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もうひとつの卒業、桜色のにゃあ
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あの日々の、その先へ・3
やがて映像はゆっくりと薄れ、光と色が静かに消えていく。
最後に残ったのは、ショーウインドウのガラスに映る街の景色だけだった。
ふーっと息を吐き出す拓郎の表情には達成感が混じっている。
賑やかすぎるフツウの日々、とても濃い三年間だった。
あらためて思う。後悔のない高校生活だったと。
彩葉にも後悔はない。もちろんだ。
けれど映像が切り替わるたび、サプライズやプレジャーに目を奪われるたび、寂しい気持ちになったのも事実だった。
「もう一回、高校生活を一年から楽しみたいなって気持ちになっちゃった」
ぽつりと彩葉はつぶやいた。
もちろん、そんなことはできない。
人生は一度きりで、私たちの高校生活はもうすぐ終わる。
聞き流してくれてもよかった。
しかし拓郎は、彩葉の言葉に応じた。
「もう一度、高校三年間を……ソレも凄く、楽しいことと思う。でも……樹形図、とか、フローチャート、とかだっけ? もう一度、で、まったく同じ道はたどれない……よな」
彼女と交際に至っていない人生になったかもしれない。そればかりか、友達になることすらなかったかもしれない。
「俺はいま、ここにいる道を選んでよかったと、本当に思う。彩葉さんと出会えて……笑いあえて、そんな日々があったからこそ、これからの道にも、希望が持てるんだ」
だから、と拓郎は言った。
「俺はいま……いる、この道を、歩いていきたい」
彩葉の、ほんのわずかの迷いはたちまち霧消した。なぜならここで終わりじゃないから。
積み上げてきた先があるから。
「そうだね! これから、たくさんの新しいことが待ってるんだよね。進学したり、仕事をはじめたり」
「うん。でも、どんな未来になっても、隣には、彩葉さんがいてほしい」
「私もだよ、拓郎のいない未来なんて想像すらできないよ」
彩葉は自然に、その先にも想いを馳せていた。結婚、ほんの少し前まで絵空事だったようなこの言葉すら、ふいに現実味を帯びてきた。もちろん籍を入れることだけが幸せのかたちではないが、選択肢のひとつとしては十分にありえる。
作っていこう。高校を卒業してからも楽しい思い出を。拓郎と一緒に!
「彩葉さん」
「拓郎っ」
まったく同じタイミング、ふたりの言葉は衝突してしまった。
「あ……先、どうぞ」
「いやいや、拓郎からどうぞ」
「いやいや、いや、彩葉さんからで……」
「そんなこと言ったら、どっちも言えなくなっちゃうよー」
ふたりは顔を見合わせ吹き出してしまう。
「……じゃあ、ワン・ツー・スリーで、言うとか……?」
「おお、それいいね」
「では」
「いくよ?」
「ワン、ツー……スリー」
気合いを入れたもののまたしてもタイミングが合わず、今度は拓郎の「スリー」が終わるより早く彩葉が「これからも」とはじめてしまった。
「えっ、『スリー』のタイミングでしゃべるんじゃないの!?」
「そう、なのか? 『スリー』を言い終わって、次に話すと、思ってた……」
「だったら『フォー』にならない!?」
「スリーで言うのって……せっかちすぎるような」
「せっかちじゃないよう」
ぷくっと頬を膨らませる彩葉を見て、拓郎は笑ってしまった。
「じゃあ、俺から、ってことで」
「うん、それがいいよ」
「……では、遠慮なく」
空いた手を口元に持っていき軽く咳払いして、彩葉と握った手を離すことなく拓郎は言ったのである。
「彩葉さん、これからも……よろしく」
「うん」彩葉は彼に身を寄せた。「拓郎――こちらこそ、これからもよろしくね」
すでに桜色の猫の姿はなかった。
ようやくそのことに気づき、拓郎も彩葉も猫を探した。気配すらない。まるで最初からいなかったかのように。
「いない……さっきの猫、なんか、不思議な感じがしたな。まるで、俺たちを……見守ってくれてるみたいだった」
「かもしれない。これからも見守ってくれるのかも」
ふたりは黙ったが、どこか安心した表情で手をつなぎ直した。
「さて、これから……何しようか?」
高校を卒業してからの楽しい思い出を、これからも拓郎と一緒に!
「彩葉さん」
「拓郎っ」
まったく同じタイミング、ふたりの言葉は衝突してしまった。
「あ……先、どうぞ」
「いやいや拓郎からどうぞ」
「いい……かな?」
「もちろん」
「……では遠慮なく」
空いた手を口もとにもっていき軽く咳払いすると、握った手を離すことなく拓郎は言ったのである。
「彩葉さん、これからも……よろしく」
うん、と彩葉は彼に身を寄せるのである。
「拓郎――こちらこそ、これからもよろしくね」
そういえば、と拓郎は足元を見た。彩葉も振り返ってたしかめたが同じだ。
すでに桜色の猫の姿はなかった。
拓郎と彩葉は互いに目を合わせ、うなずきあった。
――どこかで見守ってくれているのかもしれない。
「さて、これから……何しようか?」
「さしあたって、ロールケーキでも食べに行く?」
ふたりの笑い声がかさなる。
まだまだうんと青い空を、桜色の風が通り抜けていった。
デートはまだ、はじまったばかりだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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