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桜色の思い出たち・5
「これは……かーさ達とねこカフェ行った時の思い出にゃ!」
叫んだのはハルくんだった。猫が多くて猫好きも多い寝子島には、猫と触れ合うことのできるカフェが何軒も存在している。ショーウィンドウには、そんなねこカフェのうちのひとつにみんなで訪れたいつかの光景がまるで映画かなにかのように鮮明に映し出されていたのだ。
ありえないことだ。
今でもない、ここでもない思い出が、何の仕掛けもない硝子に映るなんて奇怪な!
と考えるのが普通なのだけれど……神魂によるフシギに溢れたこの寝子島では、その疑問はささいなことに思えた。それに寝子島の人々は慣れていた。日常的に起こる異変の数々に。今日のこれはなんら実害があるわけでもない。もしかしたら寝子島自身も、楽しかった日々を振り返りたくなってるのかもしれない。そう思うのは容易だ。三月というのは、そんな気持ちになる季節だから。
「いつのことだっけ。あれはたしか……」
夏朝と夏夜がふたりに分かたれ、ハルくんも付喪神になったよりは後のはずだ……と夏朝は記憶を遡る。
瑠樹もその時のことを思い出してニコニコ顔だ。
「懐かしいねぇ、ののこお姉さんも、夏朝お姉さんや夏夜お姉さんもハルくんも一緒だったねぇ」
「あのときも今日みたいに偶然会ったにゃ」
「幸せな時間だったねぇ。にゃんこも可愛くて、じゃらしたら遊んでくれて」
窓の中の瑠樹が抱いているぬいぐるみはあの日手に入れた茶ブチ猫さんで、今日はおうちでほかのぬいぐるみたちとお留守番。動じない顔つきで、ぬいぐるみまみれの瑠樹の部屋でもひときわ存在感を放っている。
ふだんクールな夏夜ですらも、思い出の光景に穏やかに頬がゆるむ。
「ののこちゃんも結構楽しそうにしてたっけ……猫達も可愛かったね」
いい思い出って不思議だ。瑠樹のろっこんが発動したわけでもないのに、心がぽかぽか和やかになってゆくのがハルくんにも感じられた。
「あのときの猫さんたち、元気かにゃあ」
そのとき、ハルくんの声に、どこか間の抜けた呼び声が被さる。
「あっれー? みんな、こんなところでどうしたのー?」
まさか、と思って振り返ると、思い出の中にいて唯一ここにいなかった
野々 ののこ
だ!
ののこは通りの向こうからぶんぶんと大きく手を振っている。
「にゃあっ!」
ののこの登場に驚いたのか、桜色の猫はぱっとショーウィンドウの前から飛びのいた。
「あ」
猫が退いたのと同時に、窓の中の映像も消える。
ののこが嬉しそうに駆け寄ってくる。そんなののこと会いたくない――わけではないのだろうが、桜色の猫はひらりと身を翻して、路地の暗がりの中に隠れるように走り去った。
夏朝たちは、互いに顔を見合わせる。
「嘘みたい。あのときの顔ぶれで合流しちゃった、ね」
これはもう……偶然というより必然ではないのだろうか。あるいは、桜色の猫の導きか。
「そういえば『桜色の猫を見かけると幸せになれる』って書き込み、みたよ」
なんて夏夜も呟く。ハルくんはわくわく顔で飛び跳ねる。
「ののこちゃんとも会っちゃったにゃら、これはもう!」
「なになに?」
輪の中に交じったののこが、わけもわからないのにハルくんの真似をして飛び跳ねた。
ハルくんはののこの手を取って、みんなの総意を口にする。
「行こうにゃ、ねこカフェ! 一緒に猫と遊ぶにゃ! これもきっと思い出になるにゃ!」
◇
あの日のねこカフェは、今日も元気に営業中。
あの時とすこしちがう顔ぶれもいるけれど、この面々で訪れたあの日、一番懐いてくれていたサビトラの子は健在で、今日もまっさきに夏朝たちの足元にすり寄ってきてくれた。
「久しぶり……元気だった?」
元気だったよ、とお返事するように、サビトラくんはにゃあと鳴く。
「よしよし。勇者ののことその一行が来たからには、キミを退屈させたりしないよ!」
冗談めかしたののこの言葉に、残りの四人は思わず笑みをこぼす。
「なにそれ」
「だったらオレ、ヒーラー。夏朝お姉ちゃんはシーフで、夏夜お姉ちゃんは魔法使いだね」
なんて、瑠樹はノリノリで配役してゆく。
「ハルはハルは?」
「うーん、ハルくんはねぇ……」
剣士? 商人? どれもピンと来なくて悩む瑠樹に変わって、夏夜が答える。
「道化」
「それってみんなのお役に立てるのかにゃ?」
「立つよ。最終的には一番強くなるから」
「やったー。ハルくん、かーさやかやのお役に立つにゃ!」
鼻腔を膨らませてやる気を見せるハルくんに、夏朝はやさしく声をかけた。
「ハルくんはいつだってお役に立ってるよ」
「かーさ……大好き!」
ハルくんたちのやりとりなんてそっちのけ、さっそく冒険に出かけますよとばかりに、サビトラくんはキャットタワーの方へ遊びに出かける。
「よーし高みに登ろう、サビトラくん!」
ののこが瑠樹とハルくんを従えて、キャットタワー攻略へ向かう。
お部屋の片づけをしたり星幽塔に行ったりしてきた夏朝と夏夜は、まったりと猫じゃらしを揺らして近くの猫をあやしながら、サビトラくんと勇者ののこご一行の冒険を眺めていた。
「ね、夏夜ちゃん……」
「なに、夏朝」
「ののこちゃんが天に帰っても、僕等が忘れても、一緒に過ごした事はきっとどこかには残る……よね?」
囁くような夏朝の問いは、答えるのが困難で、夏夜はゆらゆらと猫じゃらしを虚空で揺らして黙っていた。
仔猫が膝にのぼってくる。
ふわふわで、あったかくて、一生懸命に呼吸をしているその仔猫が、夏夜を信じてのぼってくる。
仔猫は揺れる猫じゃらしを見上げて、捕まえようとたどたどしく手足を伸ばす。
そのしぐさはいかにも生きている、という感じがした。
夏夜は、やわらかな仔猫の背を撫でる。
とくとくとくと鼓動を感じる。
たしかに、そこに、命がある。
いくらののこが神とははいえ、ののこがいなくなることで、一度生まれた命が存在しないことになるなんて。積み重ねた時間や想いが存在しなかったことになるなんて。……信じられない。……信じない。
「……きっと残るよ」
信じる。
消えたりしないものもあるはずだ、と。
無邪気に猫たちと遊ぶののこの笑顔を、忘れてしまいたくなんかない。
今このときが、なかったことになるなんて。
ましてや自分やハルくんがいなくなるなんて、そんなのはいやだ。
希望を捨てず、希望を信じて……前に進みたい。
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担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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