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ありがとう・2
まただ。
タルトは目をぱちくりとする。
さっき猫タブのことを思い出したとたん、懐かしい記憶がよみがえった。
頭に思い浮かべただけではなかった。段ボールの山のむこうに、目に見える映像として流れはじめたのだった。気のせいではないだろう。
まるで走馬灯?
記憶にせかされるようにして段ボールを開ける。たくさんの同人誌を取り出す。全部ネコミケの頒布物だ。自分がペンをとった、あるいは一緒にならべた本ばかりだ。
猫タブデビューにつづいて、タルトは友人と組んでネコミケにサークル参加した。人生初ネコミケだった。
机いっぱいに本を配置、ポップを立ててポスターを机に貼り、釣り銭用小銭もしっかり用意、そして自分は猫耳カチューシャを装備して、あふれかえる参加者に声をかけていく。
「どうぞご覧くださーい」
「すべて新刊でーす」
「見本誌どうぞー」
最初は照れて小さかった声も、次第に元気になっていった。
箱から忘れじの一冊が出てきた。『マイスターゾンビ』と手描きでレタリングしたタイトル文字、淡い橙色のカラー、表紙を飾るのは見目麗しい二人の少年だ。いまのタルトの技量からすればまだまだ稚拙な絵柄だけれど、当時何枚も何枚も描いて描いて描き抜いて、傑作できた! と確信した絵ゆえに愛おしさしか感じない。中身はほのぼのBL本だ。主人公は架空の名前だけれども、とある実在の先輩をモデルにしているのは公然の秘密(?)である。
このとき同時に用意したファンタジー漫画『トータス島戦記』も見つかった。剣と魔法の定番ファンタジー作品だ。話運びは荒削りだが、最大の売りである戦闘描写は、いま見ても我ながらよくできていると思う。
さらにはシュールギャグ本『ぬこだらけ』の登場だ。キモカワイサが受けたのか、冒頭ページのギャグがパンチ力抜群だったおかげか、これが一番数が出て、嬉しい在庫切れになったことはいまでも誇らしい。
サークルを組んだ友人のコスプレ写真集も、いまでは貴重な一冊といえよう。
初ネコミケの頒布物はもちろん、タルトはこれまでの本も読み返した。時間を忘れて読みふける。やがてあらためて『マイスターゾンビ』を手にすると、しみじみとタルトは思った。
――これがはじまりだったんだ。
そう、BL妄想の!
寝子高生活は妄想の宝庫だ。だって現役男子高生、それも妄想しがいのある設定(半生?)と容姿をもつキャラに事欠くことはなかったから。教師たちだってたくさんの材料を提供してくれたものだ。
やはり走馬灯のごとく過去の自分を見る。
授業中に妄想した。登下校中でも妄想した。体育祭でも。修学旅行先でも。
ああ、なんか僕、わりとどこでも妄想してた気が……。
彼と彼との秘められた愛を妄想した。
そこに第三の登場人物がからむ、あやうくもときめく恋模様も妄想した。
関係性を考えるだけで胸が熱くなる。
でも指先がふれあったり、軽いキスをする場面を想像すればたまらなくなる。
それ以上の展開を思い描けばもう――たぎる! 震える! 想いは空へと跳ね上がる!
自分のなかでも最高レベルに過激な本をめくって、タルトは額にうっすらと汗をかいた。我が作品ながら恥ずかしい。あと、申し訳なくもなる。だってこの本はある美しい先生の授業を受けながら、妄想した内容だったから。
なお妄想の内容はBLだけではなく、GL、NLとバリエーション豊かであったことも記しておきたい。
このとき突然、にゃあという声を耳にしてタルトは飛び上がった。
「えっ!? 猫!」
南向きの窓枠に、いつのまにか一匹の猫がいたのだ。どこから来たのだろう。こちらを見ている。
あれ、桜色の猫?
噂では聞いたことがあった。桜色の猫を見るといいことがある、と。
でも目の当たりにしてタルトがいだいたのは、単に「ラッキー」というだけの感想ではなかった。
――あの猫、なんだか変身したときの僕みたい?
体つきが似ている。顔もそっくりだ。似ているなんてレベルではない。鏡を見ているに等しい。
もしかしてこれ、ドッペルゲンガーってやつ?
タルトは唾を飲みこんだ。
でも怖いなんて思わなかった。むしろ嬉しいと思った。
もしかして僕の回想って、あの猫が見せてくれたのかな。
僕が僕自身に、過去の僕を見せてくれた……ってこと?
「ありがとう」
タルトは猫に言った。
ありがとう、僕。
いてくれてありがとう。
これまでありがとう。
そしてこれからも、よろしく。
卒業しても、ろっこんがなくなったとしても、これから楽しいことはいっぱいあると思うんだ。楽しみにしてるよ!
風に吹き上げられたのだろうか、桜の花びらが猫の頭上から何枚も舞いこんでいる。
タルトは桜色の猫にほほえみかけながら、心のなかで新たな物語の幕開けを感じていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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