ割り込んでいった。
星ヶ丘で随一と謳われる高級ホテル
『ステッラ・デッラ・コリーナ』
の朝は早い。三年前にチーフコンシェルジュに抜擢された
水谷 真優理
は凛々しい顔付きで的確な指示を与える。
「今日は大口のお客様がいらっしゃいます。先程、渡した用紙にご要望を書き出しておきました。各自、内容を頭に入れて素早い対応をお願いします。ここまでで何か質問はありませんか」
集まった若々しいコンシェルジュに優しい眼差しを送る。一人の女性がおずおずと手を挙げた。
「仁科さん、どうぞ」
「調理場の大場シェフの話ではフォアグラの在庫が心許ないとのことでした」
「こちらでも把握しています。そこで対応の早い業者に先程、連絡を入れて手配して貰える言質をいただきました」
「あ、それならオッケーだね」
「言葉遣いに注意してください」
やんわりとたしなめると女性は顔を赤らめて、はい、と小さな声を返した。
ミーティングを終えると各自、持ち場についた。
真優理は別室の椅子に座ると大きな溜息を吐いた。
――今日は絢ちゃんの大学の卒業式があるのに。
机上の時計は午前七時半を示す。駆け出したい衝動を貧乏揺すりで堪えた。その表情は悲しみに打ちひしがれ、あからさまな不満で口はへの字に曲がっていた。
――東京で一人暮らしの絢ちゃんが寝子島に帰ってくるのに会えないなんて、悲しすぎるわ。戦隊ヒロインで大ブレイクしたのは嬉しいんだけど、今のこの状況は素直に喜べないよ。ああ、もう、どうしたらいいのよ。
心が乱れる中、インカムで早々と応援要請がきた。
椅子から立ち上がった真優理は背筋を伸ばし、穏やかな表情で部屋を出ていった。
仕事は多忙を極めた。トラブルは当たり前のように起きた。真優理が呼び出される回数は比例して増える。
合間に重要な会議に参加した。取締役が揃い、今後の方針や新しいシステムの内容を話し合う。現場の意見を求められた真優理は代表して答えた。
二時間近い会議を終えると真優理はきびきびした動きでフロントへ向かう。右手にはスマートフォンを持ち、時間を確認した。
――絢ちゃんの卒業式が終わってしまった。抜け出すことはできなかった。ああ、鬱になるわ。
項垂れた姿で電源を切ろうとした。直前に着信に気付いた。通路を歩きながら添付された画像を拡大した。
講堂を背にした
青山 絢
が羽織袴姿で微笑んでいた。
目にした真優理の口角が不自然な程に吊り上がる。
――絢ちゃんが私に微笑みかけているわ! 目の奥の優しさが胸に沁みて、震える。これなら頑張れる。今日の仕事を華麗に乗り切れるわ。
少し潤んだ瞳に力強い足取りが加わる。その勢いは増して髪を靡かせた。
星が瞬く頃、真優理はマンションに帰ってきた。午後十時を過ぎていた。
部屋に入ると明かりも点けず、よろよろと歩いてベッドに顔から倒れ込んだ。右手に握ったスマートフォンにぼんやりした目を向ける。
――こんな時間に電話をしたら迷惑だよね。年上の私が甘えたら、みっともないし。
瞼が下がってきた。目を閉じる寸前で軽快な呼び出し音が鳴り響く。
真優理は慌てて電話に出た。ごろんと仰向けに寝転がって嬉しそうに笑う。
「どうしたの、こんな時間に。現場とかで問題があった?」
『真優理さんの声が聞きたくなって。あと送った写真はどうかな。友達に撮って貰ったんだけど』
「とても艶やかで綺麗だったよ。それと卒業、おめでとう。本当は式に出て言いたかったんだけどね」
『仕事だから仕方ないよ。そう、仕事の話なんだけど、聞いてよ。今日、バラエティ番組の収録があって卒業式の格好のまま行くことになったの。そのせいで周りの目が気になって仕方がなかったわ』
一緒に住んでいた感覚が戻ってくるようだった。
真優理は笑みを含んだ表情で言った。
「絢ちゃんが女優さんだからだよ」
『えー、絶対に違うよ。そんな視線じゃなくて、驚いて振り返るような感じに近いと思う。真優理さんは見てないからそう思うのよ』
「そうかもね。あ、番組の方は。上手くいった?」
『バラエティはあまり好きじゃないんだけど、スタジオ入りしたらヘンなスイッチが入って芸人並みに笑いを取ったよ』
活力に満ちた声を聞いて真優理は安堵の表情を見せた。
その後も話は尽きず、スマートフォンを持っていた右手が痺れるまで会話を続けた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月02日
参加申し込みの期限
2024年11月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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