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もうひとつの卒業、桜色のにゃあ
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ありがとう・1
「わーっ、今日の空、背景作画班フルパワー!」
思わず声がはじけた。
南向きの窓枠に肘をつき、
響 タルト
は顔を輝かせる。高い位置でまとめた黒髪のポニーテールが、ちょこんと弾むように揺れていた。長いまつげが影落とす瞳は、キラキラとしてまじりけがない。
窓の外に広がっているのは、アニメの神作画回かと思うような景色だった。
淡い青、澄んだ青、ほんのり白がレイヤーで重なる空模様は、名作アニメの背景美術さながらだ。エフェクト全開のグラデーション、透き通るような空気感に見とれてしまう。
視線を少し下げれば、桜の花が作り上げるパノラマがある。これでもかと言わんばかりに、春色を惜しみなく放つ花びらたちが、風に乗ってひらひらと舞っていた。白っぽいけれどピンク、ピンクっぽいけれど白――その微妙な色のうつろいはまさに花霞(はながすみ)、この時期だけの絶景だろう。
最高だよね!
そう頭に浮かんだのだけど、
「いよいよ卒業かあ……」
ぽつりと漏れた言葉に、タルトは自分でもびっくりした。素敵な春景色とはうらはらに、自分のなかにぽっかりと、すきまが空いているように感じている。
タルトは振り返った。
部屋のなかには、昨日まとめた段ボール箱がいくつか積み上がっていた。卒業後の新生活開始にあわせ、一念発起して整理していたのだ。
スケッチブックや画材が詰まった箱がある。コスプレ用の衣装と小道具が眠る箱もある。そしてBLやGLの漫画、それも主として同人誌がぎっしり詰まった箱もいくつかある。タルトが三年間で生み出したもの、出会ったもの、あるいはいつのまにか手元にあるもの、あふれそうなほどたくさんの記憶のかけらの、これらはほんの一部にすぎない。
タルトは段ボールに手をのせた。紙の手ざわりをたしかめるようになでる。またすぐ使うものは入れていないつもりだ。ガムテープでふさいだ箱の中身は、とりあえず押し入れの奥にしまっておいて、いつかまた必要とされる日を待つ記憶たちだと思っている。
でもこの箱、開けることがあるんだろうか――そんなことを考えて、タルトはなんだかアンニュイになっているのかもしれない。
いろんなことがあったよ。寝子高での三年間に。
いろんなこと、思い出されるなあ。
たとえば、イラストデビューしたときの記憶だ。
タルトがまだ高校一年生だった春のことだ。タルトと友人ふたりは、週刊ゴシップ誌『寝子島タブレット』(通称:寝子タブ)にあるオカルト記事を投稿することに決めた。
寝子タブは、かつて寝子島で発行されていた週刊誌だ。観光情報や島の大小さまざまな地元ニュース、ときには信憑性の薄い噂すら大げさにあつかうという編集方針だった。とりわけオカルト分野の記事に力を入れており、何度か特集号すら出したのだが、残念ながらいずれも不発で、これが廃刊の原因になったと言われている。
タルトらが投稿ネタに選んだのは、『化けカナリア伝説』とその『証拠』写真だった。
タネを明かせばなんのことはない。カナリアに変身できる『ろっこん!』の持ち主である友人に変装してもらい、変身最中の姿を別の友人が撮影しただけのインチキ……もとい、ドリーミーな写真であった。とはいえそもそも『カナリアに変身できる』という事実自体を、「なんのことはない」と片付けられるところが寝子島という場所のすごさではある。
変身の過程を説明するため、タルトは簡単なスケッチを描いてみた。芸術作品ではもちろんなく、そもそも誌面に載せてもらおうとも考えていなかった。投稿したとき編集者に通じればいい、くらいのラフな絵でしかなかった。
しかしそのスケッチを見た友人が、なにげなくタルトの絵を褒めたのだ。
絵がうまいな、と簡潔に。
彼女の一言がタルトの心に火をつけた。
「じゃあ、記事の挿絵も僕が描いちゃおっかな!」
こうして完成した『化けカナリア伝説』の記事は見事、寝子タブに採用となった。しかも怪しい写真とともに、タルトが描いたイラストも誌面を飾ったのだ。写真よりイラストのほうが扱いが大きいくらいだった。
この経験がきっかけでタルトはイラストに熱意をいだくようになり、やがて寝子タブ誌面で正式にイラストレーターとして採用されることになった。わずかながら原稿料も出たので、いい小遣い稼ぎになったと思う。
誰もが気軽に創作の世界へ飛びこめる、そんな自由な空気を持つ寝子島。その空気が、タルトにとっての大きな一歩を後押ししてくれたといえよう。
思い出すともうたまらなくなった。
あのとき描いた絵、もう一回見たいっ!
「あったかな~、これだっけ?」
せっかく箱詰めしてガムテープまで貼った段ボールだが、そのひとつをタルトはベリベリと開けた。
箱から順番に、大量のスケッチブックを取り出し調べる。何冊かめくったが見つからなかった。途中から面倒になって段ボールごとひっくり返し全部床にぶちまけたところ、箱の底の底に入っていたスケッチブックにタルト画の化けカナリアが見つかった。
「あったー!」
タルトは愛おしげにイラストを眺めた。大切な記憶、これを眠らせようなんてどうかしていた。
でも寝子タブに載せてもらうだけじゃ、意欲がおさまらなくなったんだよね。
イラスト描きの楽しさが高じて、やがてタルトは絵だけではなく、描いたキャラクターに魂を吹きこむことにも興味をもつようになった。
つまり漫画だ。
「同人本っ!」
タルトの瞳に炎がやどった。頬もうっすら赤くなっている。
いま、タルトの視線の先には、『同人誌その一』とラベリングした段ボール箱がある。
この箱も、開封をまぬがれることはあるまい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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