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あの日も今日も・3
――ちゃんと、守るってならな?
威嚇に似た低い声を聞いた気がした。
声の方向へ視線を向けた途端、キラリ、透明な硝子が反射した鋭い光に射抜かれ、思わず瞳を細める。
(……守るよ)
過剰なほどに柚春を守ろうとする存在に向け、ウォルターは静かに微笑んで見せる。
(僕の力の及ぶ限りね)
片腕にぎゅっと抱き着く柚春の髪に軽く唇を触れさせる。
反対の手を伸ばしてカプセルギアの頭をつついたりしたら柚春の騎士は激怒するかもしれない。
(僕にとっては君も『生徒』なんだけどねぇ)
柚春を守るためなら相手が誰であろうと立ち向かい牙を剥く男子。鍛え上げられた切っ先のような力量を持ちながら、けれどどこか危うげに見えてしまうのは、彼がただ一人だけをその存在意義としているためだろうか。
なにもかも、柚春ただ一人のために。
(でも、僕も)
桜吹雪の舞う窓の外を見向きもせず、ただひたすらに柚春ばかりを見つめ続ける不思議な存在と視線を合わせる。
(もう決めたから)
どれだけはぐらかしても、時に厳しいほどに線引きをしても、真っ直ぐに一途に、誰にも見せたくなかった弱く醜い部分でさえも見つめてくれた彼女を、――心の奥底の氷塊でさえも緩むまで愛を伝え続けてくれた柚春を守る。
それはもう揺らぐことはない。揺らがせてはならない。
彼女のためにも、己のためにも。そうして全身全霊をかけて彼女を守り続ける彼のためにも。
(だから、透破)
恋人に一番近い関係である柚春との密室でのひとときを監視しているようにも思えるカプセルギアの小さな肩にそっと触れる。抵抗するようにコテンと倒れるворをもう一度座らせる――今度は、窓の外へ顔を向けさせて。
(負けないからねぇ)
ворの視線を外させてから、柚春の頭をぎゅうっと抱きしめる。
(僕が一番、柚春を――)
張り合うように思って、ちらと苦笑い。これはあんまり子どもじみている。
「ワット?」
両腕の中で不思議そうに嬉しそうに笑う柚春からそっと腕を離す。名残惜しそうに見上げて来る彼女の視線に堪らなくなる。
「……純愛、でしょ?」
もっと、と求めて来そうな柚春を牽制する振りをして、同じようにもっともっとと願ってしまう自分自身の心も抑制する。それに、背中を向けていても聞き耳はばっちりたてているはずだ。
(デートの邪魔はしないでねぇ)
彼が人型を取るのは柚春に危険が及んだときか、もしくは己が柚春を悲しませたときだろうということは思い知っている。それでもそんな風に心の中で彼に話しかけてしまうのは、そうすることで自身の欲を抑え込めるからだ。
大事にしたかった。自分自身よりも。彼女のためになるのなら、彼女のもとを離れることも厭わない。そうすることでどれだけ自分が辛くなろうと寂しくなろうと、そんなものは知ったことか。
ただそれをすれば、柚春はきっと泣く。
泣かせたくなんてないのに。誰よりも幸せに笑っていてほしいのに。
そのために今一番にすべきは、彼女との未来を見据えること。
(卒業までは、がまん)
自分自身に向けて呟いた言葉で、ふとブラックウッド家に長く仕えてくれている老メイドの淑やかな顔が浮かんだ。
――がまん、がまんですよ
小さい頃、転んで怪我をしたときによくそう言いながら治療を施してくれた。
――そうすればきっと、後でいいことがありますから
言われたとおりに傷の痛みも滲みる消毒も我慢した後には、決まって彼女お手製の焼き菓子が出てきた。蜂蜜入りの甘酸っぱいレモンティーだって用意してくれた。
「……いい匂いがする」
いつかのご褒美と似た香を愛しく想うひとから感じて囁く。
「レモンと、……」
「ゼラニウムだよ」
抱きしめたせいか僅かに赤い頬で柚春は頷いた。桜色した柔らかな頬も、手首のアロマアクセサリーに触れる指にペアリングの片割れが嵌っていることもひどく愛おしくて、思わず指に指を絡める。
「懐かしい気分になるのはどうしてかなぁ」
「たぶん、……去年お花見列車に乗ったときも同じ香をつけていたから、かな」
柚春への想いをどんな言葉にすればいいのか分からず、絡めた指になるべく優しくぎゅっと力を籠める。
愛を伝えるどんな言葉も足りない気がして困った。
「柚春」
「うん」
ずっと傍に居て欲しいと願うのは傲慢だろう。
ずっと傍に居ると、己は誓えない。どうしたってあの過去が顔を出す。己のちっぽけな正義感のせいで親友が死んだ、あの日のあの瞬間が心を凍らせる。
みんな死ぬのに、永遠の愛なんてどうして誓える?
車窓を流れ散る桜にさらわれてしまいそうな心は、
「ワット」
そっと覗き込んでくる柚春の微笑みに掬い上げられた。
ね、と柚春は春の陽差しの真ん中で笑う。
「僕はここにいるよ」
「……そうだねぇ」
「ワットといっしょに、ここにいる」
「そうだね」
だからね、と柚春は笑う。
「僕はとてもしあわせだよ」
はにかんで抱き着いてくる柚春をこの先も決して離すまいときつくきつく抱きしめる。
「ありがとう、柚春」
あいしているの言葉に換えて、告げる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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